『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。
今回の"バカレシピ"は、アンパンマンポテトにあんこを詰めたスイートポテト「ほんとうのアンパンマンポテト」!
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【今回の食材】
・それいけ!アンパンマンポテト 2袋 ・コメダ特製小倉あん 適量
野島 お子さまの定番おやつにアンパンマンポテトってあるけど、あれ詐欺だよな。中にあんこが入ってないのに、何がアンパンだよ!
助手 そこに文句を言う人、地球上で絶対に野島さんだけかと。そもそも、パンじゃなくてポテトだし!
野島 で、せめて中にあんこくらい詰めればいいのにと思ってやってみたら、これが驚くほど激ウマになっちゃって。
助手 ほんとかよ!? まー、作ってもらいましょ!
(1)潰す! 冷凍のアンパンマンポテト2袋分をレンチンしてボウルに移し、めん棒などでグニグニと潰す。少し残酷な気がするが、アンパンマンの顔が原形をとどめなくなるまで潰すこと
野島 まずはアンパンマンポテト2袋分をレンチンで温め、ボウルに移したら、めん棒などを使い、顔をグニグニ潰します。
助手 うわあ、なんて残忍な!
野島 助手くんはアンパンマンになったつもりで、痛がって!
助手 うるせえよ! アンパンマンがすっかりマッシュポテト状に戻ってしまったッス。
(2)あんこ! アルミホイルなどの上に①を薄く延ばしたら中央にあんこをたっぷりのせ、さらに(1)をかぶせて顔を作る。表面がボコボコしている場合は薄く水を塗って延ばし、ならすとよい
野島 ポテトを平らに延ばしてあんこをのせたら、さらに上からポテトをかぶせてアンパンマンの顔を作り直し。鼻と頬はポテトで、目や口などのパーツはあんこで作るといいですよ。
助手 なんで悲しげな表情にさせるんだよ。笑顔にしてやれ!
(3)トースト! アンパンマンの顔を再現できたら(2)をトースターに入れ、表面がカリッとするまで焼き上げる。鼻と頬には卵黄と水を混ぜたものを塗ると焼き上がりの色を変えられてリアルに!
(4)完成!「ほんとうのアンパンマンポテト」
野島 これにはちゃんと理由があるんで待ってください。あとはトースターで表面がカリッとするまで焼けば完成ですよ。
助手 うわ、ちゃんとアンパンマンになってるけど、表面がボコボコだし、なんかグロいぞ!
野島 油でギトギトもしてるし、ニキビ面の高校生バージョンってことにしておきますか。
助手 いいから早く食わせろ! しかしこれ、ずいぶんとデカく仕上がったッスね......。
(5)切り分け! 豪快に丸かじりをしたり、「僕の顔をお食べ」とちぎり分けてもいいが、包丁で切り分けて食べるのが無難。ホクホクのポテトの食感とあんこのハーモニーが抜群でウマい!
野島 なので包丁などで切り分けるのがベストなんですが、ここでアンパンマンの悲しげな表情が映(ば)えるわけです。おのれアンパンマン、包丁攻撃を食らえ! グサッー!! ワハハッ、痛そうな表情をしていやがる! 「やめてください、ばいきんまんさま」と泣いて媚(こ)びろ!
助手 あんた、お子さまにどんなトラウマを植えつける気だ!?
野島 さあ僕の顔をお食べ。
助手 急にアンパンマン側になるな! ってこれ、あんこの甘さが加わって完璧にスイーツのスイートポテトになってますやん! 意表を突くウマさ!!
野島 原材料はジャガイモなどだけど、甘みが加わることでよりサツマイモ感が強くなるんです。ちなみに中身をカレーにしてカレーパンマンを作っても激ウマです。それも続けて作ってみますか、悲しげな表情で。
助手 だから普通の表情で作れって言ってるだろ!
●野島慎一郎(のじま・しんいちろう)
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』