30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第30回のお悩みは「あがり症」です。

【今週のお悩み】極度のあがり症で、プレゼンなど人前に立つときはもちろん、ただの電話対応でさえも汗が止まらなくなり、手や声が震えてしまいます。しどろもどろになり「変な人だと思われてないか?」と余計緊張してしまったり......。これって改善できるものなのでしょうか?(会社員・43歳)

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まず一番に伝えたいのが、こういった症状はあなたの「心の弱さ」や「性格」のせいなんかではなく、「社会不安障害」というれっきとした病気だということ! そして、心療内科やメンタルクリニックなどで治療を受ければ高確率で改善できるということです。

ちなみに、厚生労働省が運営するサイトでは次のように解説されています。

■社会不安障害
人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所(電車やバス、繁華街など)に、強い苦痛を感じる病気です。
(厚生労働省「こころもメンテしよう」より)


病気ということは、生活習慣病などでない限り"自分のせい"ではありません。だからまずは、「自分を責めないこと」がとても重要なポイントだと言われています。

例えば電話対応やプレゼンで過度に緊張して失敗することが続くと、「自分はなんてできないんだ......」と自己否定に陥ってしまいがちです。それが強いストレスになり、不眠やうつなど、他のツラい症状を併発してしまう人も多いのです。

自分でなんとかしようとして、ネット検索をするのもオススメしません!「準備不足だから緊張する」「性格は変えられる」などなど、さまざまな記事が出てきますが、そのとおりに対策して、また失敗して......と繰り返していると、さらに自己否定が強くなり、どんどん負のループにはまってしまい逆効果です。

社交不安障害の原因は明確にはわかっていませんが、脳の扁桃体がかかわっていると言われています。脳の扁桃体の活動が過剰になることにより、心を落ち着かせる神経伝達物質であるセロトニンがうまく機能しなかったり、アドレナリンなどが過剰分泌することで、心臓がバクバクしたり手や声の震えなどが出てしまうと考えられています。これを聞くと、準備不足や性格のせいではないっていう気がしてきませんか?


自分を責めないことが大切!
心療内科などでは、主な治療として緊張を抑えるお薬による「薬物療法」と、薬を使わない心理療法である「認知行動療法」がおこなわれています。

認知行動療法では、症状が現れる行動を少しずつ体験し、成功体験を積んで克服を目指していきます。薬物療法に抵抗のある人は、「認知行動療法 社会不安障害」などと検索して専門のクリニックを探してみてもいいと思います。

心療内科やメンタルクリニックは「なんとなく行きづらい......」と感じている人も少なくないですが、良い先生に巡り会えればそれだけでも安心材料になるはず。相談者さんのような症状に悩まされているなら、ぜひ勇気を出して受診してみてくださいね。

今週の教訓:"あがり症"は、あなたのせいじゃない!まずは専門の医師に相談してみよう

■福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ、新潟県出身。
慶応大学薬学部を卒業。
現在は都内某所の薬局で現役の薬剤師として勤務中

【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】