専用機を導入、コーヒーマシンを利用、電子レンジでチン。お店で自分で作るフローズンドリンクが話題! 専用機を導入、コーヒーマシンを利用、電子レンジでチン。お店で自分で作るフローズンドリンクが話題!

コンビニのフローズンドリンクは、劇的な進化を遂げていた。お客さんが店内で、最後のひと手間をかけることで、おいしさと楽しさをアップさせたのだ!そして、専門家によるランキングも紹介する。

■熱中症対策にもなるコンビニの夏の顔に!

梅雨入りし、蒸し暑い日が続いている。すると何か冷たいものが欲しくなる。ということで、今、コンビニのフローズンドリンクが注目されている。

フードジャーナリストのはんつ遠藤氏が語る。

「これまでもローソンやファミリーマートは、フローズンドリンクに力を入れていたのですが、セブン-イレブンが今年3月に『お店で作るスムージー』を全国展開すると発表したことで、一気にブームになりました」

コンビニジャーナリストの吉岡秀子氏も同意見だ。

「暑い日が続くと、熱中症対策のためにも体を冷やすフローズンものは売れる傾向にあります。さらに、フローズンドリンクはアイスコーヒーと比べてオシャレでカラフルなため映(ば)えるので、若者や女性を取り込むことに成功しています。フローズンドリンク系は、今後、冷やし中華をしのぐ"コンビニの夏の顔"になるかもしれません」

では、コンビニ3社に何か違いはあるのだろうか。まずはセブン-イレブンから。

「セブン-イレブンの『お店で作るスムージー』は、凍らせた果物や野菜、豆乳やハチミツなどを店内のミキサーで混ぜて飲む商品です。特筆すべきは、このスムージーのために専用のミキサーを開発したこと。それだけ力を入れている商品といえます。

お客さんは冷凍庫から商品を取り出して精算し、店内にある専用マシンにバーコードを読み取らせて、画面に表示される指示に従って作るという流れです。所要時間は約70秒です。

また、フードロスの低減にも取り組んでいて、このスムージーには通常であれば廃棄されてしまうブロッコリーの茎や大きさや見た目で規格外となっていたイチゴやバナナ、マンゴーなども使われています。そうした取り組みも若者に支持されています」(吉岡氏)

「スムージーは専門店ができるほどの人気商品ですが、専門店は700円から1000円くらいが当たり前。それがセブン-イレブンだと300円。これは専門店にとって脅威だと思います。

10年くらい前に、コンビニで淹(い)れたてコーヒーが発売されて話題になり定番化されましたが、今度はフローズンドリンクが同じような道を歩むかもしれません」(遠藤氏)

セブン-イレブン「店で作るグリーンスムージー」300円(吉岡氏 5位、遠藤氏 9位) セブン-イレブン「店で作るグリーンスムージー」300円(吉岡氏 5位、遠藤氏 9位)

セブン-イレブン「お店で作るマンゴーパインスムージー」300円(遠藤氏 5位) セブン-イレブン「お店で作るマンゴーパインスムージー」300円(遠藤氏 5位)

ローソンはどうだろう。

「ローソンの『マチカフェ フローズンパーティー』は、そのまま食べることもできますし、溶かしてフローズンドリンクとして飲むこともできます。すぐに飲みたい場合は、店内の電子レンジで温めます。フローズンドリンクをレンチンするという発想がユニークで面白いですよね」(吉岡氏)

「ローソンのは、その場で食べるだけでなく、自宅に持ち帰ってストックできるので、食べたいときに食べられるという良さもあります。実は今回のフローズンドリンク系を最初に発売したのはローソンなんです(2011年)。それだけの経験が味に表れていると思います」(遠藤氏)

ローソン「フローズンパーティー ストロベリー」340円(遠藤氏 10位) ローソン「フローズンパーティー ストロベリー」340円(遠藤氏 10位)

ローソン「フローズンパーティー コーヒー」340円(遠藤氏 7位) ローソン「フローズンパーティー コーヒー」340円(遠藤氏 7位)

最後はファミリーマート。

「『ファミマカフェ』のフラッペシリーズは、商品を購入したらまずカップを揉んで中身を割り、店内にあるコーヒーマシンのフラッペのボタンを押してミルクを入れて、よくかき混ぜてから飲みます。自宅に持ち帰って約70mlの冷たい牛乳を注いでも作れます」(吉岡氏)

