最近流行りの対話型AI「ChatGPT」。文章での検索や会話形式で質問に答えてくれることで評判ですが、果たして"世界一周をするバックパッカータイプの旅"についてどんな答えが返ってくるのでしょうか。
今回は私の経験した旅話とともに、ChatGPT先生と旅トークしてみたいと思います。それではレツゴ!
――世界一周一人旅ってどうやるの?
まずはシンプルに聞いてみると
「楽しい冒険と素晴らしい経験を提供する可能性がありますが、準備が必要です」
と、なんて無難な前置き(笑)。 準備手順はというと......、
(※以下、ChatGPT先生の回答は全て要約となります)
「1.目的地を選ぶ、2.ビザの取得、3.予算の設定、4.旅程の作成、5.必要なものを準備する、6.安全を確保する、7.旅を楽しむ」
うーん、確かにおっしゃるとおり。
「ビザの取得」は、バックパッカーなら調べるのは当たり前ですが、普段ツアーなどで旅行をしている場合はその習慣がないかもしれません。ビザがなく入国できなかった......なんてことは避けたいので、旅の準備としては重要項目です。
といっても日本のパスポートは世界最強。ビザ免除で入国できる国やその場でビザを発行してくれる国も多いですけどね!
まぁ加えて言うと、ビザは長期滞在やちょっと珍しい国へ旅する時、また世界情勢で条件が変わることもあるので、最新情報は要確認です! ちなみに私が旅した当時は、インドやロシアなどは事前にビザ取得が必要でした。
ところで先生、入国条件ならもうひとつ大事なことがありませんか? そう「予防接種」です。世界一周なら、狂犬病や黄熱病などの予防接種が必要な国もありますよね。
例えば、私がジャマイカに行ったときは入国時にランダムチェックがあり、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められました。
ちなみに予防接種は日本で打つより、タイで打つと安いですよ!
さて、私が南米を一周した時はブラジルがスタートでした(2014年)。どこの国へ行こうが旅の基本的な進め方は同じで、まずは空港から市内へ行き、宿泊先にバックパックを下ろすところから始まります。
当時はガイドブックと事前に調べた情報でなんとか宿までたどり着きましたが、ChatGPT先生に尋ねてみましょう。
――リオデジャネイロで一番安いホステルを教えて!
「一般的に安価なホステルの例は、市内中心部から徒歩圏内のブックスホステルが、ドミトリータイプ、無料Wi-Fi、朝食付きで一晩15ドル程度。中心部から離れた地区には10~12ドル程度からあります」
――行き方は?
「タクシー、シャトルバス、バス+徒歩」
節約をしている旅人なら、やっぱりバスかな~。そんな気持ちを読むかのように、
「夜間の移動には十分な注意を払ってください」
とお気遣いの言葉、オブリガーダ(ポルトガル語でありがとう)!
ちなみにもし空港に夜着いてしまったら、私なら移動を諦め、空港泊をして朝のバスで市内へ向かうでしょう。空港は治安が一番マシなので。空港泊は背中がバキバキになりますが、旅人ならきっと、やればできる! そこで一応、聞いてみよう。
――空港泊についてどう思う?
「総じて、空港泊は予算や時間に余裕がない場合や、特定の事情がある場合を除き、あまりおすすめできない方法だと思います」
ですよね~。良い子の皆さんは、夜間でなく日中に到着するようにしましょう!
ブラジルの次に行った国、アルゼンチンのブエノスアイレスではいきなりの洗礼。しっかり「ケチャップ強盗」に遭いました。旅行者のカバンや服をケチャップのようなもので汚し、それを拭いたり助けるフリをして物品を盗むという手口です。
――ブエノスアイレスで強盗にあって財布を盗まれた。どうすればいい?
「1.健康状態を見て怪我をしていないか確認。2.警察に通報し盗難を報告する。3.銀行やクレジットカード会社に連絡する。4.現地の日本大使館に連絡する。5.保険会社に連絡する。6.次の盗難を防ぐための対策を取る」
先生、なかなかの読みです。私が強盗に遭った時は怪我はなかったものの、恐怖と不安の興奮状態で眠れず一週間は顔面蒼白。外出もろくにできず健康と精神状態はボロボロでした。体を一番に心配してくれるなんて、まるでお母さんみたいじゃないか。
ただし警察に通報しても英語が通じないので、こんな状況下でまずはスペイン語の勉強が必要だったことまでは、先生も気が付かなかったようですね。
それから、現地の警察は強盗犯とタッグを組んでいることもあり、正直あまりアテになりません。なんなら私が路上の警官に駆け寄り「助けて!」と言った時には「グッドラック!」と返されたくらいですから。
――アルゼンチンの警察は信用できる?
「一般的に、アルゼンチンの警察は信頼できるとは言い難く、汚職や不正行為など信頼性に疑問が持たれている場合があります。
また、治安上の問題に対しても、警察の対応が不十分であり、旅行者が被害に遭った場合には、警察に助けを求めることができるかどうかについて、不安を感じる場合があります」
ちーん。やっぱり自分の身は自分で守るしかないね。
私は旅で何度も強盗やスリに遭遇しましたが、その経験から学んだのはクレジットカードの番号を暗記すること。盗まれた直後にカードを止めてしまうと必要な支払いができなくなるので、まずは暗記しているカード番号で航空券購入などを済ませてから、カードを止めるのがベターです。
とまぁこんな感じでChatGPT先生との楽しい南米トークができ、私も旅を懐かしく思い出しました。
今回は先生の賢さと気遣いに感心しつつ、無難な回答にちょっと物足りなさも感じたり。聞き手のワードセンスによって回答が左右されるのはもちろんですが、もし、
「日本人のバックパッカーが南米で旅するなら、日本人宿に行ってシェア飯してみたら?」
なんて言われたらキュンキュンしちゃうんだけどな......(笑)
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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