卵価格の値上げの影響を受けて、カップ麺トッピングの雄「味玉」も品薄となっている 卵価格の値上げの影響を受けて、カップ麺トッピングの雄「味玉」も品薄となっている

■味玉がなければ何で補う?

おうちラーメンのトッピングの雄"コンビニ味玉"が卵価格高騰のアオリを受け、セブン-イレブンでは一時販売中止、その他のコンビニでも品薄状態が続いている。

これは非常に困る......。けど前向きに考えれば、これを機に、味玉に代わるちょい足しの品を発見できれば、新たな扉が開かれるかも!? 自分で味玉を作るのはちょっと面倒くさいし、ただのゆで卵を入れるのでは味が単調。

なので、醤油味のカップ麺に合って、なおかつ、コンビニやスーパーで簡単に手に入る食材で"味玉の代わり"となるものを探ってみた!

品薄状態が続く味玉 品薄状態が続く味玉

■食感での代用品は?

まずは、味玉の食感面での代役から。

考えてくれたのは、本誌連載『バカレシピ研究所』でおなじみ、B級フード研究家の野島慎一郎氏。

はんぺんを味玉の白身に見立て、めんつゆ原液に漬け込んだものをのせましょう。30分程度で味はつきますが、2時間漬ければ十分です」

はんぺん。めんつゆに漬け込んだものを使うとよし はんぺん。めんつゆに漬け込んだものを使うとよし

続いて、40年以上にわたりインスタント麺生活を続ける、インスタント麺研究家の大山即席斎氏も考案してくれた。

ちくわを使用しますが、ひと手間加えます。使うのは、納豆"金のつぶたまご醤油たれ"。①ご飯に納豆の"たまご醤油たれ"のみを染み込ませる。②そのご飯をちくわの穴にしっかりと詰め込む。これで、ちくわが白身、ご飯が黄身の代わりになって食感はまるで味玉。"たまご醤油たれ"がかかっているので卵っぽさもしっかり感じられます。

ちくわ。納豆「金のつぶたまご醤油たれ」を使おう ちくわ。納豆「金のつぶたまご醤油たれ」を使おう

ほかに、オススメなのがさといも。ねっとりした食感が半熟の黄身を彷彿とさせてくれますよ」

さといも。ねっとり食感が卵の黄身を彷彿とさせる さといも。ねっとり食感が卵の黄身を彷彿とさせる

B級グルメライターの中川哲司氏もコンビニ惣菜からオススメの代用品を伝授してくれた。

玉こんにゃくは食感がプリプリで味つけもしっかりした醤油味なので、見事に味玉の代役を務めてくれます。冷凍のアボカドもねっとり食感かつ栄養も満点なので、オススメです」

玉こんにゃく。プリプリとした食感で食べ応えもよし 玉こんにゃく。プリプリとした食感で食べ応えもよし

アボカド。しっとりとした食感で栄養分も補える アボカド。しっとりとした食感で栄養分も補える

前出の野島氏がさらに続ける。

「球状のモッツァレラやカマンベールなどのチーズボールもいいでしょう。卵の風味は出ないですが、まろやかになります。醤油味もいいですが、味噌味や豚骨味のカップ麺に入れると、なおよし。見た目が卵っぽいのもポイントが高いです」

チーズボール。見た目が卵っぽいのがポイント高し チーズボール。見た目が卵っぽいのがポイント高し

さらにダメ押しを決めてくれたのは、飲食店の新商品開発などにも携わる、飲食トレンドリサーチャーの山口えりこ氏。

マカロニサラダ、特にセブン-イレブンの"ベーコンペッパーマカロニサラダ"がオススメ。マカロニのプニプニ食感が味玉の白身を感じさせてくれる一品。ベーコンが盛りっと入り、ブラックペッパーもしっかりきいていてラーメンによく合う点がイチ押しポイントです」

