ともに佐賀県出身の芸人・オラキオさん(左)とグラドル・ちとせよしのさん ともに佐賀県出身の芸人・オラキオさん(左)とグラドル・ちとせよしのさん

「くやしー!」のか「おいしー!」のか、茨城県に代わって魅力度最下位となった佐賀県。ところで、佐賀県の名物ってなんだっけ?......と思ったので、出身者に聞いてみました。そしてわかった、知られざる魅力とは?

■よくぞ、最下位を取ってくれた!

今年の「都道府県魅力度ランキング」で、茨城県と入れ替わり最下位となった佐賀県。

佐賀県知事の山口祥義(よしのり)氏は、最下位になったことについて「私は特に意識していない」「佐賀ほど素晴らしいところはない」「本質的な価値を世界に向けて打ち出していく」と記者会見で力強く語っていた。日本ではなく、世界を見据える佐賀県の心意気は素晴らしい。

しかし、実際に佐賀県出身の人たちは、この最下位をどう思っているのか? まずは、グラビアアイドルのちとせよしのさんに聞いてみた。

「普通に悔しいですよ。でも、昨年は下から2番目だったので、まったく話題に上りませんでした。昨年最下位の茨城県は"最下位いじり"でテレビとかによく取り上げられていたので、佐賀県もこれを機にもっと多くの人に知ってもらえるとうれしいです。

最下位になった理由ですか? それは『うちには何もないよ』と言う佐賀県の人が多いからじゃないですかね。でも、佐賀は実はたくさん魅力がある県なんですよ。

まず、のどかです。私は佐賀県神埼(かんざき)市千代田町出身なんですが、実家の周りはほとんど田んぼです。本当にアニメで描かれるような風景なんです。実家から一番近いコンビニまで徒歩で30分くらいかかりますし、最寄り駅も9㎞先です。だから、駅付近の飲食店は、うちまで出前をしてくれないんですよ(笑)。自然豊かな場所、それが佐賀だと思います。

あと、『佐賀空港(九州佐賀国際空港)』もすごいです。駐車場が無料なんです。しかも、駐車場から一番近いチェックインカウンターまで徒歩約60秒。今年4月にリニューアルされ、有田焼とか『佐賀海苔』とか、佐賀のイケてるお土産が空港でも手に入るようになりましたので、皆さん、ぜひ佐賀にお越しください。

世界的に有名なのは『佐賀インターナショナル・バルーンフェスタ』です。世界中から100基ほどの熱気球が佐賀市の嘉瀬(かせ)川河川敷に集まってきます。これも自然が豊かで高い建物が少ない佐賀の平野だからできるイベントらしいです。

えっ? 佐賀県の観光大使を狙ってるんじゃないかって? いやいやいや......実はちょっと狙ってます(笑)」

バルーンフェスタ。佐賀市嘉瀬川河川敷で行なわれる「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。今年は11月2日(水)~6日(日)に開催 バルーンフェスタ。佐賀市嘉瀬川河川敷で行なわれる「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」。今年は11月2日(水)~6日(日)に開催

次は、お笑い芸人のオラキオさん。

「佐賀が最下位になったことについて、僕は『よっしゃ、よくぞ最下位を取ってくれた!』って感じですね。僕の知り合いの市議会議員も喜んでいたし、不快に思ったり、落ち込んでいる人は少ないんじゃないですか。

ただ問題は、関東だと茨城県、埼玉県、群馬県とかが悪口を言ったりケンカしてるから面白いわけじゃないですか。でも、佐賀県は戦う相手がいないんですよ。県民は九州では佐賀が一番下だと感じているので『大分だけには言われたくない!』とか思っている人が少ない。そこが違いますよね。

佐賀の魅力ですか? 僕は鳥栖(とす)市の出身なので、やっぱりサッカーの『サガン鳥栖』ですね。サガン鳥栖って、10年以上J1にいるのに、いまだに『サガン鳥栖ってJ2でしょ』って言われるんです。それが悔しい。

ちなみにスタジアムはJR鳥栖駅から徒歩約3分の距離にあります。佐賀は土地だけはいっぱいあるんですよ。とても便利です。それにサッカーと球技専用スタジアムで選手を近くで見られるのでとても楽しめます。

サガン鳥栖のホームである「駅前不動産スタジアム」。収容人数は約2万4000人 サガン鳥栖のホームである「駅前不動産スタジアム」。収容人数は約2万4000人

あと、鳥栖といえばバレーボールVリーグ女子の『久光スプリングス』。スプリングスは8度もリーグ優勝している強いチームなんです。佐賀といえば、この強い2チームをオススメしたいですね。

ちなみに、僕はお笑い芸人の前は板前をやっていたので、食のことは詳しいです。『佐賀牛』は料理人の中でもめちゃくちゃ評判がいい。全国でもトップクラスの味です。

それから『井出ちゃんぽん』。長崎ちゃんぽんから魚介を抜いて野菜をたっぷりにした感じのもので、武雄(たけお)市には『武雄・北方(きたがた)ちゃんぽん街道』と呼ばれるちゃんぽん店が集まっているエリアがあります。

