20代未満男性の4割程度がデート経験なし! 最新お付き合い事情とは――?(写真はイメージです)

内閣府の調査で判明した20代未婚男性のデート未経験率4割という数字。この数字は多い? 妥当? あらためて、彼女のありなしや出会いの場所、デート、結婚観など最新の恋愛事情を400人アンケートで調査してみた!

■デート未経験4割は妥当?

内閣府が発表した「男女共同参画白書」で、「20代の独身男性のうちおよそ4割がデートをしたことがない」という事実が判明。

今の20代、30代の未婚男性は恋愛に対してどのような考えを持っているのか。最新事情をアンケート調査で明らかにしてみた!

まず、「20代の独身男性のうちおよそ4割がデートをしたことがない」という数字に対しては、半数近くが「妥当だと思う」と回答(Q1)。ただ、デートをしたくないわけではないようで、6割以上が「積極的にしてみたい」と思っているようだ(Q2)

この結果を分析してくれたのは、マッチングアプリ総合メディア「マッチアップ」編集長で紹介型マッチングサービス「ヒトオシ」を手がける、伊藤早紀氏。

「現在、生涯未婚率は男性のほうが女性より10%高い。理由のひとつとして、モテる男性の一部は離婚、再婚を繰り返すなどして生涯でふたり以上の女性と結婚するからです。このように、男性はモテる人とモテない人で格差が激しい時代になっています。恋愛や結婚、それに伴うデートはしたいけど、できないという人は多くなっていくでしょう」

そんな格差時代の恋愛事情を具体的に見ていくと、現在の恋人の有無は「いる」が約4割。「いない」が約6割という結果(Q3)

コロナ禍で新たな出会いは少なかったのではという予想に反して、「この2年以内に恋人と交際を始めた」という人が約66%にも上った(Q4)

ただ、この2年間での出会いの場所は、合コンなどリアルの場は少なく、1位「マッチングアプリ」、2位「職場・仕事関連」、3位「知人の紹介」だった(Q5)

コロナ禍を経た、出会いの場としてのマッチングアプリの台頭について語ってくれたのは、現代の若者の嗜好(しこう)や行動に詳しい、世代・トレンド評論家でマーケティングライターの牛窪恵氏。

「Z世代といわれる今の主に20代は"タイムパフォーマンス"を重視する人が多い。初対面で相手がどういう人なのか、趣味は何かなど聞かなくてはならない合コンより、あらかじめそうした情報が掲示されているマッチングアプリを好むのはうなずけます。

彼らに話を聞くと、多くは『いいね』の数が自分と同じくらいの人たちとのマッチングを望むようです。自分よりモテすぎ、明らかに無理めな人をあらかじめ候補から除外できる。そもそも、婚活や恋活は数多くの異性にモテる必要はない。

自分とレベルの合う人とうまくいくのが一番いいので、マッチングアプリではそこが可視化されているのが大きなメリットです」

ただ、マッチングアプリに頼りすぎるのは弊害もあると忠告するのが伊藤氏。

「マッチングアプリに参加する男性の母数が増えた分、マッチングできないと嘆く人も増えています。なんだかんだアプリ市場で強いのは、イケメンと高年収。こうした市場でのみ戦うと『どうせ俺に恋愛なんて無理』と卑屈な沼から抜け出せなくなることも。

コロナも落ち着いてきた今、出会いを求めるなら、必ず女性と出会える『街コン』などに参加して場数を踏むことも重要。また、30代前半には結婚相談所もオススメです。結婚相談所は30代後半以降の男性が多いので、自分の希少価値が高くなる場所に身を置くのがいいでしょう」

続いては、結婚観について。

内閣府の「男女共同参画白書」では、20代の独身男性で「結婚意思あり」と答えたのは半数程度とやや低い印象の回答だったが、今回のアンケートでは、現在、彼女のいる男性のうち「今の彼女と結婚したいと思う」と答えたのは約85%に上り(Q6)「今の彼女との関係は長く続く」と9割近くが思っている(Q7)ことが判明した。牛窪氏がこの数字について語ってくれた。

「20代男性にインタビューすると、内閣府の調査より、今回のアンケート結果のほうがリアルに近い印象です。つまり、結婚願望はそれほど薄れていないということ。今のZ世代は大家族や昭和の家庭のあり方に憧れを持つ人も意外と多い。

昭和レトロや平成レトロがブームになっていますが、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』のようなご近所付き合いや家族でちゃぶ台を囲んで団らんのようなことに憧れもあるようです。

また、東日本大震災のときに『絆婚』という言葉が話題でしたが、行動心理学上も、不安なときは誰かと寄り添いたい気持ちが高まる。コロナ禍でも似た傾向にあります。

あとは、単純にゼロから始めるのが面倒くさいという気持ちもあるのでしょう。出会いの頻度が少ないなか、今の彼女と後腐れなく別れて、その後にまた別の女性を見つけて、親に紹介するなど、プロセスを踏み直さないといけない。それを考えると、今の彼女との結婚がベストという気持ちもあると思います」

一方、現在、彼女のいない男性への「彼女が欲しい?」の問いに対しては、「欲しいと思う」がおよそ6割、「欲しいと思わない」が4割とやや消極的な印象(Q8)。この1年以内にした恋活では、4人にひとりはマッチングアプリを経験しているものの、「特に何もしていない」という人が6割に上った(Q9)

彼女が欲しくない理由としては「面倒くさい」「ひとりの時間を大切にしたい」が上位に(Q10)

牛窪氏が語る。

「『恋愛や結婚よりも楽しいことがある』『だから特に必要ない』というのがここ数年、若い世代から多く寄せられる声です。

特に"推し活"の広まりは大きい。"推し"の対象はひとりだったり、1グループだったりしますが、それを取り囲むファンの人たちが大勢いて、ファン同士が仲良く、ゆるくつながって一緒に盛り上がる関係です。

一方、恋愛は必ず1対1で、同じ対象を好きになってしまったら、話がややこしくなります。でも、推し活はやめたいときにやめられるし、ほかの人にすぐ乗り換えることもできる。恋愛よりストレスフリーで楽しくて、みんなと幅広くつながって、気が向いたときやりとりできる点が魅力だと思います」

出会いの場は広がったけど、その分マッチングできるハードルは上がった。リアル恋愛をしなくても疑似恋愛を体験できる楽しみもある。ただ、そんななかで付き合えた女性はかけがえのないもので、結婚まで進みたいと考える。コロナを経て、そんな時代になってきているようだ。