マカロニサラダ。マカロニのプニプニ感が白身と似ている マカロニサラダ。マカロニのプニプニ感が白身と似ている

■卵料理を使ってアレンジ

続いては、卵そのものを使った一品で代用を考えてみよう。

茶わん蒸しを入れると味玉級の満足感が得られます。茶わん蒸しの繊細なダシの味を損なわないように、カップ麺のタレを少なめに入れて、スープを薄味に仕上げることがポイントです」(中川氏)

茶わん蒸し。優しいダシの味と卵の風味がいいあんばい 茶わん蒸し。優しいダシの味と卵の風味がいいあんばい

山口氏が続ける。

「潰したゆで卵をマヨネーズであえたシンプル仕立てのたまごサラダもオススメ。カップ麺1個に対して、パック3分の1程度が適量です。マヨネーズの油分とまろやかさが周囲のスープと混じり合い"優しい味玉感"を楽しめます。

たまごサラダ。卵の風味そしてマヨネーズがラーメンに合う たまごサラダ。卵の風味そしてマヨネーズがラーメンに合う

ボリュームを求めたいなら、ポーク玉子おにぎり。まず、おにぎりを半分くらい食べ進める。このとき、卵は食べず、ポークとのり、ご飯のみ食べます。卵が大きいので、べろんと垂れてきたあたりで、カップ麺にイン。ご飯と卵とご飯についているマヨネーズの相性がよし! スープを吸ったご飯が底にたまり、シメの雑炊としても楽しめます。

ポーク玉子おにぎり。半分ほど食べたところでカップ麺に入れよう ポーク玉子おにぎり。半分ほど食べたところでカップ麺に入れよう

変化球としては、ふりかけの"のりたま"。多めに振りかけましょう。スープに溶かすというよりは麺に直接振りかけるイメージで。

ひと口目はのりの風味が口の中を支配しますが、食べ進めていくと、ふりかけの卵がスープの水分を吸って、麺によく絡んできます。口の中でもぐもぐしながら目を閉じると、味玉の面影がうっすら感じられるような気がします(笑)」

のりたま。多めに振りかけること。卵の風味も出てくる のりたま。多めに振りかけること。卵の風味も出てくる

■甘いものでも代用できる

卵スイーツでも代役を務めることができるようだ。野島氏が語る。

プリン、それもプッチンプリンがいいです。カラメルソースを除いて投入しましょう。プリンは卵ベースで作られているのでそれっぽい雰囲気が出ます。かつて、テレビ番組でAIがラーメン×プリンを最高の食べ合わせとはじき出したというのを見ました。味覚のバランスが抜群のようです」

プリン。卵の風味と甘みをプラス。意外と相性よし プリン。卵の風味と甘みをプラス。意外と相性よし

大山氏も続ける。

「プリンに先ほども使った、納豆の"たまご醤油たれ"をかけてかき混ぜ、カップ麺に入れて"とき卵風"に仕立てる。これが意外と美味なんです」

山口氏のオススメはこちら。

「カスタードクリームが中に入った洋菓子、セブン-イレブンの"ふわころ"。クリーム部分でなく、ふわふわ生地を麺と一緒に食するのがポイント。卵の優しい甘さが口の中で麺と絡み合い、醤油味のスープが"優しくふわふわな雲のような味玉"を作り出してくれます」

ふわころ(カスタード菓子)。生地の部分を溶かして卵の風味を感じよう ふわころ(カスタード菓子)。生地の部分を溶かして卵の風味を感じよう

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以上ですべてが出そろったわけだが、一応"選手権"なので、1位を本誌担当編集が独断と偏見で発表!

「優勝は............プリン! 少しずつスープに溶けていく感じが味玉の黄身を彷彿とさせますし、卵の甘みもプラスされ、意外性も面白い。そして、何より味玉をのせることによって増幅されてきたワクワク感を満たしてくれます。ゲテモノだと思わず、卵不足の今こそ勇気を持って試してほしいです」

さあ。皆さんも新たな扉を開いてみよう!