『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。
今回の"バカレシピ"は、子供心を忘れず突き詰めた金色の味玉「金玉」!
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【今回の食材】
・たまご ・白だし ・スプレー式食用純金粉 流星
野島 先日バカレシピを振る舞うイベントを開催したんですが、おかげさまで大盛況! 「子供心を忘れず素晴らしい」と激ホメされちゃいました。
助手 確かに子供心こそバカレシピの原点かもしれないスね。
野島 今後も子供心を忘れず突き詰めようと思い、そしたら史上最高のバカレシピが完成しました。それが「金玉」です。
助手 金玉ですじゃねーよ!! もっと子供心を忘れろ!
野島 もちろん金玉といっても本物の金玉ではないです。金色の味玉のことなのでご安心を。味玉ってゆで卵をタレに漬けて作るんですが、白だしを使うとほぼ無色の味玉を作れるんです。これを金色にペイントすれば立派な金玉の出来上がり!
助手 でもプラモ用のスプレーなんて使ったら食えなくなるし、金箔(きんぱく)でも貼るんスか? っていうか、味玉を金色にできたとしても、モノクロの週プレ誌面では一切伝わらないからな!
野島 完璧に金色にするなら金箔がベストですが、食感がけっこう変わってしまうはず。そこで今回用意したのが食用の金粉スプレー。これを白だしの味玉にスプレーします。プシュッー!
助手 わっ、金粉が勢いよく吹き出てくるから、上手にやらないと一度吹きつけた金粉が吹っ飛んじゃうッスね。
野島 助手君、ちょっとホームセンターで、金色のスプレー買ってきてくれる。油性のやつ。
助手 それは食用不可だろ!
野島 うーむ、白い部分を完全になくすのは難しいか。でもまあだいたい金色だし、そもそも誌面じゃわかんないし、こんなもんでいいだろ!
助手 誌面がモノクロなことに甘えるんじゃない!
野島 まあまあ、とりあえず食べてみましょうよ。これは金玉の気持ちになって食べることが重要です。ハムハム......痛てててっ!! ぐああっー!! そんなにかじらないで!
助手 うるせえ! 黙食しろ!! っていうか、味は普通に激ウマッスね。ゆで加減も完璧! さらに白だしの風味は、間違いなく最強のご飯泥棒ッス!
野島 でしょ。ほら言ってみて。「僕は金玉でメシが食えるッス」って。
助手 それ、セクハラとパワハラのダブルプレーだぞ! まあ金色でめでたいからお祝い事にはピッタリかもッスね。
野島 そりゃいいな! あとはソーセージでも盛りつけたら完璧でしたね。助手くんはミニウインナーでいいだろ。俺はジャンボフランクフルトね!
助手 いいかげんにしろッ!
●野島慎一郎(のじま・しんいちろう)
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』