グラタンとドーナツとコロッケをたらふく食べるために、暗闇トランポリン頑張りますグラタンとドーナツとコロッケをたらふく食べるために、暗闇トランポリン頑張ります
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は市川紗椰が試した「変わり種エクササイズ」について語る。

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昔から、工夫しないと運動が続かないタイプです。パーソナルトレーニングも宅トレ動画も飽き、最近は変わり種エクササイズを試しています。エクササイズにエンタメ性をプラスすることで、自分をだましながら運動しています。

きっかけは「東京フレンドパークみたいなジムがあったら行きたいよね」と仲間内でくだらない会話をしたこと。程なくしてアメリカに帰国したら、NYでそれに近いものを発見しました。

数字が光る壁や、光を足で追う床といった小さなフレンドパークがひとりひとりに与えられ、音楽に合わせてローテーションする仕組み。45分のHIIT(高強度インターバルトレーニング)で、頭も使うからかあっという間でした。「1000kcal燃やしたよ!」と言われましたが、その信憑(しんぴょう)性は疑っています。

変わり種エクササイズの都NYでのお気に入りは、塩水の温水プールの中でエアロバイクをこぐ、アクアスタジオ。水の抵抗はもちろん、塩と水圧でむくみが取れます。浅めのプールにバイクがずらりと沈めてあるというキテレツな空間ですが、日本にも欲しいです。プールにボードを浮かべてやるヨガも楽しかったです。

ほかにも愛犬を背中に乗せてバランス感覚を鍛えるドッグヨガや、手に持ったビールがこぼれないように姿勢を意識しながら行なうビールヨガ、剣で殺陣×エアロビをやる中世フィットネス(レベルアップはウエイト付きの鎧(よろい))など、試したいかどうか微妙なジムが無数にあります。

日本で試したのは、バンジーエクササイズ。ハーネスを着用し、天井からぶら下がるバネにつられます。筋トレの効果と、重力から解放されて飛べる爽快感の両方が楽しめましたが、ハーネスはマタガイタイ。

続いては、暗闇エクササイズ。数年前からメディアで取り上げられていますが、最初に話題になったのは、音楽が爆音で流れる暗い部屋でエアロバイクをひたすらこぐ暗闇サイクリング。全国的に人気と知りながらも、クラブみたいな空間+激しく自転車をこぐなんて、陰キャって言葉が存在する前から陰キャな私にはハードルが高すぎる。暗闇キックボクシングも、真っ暗な部屋で殴る・蹴るなんて、暗闇を通り越し、もはや暗黒エクササイズ。

そしてたどり着いたのは暗闇トランポリン! 自転車やキックボクシングよりポップというか、ザ・運動って感じじゃないため挑戦してみました。スタジオにはひとり用のトランポリンが20個ほど。先生の所にはDJブースみたいなセットがあり、爆音の90年代ヒッツとともに、真っ暗な空間にライブハウスみたいな照明の演出と先生のMCでスタート。

リズムに乗せて動きのポイントや気合いの言葉を投げかけてくれていたのでしょうが、先生のMCの内容より、マーク・パンサーの歌? ラップ?もこんな感じだったよね、とか、この照明って昔のポケモンの映画を思い出すな、とか関係ないところに思考がフラフラ。

めちゃくちゃいい有酸素運動でしたが、5分に一度、「電気を消した部屋で、爆音ジャミロクワイを聴きながらぴょんぴょん跳ねている自分」を客観的に意識してしまいました。挑戦は続きます!

●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。自宅の庭に巨大トランポリンがあったのと、大学の体育科目のおかげで、気づいたらトランポリン歴は約29年。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!