「実は、揉み方によって仕上がりが少し違ってきます。よく揉んでからミルクを入れるときれいに混ざり合ったものができるし、逆にあまり揉まないと、徐々に軟らかくなっていく食感を楽しむことができます」(遠藤氏)

ファミリーマート「マスカットフラッペ」350円(遠藤氏 4位) ファミリーマート「マスカットフラッペ」350円(遠藤氏 4位)

ファミリーマート「上林春松(かんばやししゅんしょう)本店監修 宇治抹茶フラッペ」330円(遠藤氏 8位) ファミリーマート「上林春松(かんばやししゅんしょう)本店監修 宇治抹茶フラッペ」330円(遠藤氏 8位)

3社のフローズンドリンクで共通しているのは、お客さんが自分でひと手間かけるということだ。

「レジもそうですが、今のコンビニはセルフが多くなってきています。その流れなのですが、例えばバーベキューなどで自分で作った料理は、調理済みの料理よりも1.5倍おいしく感じるという話もあり、そういうことも意識しているのではないでしょうか」(遠藤氏)

「お客さんが、自分でひと手間かけることを楽しむエンタメ性があるというのも話題になっている理由のひとつかもしれません」(吉岡氏)

ということで、自分で作る楽しみもあるコンビニのフローズンドリンク。遠藤氏と吉岡氏のおふたりに、それぞれベスト3を聞いてみた。

まずは遠藤氏。3位は「アフタヌーンティーロイヤルミルクティーフラッペ」(ファミリーマート/350円)。

「本格的な紅茶の風味が溶け込んでいて、クッキーのトッピングがリッチさを感じさせる。さすがアフタヌーンティーの監修」

ファミリーマート「アフタヌーンティー ロイヤルミルクティーフラッペ」350円(遠藤氏 3位、吉岡氏 4位) ファミリーマート「アフタヌーンティー ロイヤルミルクティーフラッペ」350円(遠藤氏 3位、吉岡氏 4位)

2位は「お店で作る いちごバナナソイスムージー」(セブン-イレブン/300円)。

「イチゴとバナナの爽やかな味わいを豆乳が下支えしている。このバランスがいい」

セブン-イレブン「お店で作るいちごバナナソイスムージー」300円(遠藤氏 2位) セブン-イレブン「お店で作るいちごバナナソイスムージー」300円(遠藤氏 2位)

1位は「いちごバナナフラッペ」(ファミリーマート/350円)。

「イチゴの甘酸っぱい風味とバナナのうまみの両方が際立った秀逸な一品」

ファミリーマート「いちごバナナフラッペ」350円(遠藤氏 1位) ファミリーマート「いちごバナナフラッペ」350円(遠藤氏 1位)

続いて吉岡氏。3位は「フローズンパーティーバナナ」(ローソン/340円)。

ローソン「フローズンパーティー バナナ」340円(吉岡氏 3位、遠藤氏 6位) ローソン「フローズンパーティー バナナ」340円(吉岡氏 3位、遠藤氏 6位)

「バナナ味が濃厚。ミルククリームがたっぷりのっていて、まずは溶かさず、そのままコールドスイーツとして楽しむことをオススメしたい」

2位は「ブラックサンダーチョコレートフラッペ」(ファミリーマート/330円)。

「その名のとおり『ブラックサンダー』を食べているかのようなチョコクッキーのザクザク感が楽しめる」

ファミリーマート「ブラックサンダーチョコレートフラッペ」330円(吉岡氏 2位) ファミリーマート「ブラックサンダーチョコレートフラッペ」330円(吉岡氏 2位)

そして、1位は「お店で作る ダブルベリーヨーグルトスムージー」(セブン-イレブン/300円)。

「イチゴとブルーベリーがゴロゴロ入っていて、それがヨーグルトとミックスされて甘酸っぱく、暑い日にピッタリなドリンク。出来たてのフレッシュ感が強烈でびっくりするほど」

セブン-イレブン「お店で作るダブルベリーヨーグルトスムージー」300円(吉岡氏 1位) セブン-イレブン「お店で作るダブルベリーヨーグルトスムージー」300円(吉岡氏 1位)

4位以下のランキングも商品の写真で紹介しているので、ぜひ参考にしてほしい。

暑い日は、フローズンドリンクで体を冷ませ!

*価格はすべて税込です。商品は地域や店舗によって取り扱っていない場合があります。また、販売を終了してしまう場合もあります