[ガスト]うな丼 1300円。柔らかく、香ばしさもあり、うなぎのうまみを感じるタレとの相性も良い。コスパ抜群[ガスト]うな丼 1300円。柔らかく、香ばしさもあり、うなぎのうまみを感じるタレとの相性も良い。コスパ抜群

土用の丑の日を控え、街中にはうなぎ丼があふれ返っているけど、各チェーンの特長やその差が知りたい! というわけで、食のプロに食べ比べをしてもらいました!

■うなぎを食いたきゃファミレスへ!

7月30日は土用の丑の日。コロナ禍でのスタミナ需要もあってか、チェーン店はこの季節「うなぎ丼」にかなり力を入れているようだ。だけど、うなぎ丼が食べられる店が多くなった分、それぞれの特長がよくわからない! というわけで、食のプロに食べ比べをお願いした!

「まず、うなぎ丼の勢力で最近侮れないのがファミレスです」

と語るのは、各種メディアでうなぎの魅力を広める、うなぎマニアの高城久氏。

「コスパ最強なのが、ガストうな丼。1000円を少し超える価格でボリューム満点。うなぎは柔らかく香ばしさもあり、うなぎのうまみを引き立てるタレの味つけも絶妙です。

ココスうなぎ丼も秀逸。うなぎは厚みがあり、ふっくら柔らかで香ばしい優れもの。タレは甘さ控えめで、錦糸卵とのりのおかげで飽きずに食べられます。店内飲食では、味噌汁と小鉢がついてくるのもうれしいポイント」

[ココス]うなぎ丼 1199円。甘さ控えめで濃いめのタレ。錦糸卵とのりのおかげで最後まで飽きずに食べられる[ココス]うなぎ丼 1199円。甘さ控えめで濃いめのタレ。錦糸卵とのりのおかげで最後まで飽きずに食べられる

飲食店の新メニュー開発などに携わる飲食トレンドリサーチャーの山口えりこ氏が推すのはこちら。

ジョナサン国産 うなぎ丼は少々値が張るものの味は抜群。フワフワのうなぎは箸で持っても崩れることなく、適度な厚みとうなぎの風味をしっかり保っています。タレはスッキリ、キレのあるタイプ。ファミレスとは思えないクオリティの高さです」

[ジョナサン]国産 うなぎ丼 2529円。少々値は張るが、フワフワのうなぎは箸で持っても崩れることなく、風味もしっかりある[ジョナサン]国産 うなぎ丼 2529円。少々値は張るが、フワフワのうなぎは箸で持っても崩れることなく、風味もしっかりある

続いては、さらに気軽に食べられる牛丼・定食チェーンのうなぎ丼。高城氏のオススメはこちら。

「いろいろな食べ方が楽しめるのが、やよい軒うな重定食。うなぎ自体はやや小さめですが、甘辛い濃いめのタレで香ばしくふっくら焼かれています。味噌汁、追いダレ、山椒にわさびもついているのがうれしい。

特にわさびは相性が良く、味変にはもってこい。さらに無料のだしサービスがあるので、うなぎ茶漬けとしても楽しめる。ご飯もおかわり自由なので、奮発して『特うな重定食』(1900円)をチョイスしてもいいでしょう」

[やよい軒]うな重定食 1100円。うなぎ自体はやや小さめだが、無料のだしサービスで、うなぎ茶漬けとしても楽しめる[やよい軒]うな重定食 1100円。うなぎ自体はやや小さめだが、無料のだしサービスで、うなぎ茶漬けとしても楽しめる

サラリーマンの食事情に詳しい定食評論家の今柊二氏が牛丼チェーンのうな丼を語ってくれた。

吉野家鰻重はなんといっても四角いお重スタイルが頼もしい。うなぎは大きく、ふっくら肉厚。タレは少々甘く感じますが、その分ご飯が進む。卓上の紅しょうがを箸休めにも活用できます。

[吉野家]鰻重(一枚盛)1207円。香ばしさを感じるかば焼き。しっかり焼かれているのがわかる。タレは濃く、ご飯が進む[吉野家]鰻重(一枚盛)1207円。香ばしさを感じるかば焼き。しっかり焼かれているのがわかる。タレは濃く、ご飯が進む

松屋うな丼は1000円を切る価格ながら、お新香や味噌汁もついてきて定食的に楽しめるのが高ポイント。うなぎの大きさはやや小ぶりですが、タレが甘すぎずキレのある淡麗系で男性好みの味です」

