■貝、煮干し、豚骨......もはや店レベルの味!
元サッカー日本代表の本田圭佑選手が1月9日、日本でラーメンを食べ、「あの美味(うま)さで730円は安すぎる。次ラーメン食うときは2000円支払います」と投稿したツイートが話題になった。
海外生活が中心の本田選手のツイートによって、日本のラーメン店のクオリティの高さが証明されたわけだが、それはラーメン店だけじゃない。コンビニのチルドラーメンも急速に進化を遂げ、今や味も価格もラーメン専門店に負けないものになっている。
「コンビニのチルドラーメンは昔からありましたが、2017年にセブン-イレブンが『新熟成麺』を開発してから、お店レベルの味になりました。その後、他社も追随し、今ではその品質に共感した老舗の名店までコラボするほど劇的においしくなっているんです」(コンビニジャーナリスト・吉岡秀子氏)
「コンビニのチルドラーメンは、ラーメン業界のトレンドをうまく追いかけています。最近では貝系や煮干し系など、新しい味にも挑戦し、それを安く提供するという流れにもなっています」(フードジャーナリスト・はんつ遠藤氏)
そこで週プレは、はんつ遠藤氏、吉岡秀子氏、そしてラーメン大好き芸人の北川めんま氏、ラーメン大好きグラドルのトロたん氏の4名に「コンビニラーメンBEST10」を教えてもらい、それを基にオリジナルのランキングを作成した。
まず、10位は「濃厚豚骨ラーメン」(ローソン)。
「"ドロ系"と呼ばれるドロドロした濃厚な豚骨スープが特徴で、細いがコシのあるストレート麺との相性がバッチリです。こんな本格的な味が出せるのはすごい!」(遠藤氏)
9位は「博多一風堂監修かさね味」(セブン-イレブン)。
「一風堂さんの監修なだけにスープが秀逸! 豚骨だけでなく鶏ガラも加えて、味に厚みのある白湯(パイタン)スープを作り出しています。もしかしたら、普通の豚骨ラーメン店より、おいしいかもしれません」(遠藤氏)
8位は「炊き出しガラスープの豚骨ラーメン」(ファミリーマート)。
「極細ストレート麺で、豚バラチャーシュー、キクラゲ、青ネギのトッピングもあり、博多で豚骨ラーメンを食べているような錯覚に陥ります」(吉岡氏)
7位は「チーズ入り台湾風まぜそば」(ファミリーマート)。
「台湾まぜそばの元祖『麺屋はなび』さんのお弟子さんの店『麺屋こころ』さんが監修しています。それだけに、ニンニク醤油ダレとうま辛味がしっかりとまとまっていますし、麺も太く食べ応えがあります」(北川氏)
6位は「胡麻とラー油の旨辛担々麺」(セブン-イレブン)。
「この担々麺は、ひき肉がおいしいんです。しかも、チンゲン菜やモヤシなどの具材の量も多いし、ラー油も多め。食べ応えは十分です」(吉岡氏)
「唐辛子とラー油のバランスがよく、程よい辛さに仕上がっています。別添えの花椒(ホアジヤオ)を加えれば適度なしびれも味わえますよ」(遠藤氏)
5位「野菜たっぷりタンメン」(セブン-イレブン)。
「僕はタンメンはよく食べるんです。これは塩味のあっさりスープなんですが、よけいなことをあえてしない"シンプル・イズ・ベスト"な味が楽しめます」(北川氏)
「コンビニのラーメンは、シンプルなものをいかにおいしく作れるかが勝負だと思います。これは"レジェンドラーメン"と言っていいほどのおいしさです。繊細な味をとにかく試してほしいです」(吉岡氏)
4位は「10種具材のコク旨ちゃんぽん」(セブン-イレブン)。
「豚肉のほかに、キャベツやタマネギ、ニンジンなど野菜、そしてイカやかまぼこ、さつま揚げなどがたっぷり入っているので、見た目が豪華でお得感があります」(吉岡氏)
「野菜をたっぷり取れるのもいいんですが、豚ガラと鶏ガラのうまみを効かせた濃厚な白湯スープが程よい甘さがあっておいしいんです」(遠藤氏)
3位は「いりこだし香る煮干しラーメン」(ファミリーマート)。
「煮干しの香りがすごいんです! でも、別に臭みがあるというわけではなく、とても食べやすかったです!」(トロたん氏)
「ニボラー(煮干しマニア)に人気の"セメント煮干し"と言われる、大量の煮干しを潰して作るドロドロのグレーのスープとまではいかないのですが、それに近い味を感じます。さすがです」(北川氏)
「煮干し系は今、全国的にはやっていて、透き通っている清湯(チンタン)煮干しと白濁している白湯煮干しの2種類あり、これは白湯系です。有名店を意識して、あられ切りのタマネギが入っているところもこだわりを感じます」(遠藤氏)
2位は「とみ田監修デカ豚ラーメン ニンニク増し」(セブン-イレブン)。
「ニンニクがバチバチ効いたスープに、パワフルな太麺。本格的な"二郎インスパイア系"が食べられるのは『素晴らしい』のひと言しかありません」(北川氏)
「ガッツリ系ラーメンをコンビニで再現する心意気は感心しますが、原材料の高騰で値段が少し上がってしまったのが残念です」(遠藤氏)
そして、1位は「貝だしの旨み塩ラーメン 国産米粉使用」(セブン-イレブン)。
「貝のだしをすごく感じました! あと、メンマの存在感が大きいです」(トロたん氏)
「豚骨や鶏ガラ、煮干しなどに比べて、ハマグリ、ホタテ、アサリなどの貝類は原価が高いんです。でも、それをきちんと使っているので、貝のうまみがダイレクトに伝わってきます」(遠藤氏)
「貝だしの塩ラーメンは、素材が良くないと勝負できません。それだけ、おいしさが際立っている一品です」(吉岡氏)
コンビニのチルドラーメンも、街のラーメン店に負けずハイクオリティだ! 本田選手にもぜひ、食べてほしい!
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