暖房は部屋を暖めるときに電力を最も消費する。30分程度の外出であれば、つけっぱなしにしておくほうがよい暖房は部屋を暖めるときに電力を最も消費する。30分程度の外出であれば、つけっぱなしにしておくほうがよい
高騰が続く電気・ガス代が家計を直撃! おまけに今年は10年に一度の寒波でクソ寒いときたッ!! そこで、節約の達人が緊急集結。次元の異なる節約テクを教えてくれたぞ! 手軽に取り入れられるものもいっぱいあるので、皆さまにおかれましては検討して終わるのではなく、ガンガン取り入れてください!

総務省が発表した昨年12月の消費者物価指数は、電気・ガス共に前年同月比でなんと2割以上の上昇! しかも電気代の値上がりが今後も続く見込みが高い。

10年に一度の最強寒波が到来する中で、なんとか出費を減らすために節約を心がけたいところ。そこで電気・ガス代の節約術をご紹介!

まずは知っておきたい基礎知識を、節約アドバイザーの和田由貴(ゆうき)氏に解説してもらった。

「冬はエアコンの使用量が大幅に増加するので、まずはここを見直すのが手っ取り早いでしょう。次いで冷蔵庫や照明器具も節約効果が大きいですね。あとはポットや炊飯器など、熱を発生させる家電の電気代が高いということも押さえればバッチリです」

まずは最も節約効果の大きいエアコンから。

「暖めすぎに注意です。室温は20℃で十分過ごしやすくなるので、これをひとつの目安にしましょう。ポイントは暖房の設定温度ではなく、室温を20℃にすること。100円ショップで温湿度計を買うのが吉です」

参考までに、外気温度6℃で暖房設定温度を21℃から20℃にした場合、年間で1650円の節約になる。設定温度を1℃下げるだけでも効果はてきめんなのだ。

「ただし、エアコンを頻繁につけたり消したりするのはやめましょう。暖房は部屋を暖めるときに最も電力を消費するからです。エアコンメーカーのダイキンの調査によると、6~18時に30分間隔で暖房をつけたり消したりすると、つけっぱなしより月3162円(kWh単価31円で試算)かかるそうです。目安としては、30分程度の外出であればつけっぱなしでもOK。部屋が暑くなったら、設定温度を下げて対処しましょう」

エアコン以外の暖房器具を使うという手もある。ポイ活芸人の井上ポイント氏はこう語る。

「エアコンは部屋全体を暖めるので、ひとりで過ごす場合は無駄が多い。なので部屋にいるのが自分だけなら、私はエアコンをつけずに電気ヒーターだけで過ごしています」

このほか、電気毛布や電気カーペットも有効だ。エアコンに比べれば消費電力は格段に少ない。

電化製品の年間電力消費量から構成比を算出。網かけ部分の加熱・冷却機器類だけで全体の3分の1以上を占め、照明やテレビを合わせるとおよそ3分の2に及ぶ。「その他」には加湿器や洗濯機、空気清浄機などが含まれる。※「令和3年度家庭部門のCO2排出実態統計調査事業委託業務(令和3年度調査分の実施等)報告書」を基に編集部作成。数値は四捨五入しているため、足すと100%を超えています電化製品の年間電力消費量から構成比を算出。網かけ部分の加熱・冷却機器類だけで全体の3分の1以上を占め、照明やテレビを合わせるとおよそ3分の2に及ぶ。「その他」には加湿器や洗濯機、空気清浄機などが含まれる。※「令和3年度家庭部門のCO2排出実態統計調査事業委託業務(令和3年度調査分の実施等)報告書」を基に編集部作成。数値は四捨五入しているため、足すと100%を超えています
また、加湿も部屋を暖めるカギになる。

「湿度が低いと暖かさを感じづらいので、温度だけではなく湿度にも気をつけましょう。理想の湿度は40~60%。加湿器を使わずとも、洗濯物を室内で干して湿度を上げるだけでも節約になります」(和田氏)

そもそも部屋を暖かく保つための工夫も節約につながる。部屋の断熱性が低いと、いくら暖房器具で暖めても熱が逃げていくからだ。

「外気は窓から部屋に入ってくるので、冬はカーテンを厚手にしたり、二重三重にしたりするだけでも室温が保ちやすくなります。100円ショップで売っているようなシャワーカーテンを重ねるだけでも効果は十分です。

