世界のクリスマスマーケットで見つけた人気グルメ3選をご紹介! 世界のクリスマスマーケットで見つけた人気グルメ3選をご紹介!

みなさん、メリークリスマス! って、ちょっぴり気が早い気もしますが、世界では11月下旬からクリスマスマーケットが開催されています。クリスマスマーケットは中世にドイツ・フランクフルトで始まった伝統的なお祭りで、今やヨーロッパ各地をはじめ、世界中に広がりました。

街の中心部ではクリスマスのデコレーションが飾られ、伝統的なお菓子やグリューワイン(ホットワイン)、雑貨などの屋台が並び、寒空の下、頬を赤らめて白い息を吐く人たちで賑わいます。

ドイツの三大クリスマスマーケットのひとつ「世界最大のシュトゥットガルト」 ドイツの三大クリスマスマーケットのひとつ「世界最大のシュトゥットガルト」

ドイツではツリーよりも歴史が長いクリスマスピラミッドに注目! ドイツではツリーよりも歴史が長いクリスマスピラミッドに注目!

私も2015年の冬に初めて本場のクリスマスマーケットに参加しましたが、ドイツ以外にもオーストリアのウィーン、ハンガリーのブダペスト、チェコのプラハなど、どの国も規模が大きく街中がキラキラ!

特にウィーンやプラハでは羊小屋や干し草の上で遊ぶ子供たちの姿など、まるでクリスマス・ページェント(イエス様誕生シーンの劇)の一幕のような世界観がありました。ちなみに私は幼稚園児の頃、ページェントでマリア様の役を狙っていましたが、ジャンケンで負けて一度は天使、もう一度は馬の役をやりました。ヒヒーン。

チェコ・プラハのクリスマスマーケット チェコ・プラハのクリスマスマーケット

干し草の上で遊ぶ子供たち 干し草の上で遊ぶ子供たち

日本でもクリスマスマーケットは定番化しつつあり、東京では日比谷公園、丸の内エリア、六本木ヒルズなどで開催。中世的建築や大聖堂があるわけでもなく、高層ビルに囲まれた街中では世界観が完璧とはいきませんが、小さめながらもクリスマス気分を高揚させてくれるので、ぜひ体験してみては?

2022年の六本木ヒルズのクリスマスマーケット。シュトゥットガルトのクリスマスマーケットを再現した会場づくりだそう 2022年の六本木ヒルズのクリスマスマーケット。シュトゥットガルトのクリスマスマーケットを再現した会場づくりだそう

シュトゥットガルトのクリスマスマーケット シュトゥットガルトのクリスマスマーケット

と言いつつ、コロナ第8波にやっぱりおうちで過ごす人も少なくないはず? そこで今回の「おうちで世界飯」ではクリスマスマーケットのグルメ3選をご紹介!

①みんな片手に「グリューワイン」

ホカホカと湯気をあげるグリューワイン ホカホカと湯気をあげるグリューワイン

クリスマスマーケットに欠かせない物といえば、グリューワイン! 簡単にいえばホットワインのことで、主に赤ワインにフルーツやシナモン、クローブなどのスパイス、砂糖やシロップを加えて温めたもの。

白ワインをベースにしたものや、ラム酒などの蒸留酒を足して飲むこともあります。体ポカポカでふわっと酔っ払う感じが気持ち良くて顔がフニャけます。

可愛いクリスマス柄のマグカップは持ち帰りできるので思い出の一品になること間違いなしなのですが、そういえば旅人の私が現地で購入した1.99ユーロの激安グリューワインは紙コップ......。風情なかったよね。マグでいっときゃ良かった!

<簡単レシピ>
赤ワイン300mlに、ハチミツ大さじ2、シナモン1本、(お好みでクローブ2個、八角2個)、生姜スライス2枚を入れて温め、オレンジやレモン、りんごのスライスを浮かべたら完成!

