今年で生誕55周年を迎えるラーメン二郎。そこで、『週刊プレイボーイ』では二郎系の熱狂的ファンである55人の"ジロリアン"にアンケートを実施した! さらに、そのうちの3人の著名ジロリアンによる座談会も開催! コールと呼ばれる独自の注文方法、その秘密や二郎系の魅力など、内容マシマシでお届けです!!
「二郎系ラーメン」とは?
「ラーメン二郎」とその影響を受けたラーメンのこと。極太の麺、極厚のチャーシューに加え、山盛りの野菜、とんこつに醤油で味つけしたスープといった共通の要素を持つ。食券購入後、ラーメンを提供される直前に独自のコールでトッピングを指定する注文形式も、多くの二郎系ラーメン店で採用される。
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■二郎の最も人気なコールはどれだ!?
――2月6日は二郎の日(勝手に言ってます)ということで、著名ジロリアンのお三方にお集まりいただきました! まずは自己紹介をお願いします!
SUSURU(以下、ススル) YouTubeで毎日ラーメンを食べる動画をアップし続け8年目、SUSURUと申します。もともと二郎が好きで、それが高じてラーメンYouTubeを始めました。
Yomi(以下、ヨミ) NEW POLARISというアイドルグループで活動しているYomiです。ラーメン二郎のひばりヶ丘駅前店で1年半ほどバイトをしていました!
清水祐希(以下、清水) 「二郎に行きづらい」という方々に交通費をいただいて同行するサービス「レンタル二郎食べる人」を行なっている清水です。本日はよろしくお願いします!
――二郎との出合いは?
ヨミ 二郎が好きな友達がいて「二郎来た」みたいな感じで送られてきた、店前での自撮りの中に、求人の紙が写っていて、そこに応募したのがきっかけでした。食べたことはなかったんですけど、なんか面白そうだなって。応募した後に初めて食べました(笑)。そこから、賄いで二郎にハマっていきましたね。
清水 求人きっかけで二郎にハマるってレアですね。バイトといえばですけど、実は僕も高田馬場にあるピコピコポンっていう二郎系の店で2年半ぐらい働いていました。
ススル へえー! すごいですね。清水さんが二郎と出合ったきっかけは?
清水 二郎と出合ったきっかけ......。幼少期からラーメンは食べていたんですけど、同時に普通のラーメンじゃ足りないっていう感覚もあって。それで、東京には安くて、山盛りのラーメンがあるっていうのを聞いて、18歳の上京のタイミングで満を持してっていう。
ススル 地方に二郎はあまりないけど、伝説みたいなのはとどろいてくるんですよね(笑)。やばいラーメンがあるぞって。僕も友達から教えてもらって、ラーメン二郎やばいっていうのを知ったんですよ。それで、そいつと大学進学時に一緒に上京して、初めての二郎に行った感じ。18歳からなので、かれこれ12年ぐらい。
ヨミ すごい......。
ススル いやいや、ヨミさんもこれからも食べ続けたら、あっという間に10年たちますよ。ちなみに、おふたりの二郎歴はどのぐらいなんですか?
ヨミ 私は6年目とかです。
清水 僕も6年目です。
――そんな、ジロリアンの皆さんは普段どんなコール(注文)を?
ススル どこの店に行っても基本「ニンニクアブラ」です。単純に背脂が好きなんですよね。あと、二郎にニンニクはマストっすよね。
清水 僕はどの店に行っても「ヤサイアブラ」です。
ススル え? ニンニク入れないんですか!?
清水 レンタルのご依頼が多いと一日2杯、次の日も2杯食べるとかはありえる。入れたほうがおいしいのは承知の上なんですけどね。
ニンニクを入れすぎると味が支配されてしまう気もしてます。お店ごとのデフォルトのスープの味、同じ店でも時間によって変わる味のブレ、そういった細かな違いを楽しみたいので、ニンニクは抜いています。
ススル 高度な次元の話ですね。でも、少しわかるかもです。僕はニンニクを入れますけど、混ぜて全体には広げないんですよ。店員さんがのっけた位置から動かさずに、そこから染み出てくるニンニクの風味だけを味わうみたいな。直で食べはしないですね。
ヨミ 私のコールは「ニンニクヤサイスクナメ」でニンニクは普通に入ってます。あとは、二郎って残すのがご法度みたいな雰囲気もあるので麺は半分にします(麺半分は食券購入後すぐに申告、コールのタイミングでは変更できないので要注意)。
――「ヤサイスクナメ」コールは〝野菜が減る〟という認識で合っていますか?
ヨミ そうです。
――でも「ニンニクスクナメ」は〝少なめのニンニクが追加〟されるんですよね?