同じく武雄市には『サウナシュラン』で3年連続日本一に輝いたサウナを備える『御船山(みふねやま)楽園ホテル らかんの湯』もあります。

僕はサウナに入らないのでよくわからないのですが、サウナ好きの人に聞くと『佐賀のサウナはやべえ!』と言ってました。御船山の途中にあって、大自然の中のすごく広いサウナらしいです」

ふたりの話を聞くと、佐賀の一番の魅力は"自然の豊かさ"のようだ。

■「佐賀といえば〇〇」がサッと出てこない!

では、現在、佐賀に住んでいる人はどうなのだろうか。ベストセラー『佐賀のがばいばあちゃん』(徳間文庫)の著者で漫才師の島田洋七氏が語る。

「佐賀県が魅力度ランキングで最下位になった? 魅力ってなんだろうね? 東京の土地なんか、普通に坪100万円以上するやんか。だけど、佐賀だと10万円以下。俺んとこなんて300坪で2200万円よ。

東京で給料20万円しかもらってないのに家賃13万円も払っている人がいたけど、佐賀だったら2DKが4万円台くらい。東京に住んでいても生活が苦しかったら意味ないがな。

京都だって、観光地だから人が多くて混んでるし、お店も観光地値段で高いから、お金がかかる。

北海道に住んでる人に『北海道はいいですね』って言ったら『冬は雪が多くて大変です。雪かきがいやになる』。グアムの人に『一年中暑くて、海に入れていいですね』って言ったら『一年中暑いから嫌いです』だって。

観光地は2、3日おったら楽しいけど、1ヵ月おったら飽きるやろ。

そう考えると、佐賀が最下位になったんは、魅力が一番っていうことの裏返しよ。

佐賀に来て『ほんま、なんにもないなー』ってボロクソ言うて、優越感に浸って帰んなさいって。何もないことを楽しめばいい。

佐賀のおいしい食べ物? 最近は流通がしっかりしてるから、佐賀でも新鮮な毛ガニが売ってるで。どこにいてもなんでもうまいて。まあ、強いて言うなら『呼子(よぶこ)のイカ』(唐津市)かな。生きてるやつ。ほかにオススメの食べ物はない」

最後に「地方創生」に詳しいジャーナリストの嶋田淑之(ひでゆき)氏に聞いた。

「佐賀は九州で一番面積も小さく人口も少ない県です。そして佐賀には、福岡といえば『とんこつラーメン』や『辛子明太子(めんたいこ)』、長崎といえば『ちゃんぽん』や『ハウステンボス』、熊本といえば『阿蘇山』や『馬刺し』のように、佐賀といえばコレとサッと出てくるキラーコンテンツがない。

でも、佐賀県は日本における稲作発祥の地で、農業がとても盛ん。佐賀牛は日本有数の黒毛和種です。また、日本における陶磁器発祥の地で、有田焼、伊万里(いまり)焼など世界に冠たる焼き物がある。

有明海で行なうのり養殖は全国一の生産量です。砂糖を使ったお菓子作りも江戸時代から盛んで、実は森永製菓や江崎グリコの創業者は、佐賀の出身なんですよ。

イベントも面白いものがあって、アジア最大級の熱気球競技大会「佐賀インターナショナル・バルーンフェスタ」や有明海の干潟で泥だらけになって行なう競技会『鹿島ガタリンピック』などは佐賀県ならではといえます。今、注目されている『酒蔵ツーリズム』も佐賀が発祥です。

このように、それぞれの地域は非常に頑張っているのですが、県外の認知度が低い。

しかし、今回、最下位になったことで注目度は上がりました。今後、佐賀県がどう売り出していくのかがポイントになるでしょう」

ここで、前出のオラキオ氏が声を上げた。

「佐賀県出身のお笑い芸人には、江頭2:50さん、はなわさん、どぶろっく、チェリー吉武、そして僕がいます! 僕らが"佐賀県人会"をつくって佐賀をPRし、盛り上げていきたいです!」

このメンバーが佐賀県のPRにプラスになるかわからないが、この一年が佐賀にとって勝負の年になることは間違いないだろう。

●佐賀県出身グラドル・ちとせよしの
2000年生まれ、佐賀県神埼市出身。B95 W65 H98。江頭2:50と互いの実家が近く、同じ中学校に通っていた。また、祖母が江頭の母親と仲良しだという。公式Twitter【@chitose_yoshino】

●佐賀県出身芸人・オラキオ
1977年生まれ、佐賀県鳥栖市出身。県立鳥栖工業高校卒業。2016年にお笑いコンビ「弾丸ジャッキー」を解散し、今は芸人・俳優として活動中。公式Twitter【@matsuyukiorakio】