20代から50代の男性会社員800人(各年代200人ずつ)に聞きました! *世代間で差が見られた回答のみ世代別に表示しています(以下同)20代から50代の男性会社員800人(各年代200人ずつ)に聞きました! *世代間で差が見られた回答のみ世代別に表示しています(以下同)

薄毛ほど大きくは取り上げられないけど、意外と悩んでいる人が多い白髪問題。最近増えたのは疲れのせい? もう増殖は止まらない? アンケートから出た数々の悩みを解決していきます!

■みんな白髪生えてる?

薄毛ほど大きく取り沙汰されないけど、意外と白髪に悩んだ経験のある人って多いのでは。

実際、白髪が生えているか(Q1)を20代から50代の男性会社員800人に聞いてみたところ、20代で半数以上、50代では9割以上が生えていると回答。というわけで、多くの人が抱えている(生えている)白髪に関する疑問を投げかけてみた。答えてくれたのは、形成外科医でアヴェニュー表参道クリニック院長の佐藤卓士先生

【Q】そもそも白髪ってなぜ生えるんですか?

【A】「髪の毛が黒々としているのは髪の毛の中にメラニン色素があるから。メラニン色素を作っている色素細胞をメラノサイトといいます。このメラノサイトが、なんらかの原因でメラニン色素を作れなくなると、髪の毛は色を失い、白く見えるようになります。これが白髪です」

ちなみに、白髪について悩んだり、不安になったことがあるか(Q2)の問いには、20代でも4割程度が悩んでいることが判明。いつ頃から悩み始めたか(Q3)という問いでは30代後半からという答えが一番多かった。

男の白髪アンケート

【Q】では、白髪が生えてくる年齢に差があるのはなぜ?

【A】「メラノサイトの働きが鈍くなったり、休止してしまう原因のひとつは老化。実年齢に比べて見た目が若く見える人もいれば、逆に老けて見える人もいるように、老化の進行速度には個人差があります。老化現象である白髪が生える時期も年齢差が出てくるというわけです。

さらに、遺伝的要因もあります。白髪が多い家系の子供は白髪になりやすい傾向があります。20代でも白髪が多い人は遺伝的要因によるものかもしれません」

続いては、白髪が生えている場所(Q4)について。もちろん一番多かったのは毛髪だが

男の白髪アンケート男の白髪アンケート

【Q】やはり、白髪の生えやすい場所ってあるんですか?

【A】「分け目や生え際などは、目につきやすい場所なので、白髪が多い印象をもちますが、実際にはどの場所が生えやすいということはなく、頭部全体に白髪は生えてきます。

ただ、紫外線のダメージでもメラノサイトの機能が低下して白髪に影響を与える可能性があります。強いて言えば、頭頂部の分け目や生え際は日光が当たりやすいので、白髪が生えやすい場所といえるでしょう」

次は、白髪とストレスについて。白髪が増えた同僚や上司を見て、疲れているなと感じたことがある人は半数以上(Q6)。そして、白髪の原因はストレスだと感じるか(Q7)の問いに、20代は7割以上が感じると答えた。

男の白髪アンケート

【Q】実際にストレスを抱えると、白髪は増えますか?

【A】「ストレスがたまると、体内に活性酸素が増えて、細胞にダメージを与えます。メラノサイト(色素細胞)もダメージを受け、白髪になる。また、ストレスにより自律神経が乱れると血行不良になり、代謝が鈍くなってきます。

頭皮の血行も悪くなるため、細胞の代謝が正常に行なわれなくなって、白髪になる可能性があります。また、睡眠不足も代謝の低下を引き起こすため白髪のリスクを高めます」

さらに、気になるのは、薄毛と白髪の関係。白髪のある50代で薄毛に悩んでいる(Q8)のは、およそ4割と、なんとなく少ないような数字が出たけど......。

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【Q】白髪の人は薄毛になりにくいというのは本当?

【A】「薄毛と白髪に直接的な関連性はありません。逆に、白髪と薄毛の原因は共通するものが多いので、白髪と薄毛のダブルパンチは起こりえます。白髪は抜けにくくて、強いということもありません」

以上の知識を踏まえて、白髪の予防法を聞いてみた。

【Q】白髪に海藻がいいと聞いたことがあるけど、本当?