ヨミ そうなんですよ。ニンニクはデフォルトでは入っていなくて、追加していくもの。野菜はある程度の量がもともと盛られていて、「スクナメ」だとそこから量を減らすって感じなんです。
清水 でも、店によって解釈が異なることもあるのでそこらへんは要確認って感じです。
ヨミ 「マシ」や「マシマシ」といったコールも、実は目分量なので、人によって違うんです。あとは、初めての人に「マシマシ」と言われても念のため少なめに盛るとかもある。店員さんをしっかり観察して、どれだけ盛る人なのかを把握することも二郎を食べる上では重要です。
――コール以外にもこだわりはあるんですか?
ススル 僕は天地返し(麺とその上に載った野菜をひっくり返し、麺が伸びないようにする技術)をしません。背脂がかかった野菜と豚を最初に食べてから麺を食べています。できるだけ麺にスープを吸わせておきたくて、デロデロになった麺が好きなんですよね。
清水 僕も天地返しはしないです。上から順に野菜、豚(チャーシュー)を食べて、豚は半分残した状態で麺を食べる。最後に豚のご褒美を取っておくイメージ。
ススル 豚で締めるのは珍しいですね(笑)。
――アンケートを見ても、豚を最後に食べる人は55人中6人なので少数派です。
ヨミ 天地返しはどうでした? 私はするんですけど。
――天地返しはする人が28人でしない人が27人なので半々でした。
ヨミ ほとんどの人がすると思ってました。私はスープを吸った野菜が好きなのでする派です。
清水 わかります。天地返しはしないですけど、たまに野菜をスープにくぐらせて、シャキシャキで食べる方法との違いを楽しんでます。
――卓に置いてある調味料を使って味変はしますか? アンケートでは味変もする人と、しない人が半々ぐらい。
ススル 入れるとしたらホワイトペッパーか、西台駅前店や神田神保町店にある輪切り唐辛子ですかね。
清水 今考えると、僕は店に置かれている調味料に触ったことなかったです。調味料入れようと思う頃には、すでに食べ終わっていますね。
――有料のトッピングはしますか? アンケートでは生卵と追加豚が人気でしたが。
ススル うずら、生卵とか、卵系はいっちゃいます。あとはかつお節。環七新新代田店とか栃木街道店にはあったと思うんだけど。入れると豚と魚介のバランスが整って、めっちゃおいしいんですよ。
ヨミ 私の働いていたひばりヶ丘駅前店は、トッピングを置かないスタイルだったので、二郎にトッピングするという発想があまりないんです。
ススル 西台駅前店とかはトッピングが多いので行ってみると面白いと思います。青ネギとショウガを入れると、まじで二郎が薬膳スープみたいになるんでオススメです。
――結局のところ、二郎の魅力ってどんなところにあるんですか?
ススル わかりやすいところでいうと、味とボリューム、値段とかですが、やっぱり「満足感」かと。食べきったっていう。食べた後に、あれだけ満たされた気持ちになる食べ物ってなかなかないですから。
ヨミ 私が思う二郎の魅力は、二郎の中でも同じ味がなくて、店主さんの生きざまがラーメン一杯に映し出されているところだと思います。
清水 あんだけ同じ名前で店をやってるのに、全部違う味ですからね。同じ店舗でも行く時々によって、味が違ってきますし、それが宝くじみたいで楽しいというか。
あと、二郎が怖いというのも聞きますけど、逆に明るい二郎はどうかっていったら、それも悲しいかなと思って。普段味わえない殺伐とした感じとか、そういう空気感も含めて、僕は好きですね。
ススル なんでごはん食べに来ただけなのにこんなピリピリしてんだっていう(笑)。おかしいですから。コールとかも意味がわかんないじゃないですか、「ニンニク入れますか?」って質問に「ヤサイニンニクアブラ」って、日本語の会話として成立していないですから。
初めての人はいろいろ戸惑うはずです。でも、それをクリアできたときの達成感とかも魅力なんじゃないかと思いますね。なので、二郎未体験の人はとりあえず一回お店に行ってみてください!
●SUSURU
1993年生まれ、青森県出身。登録者数112万人のYouTubeチャンネル『SUSURU TV.』にて自身の行なう「毎日ラーメン健康生活」の様子を2015年から2500日以上、継続して公開している
●清水祐希
1998年生まれ、愛媛県出身。早稲田大学の大学院生。交通費を負担すれば、一緒に二郎を食べてくれる「レンタル二郎食べる人」として活動している。サービス開始から300人以上に同行
●Yomi
アイドルグループ「NEW POLARIS」のメンバーとして、日本武道館を目標に活動している。過去に約1年半もの間、ラーメン二郎ひばりヶ丘駅前店で働いていた経験を持つ。筋金入りのジロリアン