30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第58回のテーマは「ピルへのよくある誤解」です。
【今週のお悩み】お付き合いしている女性が「ピルを飲んでるんだ~」と言ってきました。ピルを飲んでいれば妊娠しないんですよね。セックスのときにコンドームを付けなくてもいいのでしょうか?(40歳男性・会社員)
日本は性教育が欧米などにくらべて遅れていることもあって、相談者さんのようにピルに対して誤解をしている人がまだまだたくさんいると感じます。
避妊やピルなどの正しい知識を持ち、誠実に行動することは相手の体を守るために、とっても重要。一番大切な"紳士のたしなみ"と言っても過言ではありません!
まず最初に言っておきたいのが「100%妊娠しない方法」なんてないということ。妊娠しない日は一日もない、つまりは"安全日"なんて存在しないんです。
それでは、避妊やピルについてのよくある誤解について解説していきます。
※ピルには低用量ピル、中容量ピル、アフターピルなどの種類がありますが、今回の記事では「低容量ピル」について解説します。
1.「ピルを飲んでいる=絶対に妊娠しない」ではない
低容量ピルは、毎日1錠できるだけ同じ時間に飲み、女性ホルモンの分泌をコントロールすることで、女性にとってさまざまなメリットが期待できるというもの。
避妊効果があることはよく知られていますが、100%絶対に妊娠しないということではありません。確かに避妊率はとても高く、正しく服用していれば約99.8%の避妊率が維持できると言われています。
でも、女性だって機械じゃないので半日~数日飲み忘れてしまうこともあります。薬剤師の私でさえ、気を付けていてもうっかり忘れてしまうことがあるくらいです。
望まない妊娠を避けるためには、女性だけがピルで避妊を支えるのではなく、男性側からも避妊をする、つまりコンドームをつけることで、より高い避妊効果が期待できます。
2.ピルを飲んでいても、性感染症予防のためにコンドームは大切!
性感染症予防の観点から言っても、ピルを飲んでいるからといってコンドームをつけなくていい理由にはなりません。
性感染症は、病原菌を含む精液や腟分泌液、血液などが、性器や口、皮膚に接触することで感染します。そのため、もちろんピルでは性感染症の予防はできません。コンドームを正しくつけて、しっかり予防しましょう!
3.ピルを飲む目的は、避妊だけではない
ピルを飲む目的はその人によってさまざまです。
重い生理痛をどうにかしたくて飲む人もいれば、ホルモンバランスの乱れによるニキビを改善したい人、つらいPMS(生理前の心や体の不調)を治したい人もいます。
避妊のためだけに飲んでいると思っている人もいますが、実はそうではないことを知っておくと、女性から「ピルを飲んでいるんだ」と言われた時の反応も変わってきそう。
くれぐれも、「あ、じゃあ中で出していいの?」なんて言わないように! そんな返しをしたら、性教育が進みつつある今の時代、ソッコーで振られてしまう可能性アリです。
むしろ、女性が避妊について詳しくなかったときにコンドームの大切さを教えられるようなオトナな男性には、ほれぼれしちゃいます。
<今週の教訓>今や「正しい避妊の知識」は紳士のたしなみ!コンドームをつけることは「あなたを大切に思っています」のメッセージです♡
福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ 新潟県出身
○慶應大学薬学部卒で現役薬剤師のタレント。都内の調剤薬局に勤務しながら、タレント活動やコラム執筆などマルチに活動している。2022年4月より文化放送『カラフルブーケ』パーソナリティーを務める。
公式Twitter【@serina_fukui】
公式TInstagram【@serina_fukui