②ゲーテの"お取り寄せ"で作る「ドライ・イム・ヴェックラ」

クリスマスマーケットで売られるドライ・イム・ヴェックラ クリスマスマーケットで売られるドライ・イム・ヴェックラ

ドイツの三大クリスマスマーケットのひとつ「世界一有名なニュルンベルクのクリスマスマーケット」で食べた私の推しが「ドライ・イム・ヴェックラ」。パンにソーセージを3本挟んだだけの「3本入りのパン」という、なんとも直訳すぎるシンプルさですが、このソーセージが特別なんです。

ドイツは1500種類以上を誇る「ソーセージ天国」ですが、世界で最初に作られたソーセージとして有名なのが、「ニュルンベルガーソーセージ(正式にはロストブラートヴルスト)」。長さ7~9cm、25~30g程度で、豚肉を羊腸に詰め、マジョラムという香草で味付けされたもの。

肉屋で見つけたニュルンベルガーソーセージ 肉屋で見つけたニュルンベルガーソーセージ

製造場所も重要で、バイエルン州ニュルンベルクにて製造されたブラートヴルストだけが、「ニュルンベルク・ブラートヴルスト」と名付けることが許可されています。一般的には小指サイズのソーセージと言われているそうだけど、それはドイツ人が大柄だから? 私からすると人差し指サイズです。

ちなみにニュルンベルガーソーセージが小さいのは、中世時代、城壁外に外出禁止時間であっても鍵穴から客にソーセージを売ることができるようにだったんだとか。 これを鍵穴に刺そうとした人がいるかと思うとなんだか笑ってしまいますが、そこまでして食べたいソーセージなのだから美味しいに決まっています。

文豪ゲーテも当時住んでいたワイマールから"お取り寄せ"していたんだとか!

<簡単レシピ>
ニュルンベルガーソーセージ(ハーブソーセージで代用)を3本焼いて丸パンに挟んだら完成!

3本のニュルンベルガーソーセージがパンに挟まれて出来上がり! 3本のニュルンベルガーソーセージがパンに挟まれて出来上がり!

③バウムクーヘンの元祖「クルトシュカラーチ」

バウムクーヘンの原型「クルトシュカラーチ」 バウムクーヘンの原型「クルトシュカラーチ」

クリスマスマーケットで最も有名なお菓子といえばシュトレンですが、今回紹介したいのは「クルトシュカラーチ(キュルテーシュカラーチ)」という、ハンガリーやルーマニア領のトランシルヴァニア地方に伝わる焼き菓子。「キュルテー」とはハンガリー語で「煙突」のことで、英語では「チムニーケーキ」と呼ばれています。

長い棒に生地をクルクルと巻きつけて砂糖をまぶし焼きあげたもので、素朴な甘さと、外側はカリッと香ばしく内側はモチッと絶妙な食感がやみつきになります。一説にはバウムクーヘンの原型とも言われていて、祭りや祝い事には欠かせない東欧では定番の屋台菓子です。

<簡単レシピ>
生地の材料は小麦粉250g、卵1、牛乳100ml、砂糖25g、 溶かしバター25g、ドライイースト3g。 温めた牛乳でドライイーストを溶かし、材料を全て混ぜる。よく捏ねて休ませたら伸ばして棒状にカット。アルミ缶で作った型に巻き付けてグラニュー糖をまぶしたらオーブンで焼き出来上がり!

帯状にカットした生地を型に巻いて焼きます 帯状にカットした生地を型に巻いて焼きます

クルクルとといてちぎって食べるよ! クルクルとといてちぎって食べるよ!

クルトシュカラーチは日本ではまだまだ珍しいスイーツですが、世界ではチョコやアイスを乗せたりと進化が進んでいます。マリトッツォに続き、来年こそはトレンドスイーツとして流行るかも!?  皆さんもぜひ世界のクリスマスグルメを楽しんでみてください!

*詳しい作り方はYoutube動画でどうぞ!

左からドライ・イム・ヴェックラ、クルトシュカラーチ、グリューワイン 左からドライ・イム・ヴェックラ、クルトシュカラーチ、グリューワイン

それでは最後にゲーテの格言でお別れしたいと思います。

人が旅をするのは、到着するためではありません。
それは旅が楽しいからなのです。
ー ゲーテ ー

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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