30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第59回のテーマは「漢方薬って本当に効くの?」です。

【今週のお悩み】漢方薬ってドラッグストアにもたくさん置いてあるし、病院で処方されることもありますが、いまいち信用できないというか、「本当に効くの?」って思っています。「エビデンスがない」って話も聞いたりするし......実際のところどうなんですか?(42歳・会社員)

* * *薬剤師・福井セリナ薬剤師・福井セリナ

相談者さんのように、なんとなく「西洋医学の薬(西洋薬)のほうが効く!」というイメージを持っている人って、結構多いのかも。

そもそも西洋薬と漢方薬の違いって何か、知っていますか? 西洋薬は「病気の原因となるところに局所的にフルアタックしてくれるお薬」と言うとイメージしやすいかもしれません。例えば抗アレルギー薬であれば、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンという神経伝達物質にピンポイントで作用してくれます。

一方で、漢方薬は多くの天然成分を混ぜ合わせて、優しく、かつ複合的な効果を狙うお薬。そのため、いったいどの成分が効いているのか立証するのか難しく、西洋薬に比べてエビデンスがはっきりとしていないものが多いのです。

薬剤師・福井セリナが漢方薬について解説薬剤師・福井セリナが漢方薬について解説

でも、最近は医療界で漢方のエビデンスをとろうという動きが強まってきていて、実際にエビデンスが立証されているものも増えてきているんですよ! つまり、それだけ医療界でも治療効果が認められた存在だってこと。

だから、「エビデンスが弱いから」と言って漢方薬を選択肢から外すのはとっても"もったいないこと"だと私は思います。

実際に、今エビデンスが出始めている漢方薬たちも、中国から伝わり日本の漢方薬の教科書にもなっている『傷寒論(しょうかんろん)』に書かれていることを科学的に実験することで、立証されています。かれこれ1800年(!)にわたる長い歴史の中で、医術に関わってきた人々の知恵と経験が詰まっているのが漢方なんです。

では、西洋薬と漢方薬はどのように使い分けたらいいのでしょうか。

西洋薬と漢方薬の使い分け方

西洋薬は局所的に効いてくれるので、がんや感染症のように病名が確定していたり、原因がはっきりとしていたりと、"狙いが定まっているとき"に使うと良しです。

一方で漢方薬は、体質改善や、病気までいかないような「未病(みびょう)」にもってこい。例えば、更年期障害、ほてり、便秘、イライラなどなどをいいます。

漢方は生まれながらに持っている悩ましい体質や、年齢とともに出てきた悩み、病気の予防、さらには西洋薬が効かなかったときに、頼れる存在。さらに副作用が少ないのも魅力的です!

西洋薬は効き目が良い分、副作用が起こりやすい一面があります。西洋薬の副作用をおさえるために別の西洋薬を処方されることがあると思いますすが、このとき、ブランコのように症状が安定しないことがしばしばあるんです。こんなときに漢方薬で対処すると、バランスがとりやすくなることもよくあります。

薬局やドラックストアの薬剤師さんに相談してみてもいいですね♡薬局やドラックストアの薬剤師さんに相談してみてもいいですね♡

漢方薬は比較的、ゆっくりと効いていくので、しっかり使い続ければリバウンド(症状がぶりかえす)しにくいところもメリットだと思いますよ!

<今週の教訓>漢方薬を選択肢からはずすのはもったいない!未病や病気予防などに上手に活用しよう♡

薬剤師・福井セリナ薬剤師・福井セリナ

福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ 新潟県出身
○慶應大学薬学部卒で現役薬剤師のタレント。都内の調剤薬局に勤務しながら、タレント活動やコラム執筆などマルチに活動している。2022年4月より文化放送『カラフルブーケ』パーソナリティーを務める。
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