また、カーテンの丈が短くて床と隙間があるなら、ミニカーテンを裾に張りつけて外気を遮りましょう。窓に貼るような市販の断熱シートやパネルも効果的です」(和田氏)

■コンセントを抜いても効果は薄い

続いて、照明器具の節約術を聞いてみよう。

「すべてLEDにしましょう。照明器具の節電で最も効果的なのはこれで、白熱電球からLEDに変えるだけでも、電気代はおおよそ6分の1になります」(和田氏)

購入費用は白熱電球よりLEDのほうがかなり高いが、年間の電気代は約2790円の節約になる。白熱電球の使用時間を毎日1時間短縮しても610円の節約にしかならないので、買い替えるほうがはるかに効率的だ。

「暖房と違って、照明は使わないときに切ればそのまま節約につながります。どうしても切り忘れるなら、センサー付きのものに替えてもよいでしょう」(和田氏)

冷蔵庫も大きく節約できる家電のひとつだ。

「冷蔵庫は詰め込みすぎず、逆に冷凍庫は物を詰め込んだほうが節電になります。また、冷蔵庫は上部や側面に放熱板がついているので、上に物を置いたり側面に大きなシールなどを貼ったりしないようにしましょう。ご家庭の冷蔵庫のどこに放熱板がついているのかは、型番でネット検索すれば確認できます」(和田氏)

冷蔵庫に物を詰め込んだ場合と比べ、密度を半分にした場合では年間1360円の節約に、また設定温度を「強」から「中」にするだけで年間1910円の節約になる。

そのほかにすぐ始められそうな小技は?

「私はテレビの明るさ設定を暗めにしています。例えばテレビ(32V型)の画面の輝度を『最大』から『中間』にした場合、年間節約額は840円となるようです」(井上氏)

ちなみに、使っていない家電はこまめにプラグを抜いたほうがいい?

「最近の家電は待機電力をほぼ消費しないようになっているので、プラグをこまめに抜いても年間で数十円程度の節約にしかなりません。手間がかかる割に効果はあまりないので、気にしすぎなくてOKです」(和田氏)

続いては、ガス代の節約術だ。

「お風呂やシャワー、洗い物のときなどに使うお湯の量を減らす必要があります。実は家庭で使用するお水とお湯の価格を比較すると、お湯のほうが約3倍も高いんですよ」(和田氏)

お湯はお水よりもはるかに高価な贅沢(ぜいたく)品なのだ。

「シャワーの時間を1分間短くするだけで年間約3000円の節約になりますから、お湯の使用は計画的に。参考までに、200Lの浴槽にお湯をためると1回当たり約100円かかります」(和田氏)

《「電気・ガス代」節約術 初級編》

1.炊飯器や電気ポットは保温機能を使うのを控える 
2.エアコンの設定温度は高くしすぎない。 
3.温度計を使って室温を20℃にキープ 
4.エアコンを頻繁につけたり消したりしない 
5.カーテン丈を工夫して保温性能を高める 
6.市販の断熱シートやパネルを利用する 
7.電気毛布や電気膝かけを使う 
8.部屋で洗濯物を干して加湿する 
9.極端に寒い日以外、エアコンは使わずミニヒーターで暖をとる 
10.照明器具はLEDに 
11.照明はつけっぱなしにしない。消し忘れるならセンサー付きLEDを導入 
12.冷蔵庫の上にモノを載せたり、側面にシールを貼ったりしない 
13.プラグをこまめに抜くのはあまり役立たない 
14.冷蔵庫はスカスカに、冷凍庫はギチギチに 
15.冷蔵庫の設定温度は高めに 
16.テレビの明るさ設定は暗めに 
17.シャワーは出しっぱなしにしない 
18.食器はため洗いに 
19.風呂のお湯を入れたらすぐ入る

※和田氏、井上氏、自称"日本一のドケチ芸人"シューマッハの中村竜太郎氏の取材を基に作成

●井上ポイント(Point INOUE) 
ポイ活情報に詳しいピン芸人。YouTube『いの得ちゃんねる』やブログ『いの得ブログ』でおトク情報を日々発信する。2児の父

●和田由貴(Yuki WADA) 
節約アドバイザー。専門分野は食費・光熱費・交通費・レジャー費など生活全般の節約。テレビ番組のコメンテーターも数多く務める