『ペヤング』はカップ焼きそばの中でも、さまざまなアレンジに合う 『ペヤング』はカップ焼きそばの中でも、さまざまなアレンジに合う
1975年に発売を開始し、今なお多くの人々に愛される「ペヤングソースやきそば」(まるか食品)。実はその発売日である3月13日は「ペヤングソースやきそばの日」に制定されている。

45年以上の歴史の中で数々のフレーバーが販売され、ユーザーも多くのアレンジレシピを誕生させてきたが、今回はプロによるアレンジを紹介! これぞペヤングアレンジの逸品!というレシピを、年間1000食以上カップ麺を食べているカップ麺評論家・taka :a(大石敬之)さんに教えてもらった。

「カップ焼きそばの中でも、『ペヤング』は非常にアレンジ向きなんです。まずソースが比較的うす味であること。そこを付属のふりかけとスパイスで補っているんです。そして麺の食感も割と弱め。そうした理由で、他の食材や味と合わせたときに馴染みやすいんです」

確かに独特のクセのある他社のカップ焼きそばに比べて、「ペヤング」はあっさりしていてガッツリ食べたいときというより、小腹が空いたときに食べたくなる。それがアレンジしやすい理由にもなっているのだ。

ポテトサラダとベーコンを『ペヤング』に載せたらあとは混ぜるだけ! ポテトサラダとベーコンを『ペヤング』に載せたらあとは混ぜるだけ!
そう話すtaka :aさんが「万人にオススメしたい逸品」と太鼓判を押すアレンジレシピが、「ポテトサラダ」と「ベーコン」。

「これは絶対しっかり混ぜ合わせてください。ウスターソースのシャープな部分とポテトサラダに入ったマヨネーズのまろやかな味がぴったり!

ポテトサラダを混ぜることで、もさもさした食感になるうえ、麺が冷えるのでコシも強くなります。そのためて食べ応えも抜群。めちゃめちゃ中毒性のある一皿です」

ポテトサラダの色が変わるまでしっかり混ぜるのがポイント ポテトサラダの色が変わるまでしっかり混ぜるのがポイント
実際に食べてみると、ソースの甘みに焼いたベーコンの脂も足されて、うま味もアップしている。噛み応えがあって満足感も十分。さらに黒コショウを加えてみると、パンチのある味も楽しめた。

「ウスターソースとマヨネーズの組み合わせは鉄板。なので、マカロニサラダなどでも試してみたんです。ですが、味も食感もポテトサラダとの相性が一番でした。ただ入れて混ぜるたけで簡単ですし、市販品の中にはベーコン入りのポテトサラダもあるのでぜひ試してください」

『ペヤング』にバター・塩辛・クリームチーズ・アボカドを載せたお酒に合うレシピ 『ペヤング』にバター・塩辛・クリームチーズ・アボカドを載せたお酒に合うレシピ
そして、お次は「バター」、「塩辛」、「クリームチーズ」、「アボカド」の組み合わせ。バターとクリームチーズ、アボカドは角切りにして20g。塩辛は大さじ2杯分だ。

「これはお酒に合うアレンジメニューです。主食として食べるというより、ちびちびとお酒のあてとして食べるのがベスト。加える食材は脂が多いんですが、そこを塩辛がきゅっと締めてくれます。他社のカップ焼きそばだと麺の主張が強いので合わないんですが、ペヤングの麺だと相性がいいんです」

バターや塩辛など加える食材によって味は濃くなる。しかし、そこを麺が土台となり支えるだけでなく、ソースの風味も加わって和らげてくれる。一気に食べるには油がキツイかもしれないが、それをお酒で流し込むのは快感だ。まさにツマミとして最適な味わいだった。

最後にtaka :aさんが推すのは「湯切りなし」だ。麺をふやかすためのお湯を捨てずに使うという。それはもはやただのミスなのでは?

規定量よりもお湯をだいぶ少なめに入れる「湯切りなしペヤング」 規定量よりもお湯をだいぶ少なめに入れる「湯切りなしペヤング」
「たぶん誰もが最初は不安だと思うんです。でも『ソースラーメン』って知っていますか? 千葉県船橋市のご当地ラーメンなんですが、それをペヤングで再現できるんですよ!」

......そうは言われてもただの薄く味気ない麺料理になるようにしか思えない。

「そこでポイントなのがお湯の量! これは麺が浸るギリギリまで少なくしてください。通常の量を入れてしまうと塩分濃度が足りず、おいしくなりません。ギリギリまで減らすことで、違和感のないソースラーメンが出来上がります」

半信半疑ながら食べてみると......あれ? 意外といける? 麺の香ばしさが立っていて、スープは不思議な感覚だがフルーティーな甘さがウマい! 麺とスープがほとんど絡まないが、スープを口にした直後に麺をすすると、香ばしさと甘さが相まって、悔しいが箸が進む......。

「そうなんです! これはペヤングのそれぞれの素材のいいところを存分に味わえる裏メニューなんです。麺やソースだけでなく、ふりかけの紅しょうが、のりも引き立つんですよ!」

実はまるか食品では2019年に『ペヤング ソースラーメン』を販売していた。しかし、それを上回っているという。

「あれはあれでおいしかったんですが、一番の違いは麺です。通常の『ペヤング』では油揚げ麺を使用しています。しかし、『ペヤング ソースラーメン』はノンフライ麺。ラードの香ばしさがなく、『ペヤング』のイメージにはいまひとつ欠けた印象だったんですよ」

『ペヤング』は誕生以来、味を変えていないそう。それだけあの味がユーザーの舌にしっかり記憶されている分、『ペヤング』の名を冠したからには"ペヤングらしさ"があったほうがよかったのだとか。その点、この「湯切りなし」アレンジでは"ペヤングらしさ"はそのまま。「『ペヤングなのに違う!』という衝撃」が楽しめるのだ。

「他にも納豆をそのまま混ぜるなど、さまざまなアレンジを受け入れてくれる」(taka :a)など、『ペヤング』は万能のカップ焼きそば。今回紹介したレシピを試したら、他のアレンジにも挑戦してみよう。

●taka :a(大石敬之)
カップ麺評論家。月間100万PVを誇るカップ麺ブログ「本日の一杯」を2014年から開始。年間1000食以上のカップ麺を食べてレビュー紹介するだけでなく、さまざまなアレンジや商品開発にも協力する
公式サイト「本日の一杯」【https://cupmen-review.com/】 
公式Twitter【@honjitsunoippai