漫画原作のドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)がさまざまな波紋を呼んでいる。普段あまり聞けない、みんなのセックスご無沙汰事情について赤裸々な声を聞いてみた!
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■セックスレスに関して本音を聞いてみた
セックスレスをテーマにしたドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)が話題だ。特に女性の視聴者が多いようだが、われわれ男性もみんなの性事情は気になるところ。
というわけで、20代から50代の既婚男性800人と2年以上交際が続いている未婚男性100人にアンケートを実施。パートナーとのセックス頻度や相手と「したい」理由、「したくない」理由などセックスレスにまつわる質問をぶつけてみた。
まず初めにセックスレスの定義から。日本性科学会は「病気など特別な事情がないのに、1ヵ月以上性交渉がないカップル」と定めている。
これに当てはめると、20代夫婦でもおよそ4割がセックスレスということが判明。そして、年齢を重ねるごとにその割合はどんどん増えていく。この結果を解説してくれたのは、男女問題や恋愛について詳しい日本合コン協会会長の田中絵音氏。
「20代は性的に元気なはずですが、今はほかにも楽しい娯楽がいくらでもある。スマホで寝転びながらセクシー動画などが見られる時代。性に対して頑張らなくてもインスタント的に手に入ってしまうのが一因でしょう」
田中氏が続ける。
「3年で愛が情に変わるとよくいうが、そのとおりの結果だと思います。カップルだと2年以上交際していても半数以上が2週間以内にセックスをしている。夫婦のレスの大きな要因は『いつでもできる』という安心感。絶対的な信頼関係がよくないほうに働いているのかもしれません」
確かに、40代になると年単位でしていない人が半数以上。50代になると半数以上が5年以上していないという結果に。ただ、一方で50代でも2割程度は1ヵ月以内に妻とセックスしていることも判明。この格差について田中氏が分析してくれた。
「まず、年単位でしていない人は、結婚生活の中でふたりの時間(記念日のお祝いなど)をつくり、奥さんを女性として扱うシーンがどれだけあったかを振り返ってみましょう。
女性は家事や育児など生活の中で旦那さんに幻滅したり、協力的でないと思うと、弱いところを見せたくないと思うようになってくるもの。セックスはある意味女性として弱い部分を見せる行為なので、そうなってしまうとセックスにつながりません。
一方、50代でも〝現役〟の男性は、女性に対する扱いに慣れているのでしょう。50代は合コン市場を見てもわかるが、バブル期を謳歌(おうか)してきた世代。女性に対する意欲が旺盛です。
奥さんにも節目でちゃんとサプライズなどをしたり、愛情表現をしてきたのでは。照れくさいような行動も、女性としてはやはりうれしいものです」
■したいけどいまさらできない
続いて、1ヵ月以上していない男性に妻としたいかという質問に対しては、7割以上が「したいと思う」「したいと思うことがある」と回答。にもかかわらず、できない理由のTOP3は「時間やタイミングが合わない」「拒否される」「どう切り出していいのかわからない」と並んだ。田中氏が解説してくれた。
「男性が、時間やタイミングが合わないから『仕方ない』と勝手に納得して放置しても、愛情表現がないと女性はイライラしてきます。繰り返しになりますが、意識してふたりの時間を持つようにするべき。『仕方ない』という怠慢が後々〝妻の不機嫌〟として自分に返ってくると思ったほうがいいでしょう」
「拒否される」について語ってくれたのは、元セクシー女優で現在は文筆家として活躍する戸田真琴氏。
「女性がセックスを拒否する理由は感情的なものだけではなく、生理のタイミングや生活面での多忙さなど、男女で異なる〝相手が受け入れ難いタイミング〟があることを理解すると、拒否された抵抗感が和らぐかもしれません。
セックスは時間、体力、精神力などを一度に使う共同作業でもあるので、とにかく〝どちらかが無理をしていない〟ことが大切。普段からお互いが今の気分や状態を共有し合えるのがベストです」
「切り出し方がわからない」については田中氏が解説。
「一番は、外に奥さんを連れ出すこと。ちょっといいイタリアンやフレンチなどオシャレをして行くような店に誘って『私たちはやっぱりカップルなんだ』という認識を持たせるべきです。
あと、力業ですが、ビーチがある暖かい南国に行くのも手。自然に露出度の高い服を着ることになるし、女性は毛の処理とかいろいろ気にするので自然にセックスに持っていけるのではないでしょうか。
そのほか、寝室を別にするのもいいでしょう。『しよう』と思ったらどちらかの部屋に来るということでタイミングが明確にわかるので、レス解消にオススメです」
一方、したくない理由のTOP3は「妻で勃起しない」「妻を家族だと思っている」「面倒くさい」と並んだ。特に悩ましい妻で勃(た)たないED問題に関しては、下の専門医の解説をぜひ読んでもらいたい。
最後に田中氏が締めくくってくれた。
「一度砂漠状態になるとそこにまた草木を生やすのは難しいもの。奥さんに対しての愛情を思うだけでなく、口に出して伝えたり、行動することが大事です。恥ずかしいかもしれませんが、『家庭がうまくいくと人生もより良くなる』と自分を奮い立たせて、ぜひ実行してみてください」
■妻とセックスしたくない理由第1位は「勃起しないから」。"妻ED"とその治療法とは!?
応えてくれたのは、プライベートケアクリニック東京 東京院 小堀善友院長。
小堀 妻EDの相談として一番多いのは、子づくりができないという悩み。マスターベーションでは射精できるが、それはリラックスした状態であり、副交感神経が働くから。
奥さんを相手にし、かつ子づくりなどを頑張らなきゃいけないと思うと緊張してしまう。すると、「頑張る」という気持ちが先行して交感神経が刺激されてしまい、緊張で勃たなくなる。
ほかには、「正直飽きてしまった」という人も多い。若い世代の妻EDはだいたいこの2パターンです。
――どのように治療されるのでしょう?
小堀 会話や顔を合わせる時間の減少など、コミュニケーション不足がセックスレスを招いている場合もあるのでふたりで話し合いをするのが第一ですが、子供が欲しいなどの場合はED治療薬に頼るのも手です。糖尿病など基礎疾患が原因のEDだと難しいですが、それ以外の場合はほとんど薬で治ります。
メディアで「ED薬で心臓がバクバクした」「勃ちっぱなしになる」など言われていますが、それは都市伝説。実は、ED治療薬は心筋梗塞のリスクが下がる、男性更年期障害に効果がある、自信がついて精神的に前向きになれるなどのメリットがあります。
そもそも、前立腺肥大症で用いられる薬はED治療薬と同じだったりもします。"EDの薬"と身構えすぎると、そのせいで体調が悪くなってしまうこともあるので、安全だというのをもっと周知していく必要があると考えています。
実際、イギリスなどいくつかの国では処方箋なしで薬局で購入できる。それだけ安全な薬なのです。
――価格はいくらくらいなのでしょう?
小堀 今日本では、バイアグラ、レビトラ、シアリスの3種類のED治療薬とそれらのジェネリック医薬品が出ています。当院では、バイアグラのジェネリックで1錠900円程度。シアリスのジェネリックでも1400円ほど。基本的に1000円前後で購入できると考えてもらえたら。
シアリスはバイアグラに比べて長く効くタイプで、食事の影響を受けにくいです。長く効くとはいっても、もちろん勃ちっぱなしになるわけではないので、安心してください。
――ほか、EDに効くものってあるのでしょうか?
小堀 運動不足や肥満はEDの原因として大きく働いてしまいます。運動は勃起不全や不妊に良い方向に働くので、どんどんしたほうがいいでしょう。