【A】「ワカメなどの海藻類はヨードをはじめ亜鉛やカルシウムなどを含みます。ヨードはメラノサイトの機能を高める作用があるため、メラニン色素を増やし、髪を黒くします。亜鉛やカルシウムも髪の毛の成長に不可欠な栄養素です。

ただ、たくさん海藻を取れば白髪が治るというものではなく、予防に必要な成分を補うくらいの考え方がよいでしょう。逆にヨードを過剰摂取すると甲状腺の病気につながることがあるため、偏った食べ方をしないように」

【Q】頭皮マッサージは白髪に効果がありますか?

【A】「効果ありです。ストレスや血行不良、栄養不足によって頭皮は硬くなりがち。血流が悪いと、毛母細胞やメラノサイトに栄養が届きにくくなるので、日頃からマッサージをして、頭皮をもみほぐして柔らかさを保ちましょう。シャンプー中などに、指の腹で頭皮を動かすようにしてもみほぐしてください」

【Q】ちなみに、一度白髪が生えると一生治らない?

【A】「白髪には、メラノサイトが残っているにもかかわらず、メラニン色素の合成を行なっていないタイプ(休止型)と、メラノサイトそのものが減少もしくは欠失しているタイプ(欠失型)があります。白髪の多くは欠失型です。欠失型の場合、白髪が治ることは理論上ありえませんが、休止型の場合はその原因を取り除くことによって白髪が治る可能性があります。

2016年に世界で初めてIRF4という髪を白くする作用をもつ遺伝子が発見されました。この遺伝子はメラニン色素の生成や蓄積に関係していて、髪を白くする働きをもつことがわかってきました。現在のところ白髪の治療薬はありませんが、今後この遺伝子の研究が進めば、治療薬が開発されるかもしれません」

これはうれしい知らせ。それでは、ここから白髪に関する素朴な疑問を一気に紹介!

【Q】白髪を抜くと増えるっていうのは本当ですか?

【A】「白髪を抜いた同じ毛穴からは、また白髪が生えてきますので、プラスマイナスゼロです。白髪を抜くことで増えるという事実はありません。ただ、毛を無理に抜くと、毛穴や毛根を傷つけて炎症を起こします。

炎症により周囲の色素細胞にまでダメージが及ぶと、白髪が増えてしまう可能性はあります。なので、抜くのはオススメしません。気になるようなら、白髪の根元から切るようにしましょう」

【Q】一本の髪の毛で、途中から白髪になることってありますか?

【A】「あります。正常に生えている黒髪にメラニン色素を受け渡す機能が失われた場合、その黒髪は途中から白髪として成長することになります」

【Q】鼻毛の白髪が抜けにくい気がする。毛根の強さは関係ありますか?

【A】「薄毛の質問でも述べましたが、黒髪と白髪の違いはメラニン色素の有無だけなので毛根の強さに違いはありません。そのため白髪が抜けにくいということはありません。そのように感じるのは、白髪は目立ちますし、その白髪が抜けても、また白髪が生えてくるので、抜けたことに気づかず、ずっと生えているように感じるためかもしれません」

■白髪と美容院と髪型

続いては、白髪と身だしなみについて。

白髪を染めているか(Q9)の問いには、各年代とも2割ほどが染めているとの答え。いつ頃から染め出したか(Q10)については、40代前半が最も多かった。

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ちなみに、女性の意見を聞いてみると、パートナーの白髪が目立ったら染めてほしいか(Q11)の問いに半数以上が染めてほしいと答えた。

ただ、美容院に行ってもどうすればいいのか......。気になる疑問に答えてくれたのは、表参道の美容院Harrisの取締役、坂爪加奈氏。

【Q】どれくらいの頻度で染めればいいでしょう?

【A】「生え際に白髪が目立つ方で頭皮状態にトラブルがない方は、2週間に一回のペースで染められる方がいらっしゃいますが、頭皮の負担を軽減するためには頻度は3週間に一度がオススメです。ただし、頭皮環境のことを考えると頻度が少なければ少ないに越したことはありません」

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【Q】白髪に適した髪型ってありますか?

【A】「女性アンケート上位の吉川晃司さん、舘ひろしさん(Q12)のように、艶を保つこと。軽くブラシを入れながらブロー、もしくは艶が出るスタリイング剤を使いましょう。

ほかには、三浦知良さんやイチローさんのように、デザイン性を入れること。部分刈り上げや長さの長短をつけることです。あと、白髪が目立ちにくいカットの共通点は根元のボリュームを出すスタイル。髪質により立ち上がりにくい方には根元からパーマをかけることもオススメです」

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一度生えると、長いお付き合いになる白髪。これを機に改めて向き合ってみては。