[松屋]うな丼 980円。店舗で表面を焼いており、香ばしい状態で出てくる。お新香がついてくるのもいい箸休めに[松屋]うな丼 980円。店舗で表面を焼いており、香ばしい状態で出てくる。お新香がついてくるのもいい箸休めに

山口氏のイチオシはこちら。

なか卯うな重は甘めの錦糸卵がいいアクセントに。見た目も美しく食欲が増します。タレは水あめのような濃厚系。うなぎは適度に歯応えがあり、食感も楽しめます」

[なか卯]うな重(並盛)900円。適度な歯応えのある柔らかさはうなぎ通好み。タレはやや濃いめで錦糸卵とも合う[なか卯]うな重(並盛)900円。適度な歯応えのある柔らかさはうなぎ通好み。タレはやや濃いめで錦糸卵とも合う

高城氏が続ける。

すき家うな丼の特長は皮目まですっと箸が入る柔らかさ。タレはやや甘めですが、万人受けする飽きのこない味だと感じました。並盛でもご飯の量が多いので、満腹に。追いダレが置いてあるとさらにいいのにと思うところです」

[すき家]うな丼(並盛) 890円。皮目まですっと箸が入る柔らかさは特筆すべきもの。タレはやや甘めで万人受けしそう[すき家]うな丼(並盛) 890円。皮目まですっと箸が入る柔らかさは特筆すべきもの。タレはやや甘めで万人受けしそう

■回転すしや弁当チェーンにも!

回転すしチェーンもうなぎ丼に力を入れている。高城氏が語る。

くら寿司すしやのうな丼は、うなぎの柔らかさが抜群です。ただ、煮魚感が出てしまって、かば焼きならぬ、かば煮と言えてしまいそうなのが惜しい。ご飯はやや少なめなので、ほかのおすしとも一緒に楽しめそう。別添えのタレは発酵調味料、アナゴエキスが入っているためか、うまみがかなり感じられます」

[くら寿司]すしやのうな丼 790円。うなぎは大きくはないが、肉厚で相当柔らかい。「煮」というイメージに近いほどホロホロ[くら寿司]すしやのうな丼 790円。うなぎは大きくはないが、肉厚で相当柔らかい。「煮」というイメージに近いほどホロホロ

ほかにスシローはま寿司などのチェーンも土用の丑の日に合わせてうなぎ丼を販売開始するようなので、ぜひチェックを!

弁当チェーンもうなぎ丼を提供。山口氏が語る。

オリジン弁当うな重は醤油感の強い水あめ系のタレがご飯に絡んで美味。タレが重ためでうなぎにもよく絡むので、冷めても楽しめる弁当仕様なのが素晴らしい。オリジン弁当シリーズに共通しているたくあんがここにもちゃんと入っているのもうれしいポイント。うなぎはふっくらとしていながら、皮目の食感も楽しめます」

[オリジン弁当]1069円。身は柔らかな仕上がりだが、端の部分は皮目の香ばしさも楽しめる。付属のタレはやや甘め[オリジン弁当]1069円。身は柔らかな仕上がりだが、端の部分は皮目の香ばしさも楽しめる。付属のタレはやや甘め

そして最後に、忘れてはならないのがうなぎ専門チェーン。全国に34店舗を構える、宇奈ととうな丼を山口氏が評価する。

「590円でしっかりしたうなぎ丼を満喫できるのは、さすが専門店。一枚一枚鉄串で刺し、炭火で焼き上げてくれるので、フワフワカリカリでとてもおいしい。特製のうなぎのタレを塗りながら焼いているので、味がしっかり身に染みています」

[宇奈とと]うな丼 590円。炭火で焼いているので香りが良く、カリカリフワフワ。何よりこの価格が専門店のなせる業[宇奈とと]うな丼 590円。炭火で焼いているので香りが良く、カリカリフワフワ。何よりこの価格が専門店のなせる業

高城氏が続ける。

「一枚一枚焼いている分、焼きを担当する方によってばらつきが出ることもありますが、それも楽しみのひとつ。タレは粘度が高く濃いめなので、肝吸い(160円)を注文してお茶漬け風に食べるのもありですね」

皆さんも土用の丑の日を待たず、スタミナチャージにレッツゴー!

*価格は税込(店内飲食は10%、弁当は8%)。店舗によって価格が異なる場合があります