連日30℃超えが当たり前! 就寝時はエアコンをフル稼働なわけですけど、それでも暑かったり、逆に寒かったりと猛暑での寝室の温度調節は難易度高め。
その一方、おじさん世代には夜中に目が覚める、夜間頻尿という大敵もあり!? これらのコンボで朝の目覚めは最悪コンディションに......。そこで、猛暑に負けない快眠テクを紹介です!!
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■猛暑でも快適な寝室環境とは?
連日の猛暑でエアコンなしでは寝つけない状況ですが、エアコンをしっかり設定したつもりでも、なぜか寝起きにグッタリと疲れ気味。さらに、夜中におしっこにも行きがち。
そんな中、睡眠時の各種データを計測できるゲームアプリ『Pokemon Sleep』が登場。猛暑でトピックスになることが多い、快眠問題の対策を紹介します!
――まずは、家電の活用法からキャンプ情報まで発信するWebマガジン『Beyond Magazine』のプロデューサー・滝田勝紀さんにお聞きします。各種快眠機能を搭載した家電をチェックしてきた目線で、『Pokemon Sleep』はどうですか?
滝田 まず気に入ったのは、体に装着しないことです。スマートウオッチをはじめ、睡眠時のデータを収集するガジェットのほとんどが体に装着して計測を行ないます。睡眠時にこれを違和感と感じるユーザーが多い。そしてApple Watchシリーズのようなバッテリー稼働時間の短い端末だと、就寝時の利用で充電時間を逃すこともあります。
一方、『Pokemon Sleep』はスマホを枕元に置いて寝るだけ。そして、データ計測される用語も「うとうと時間」「ぐっすり時間」と誰にでもわかりやすく、かつポケモンの寝顔が収集できるゲーム要素もあります。
――なら、これを使えば快眠確定ですね!
滝田 それは、絶対にありえません(笑)。自分の睡眠状態に興味を持つきっかけにはなりますが、アプリやガジェットが計測したデータを見るだけで、質の良い睡眠を得られることはありません。
そして、多くのアプリやガジェットに足りないのが室温に関する細かなデータ収集と、それに基づいた睡眠時の室温設定の最適解の表示です。
――現在のような連続猛暑日だと、そこが超重要かと!!
滝田 はい。実際、国内の大手家電メーカーは、快適に睡眠できる室温設定を長年研究し、データも蓄積されています。それこそ、パナソニックの「エオリア スリープ PXシリーズ」のような寝室での利用に特化した製品もあるほどです。
その一方で、既存のエアコンを生かしつつ、寝室の室温を最適に保つテクニックもあります。
――それ、教えてください!
滝田 エアコンの電源を入れる前に必ずやるべきなのが、寝室にこもった熱気を排出することです。熱気は体感できる範囲だけでなく壁や天井にも滞留し、そこを保温し続けます。この熱気があると効率良く部屋を冷却することはできません。
これを解決するのがサーキュレーターです。部屋のドアと窓を全開にし、窓に向けてサーキュレーターを強設定で送風。本体を手持ちした状態で壁や天井から窓に向かって送風するとさらに効率よく熱気を追い出せます。
――ちょっと驚きなんですが、この作業だけで部屋から感じる熱が変化しますね! で、エアコンはどんな設定にするのが正解ですか?
滝田 温度設定を20℃前後にして、強風で一気に寝室を冷却します。その20~30分後にしっかり冷えたのを体感できたところで室温を26~28℃前後に設定し、あとは起床までずっと自動運転です。
――これだけですか?
滝田 はい。これで常に26℃前後に室温を保てて、ダラダラとドライや除湿を使うよりも電気代の節約になります。エアコンの自動運転はクルマでいうところの低回転走行なので、電力消費が最も少ない設計なんです。ですから、寝室以外でも【強風】と【自動運転】を積極的に活用してください。
――ほかに猛暑でのエアコン利用で快眠になる方法は?
滝田 直接、体に送風しないことです。エアコンの羽根を上向きに設定します。さらにエアコンの下にサーキュレーターを配置し、エアコンと対角線上の壁に送風。これで寝室内に冷風を循環させることができます。サーキュレーターは1ヵ月連続稼働させても電気代が500円ほどなので、ガンガン回してください!
――なるほどー! 冷風が体に直撃すると、けっこう寝起きに体が固くなったと感じたりしますからね。このサーキュレーター循環は大アリ! そして、体をエアコンで冷やしすぎることでのトラブルもあるとか? 「福元メンズヘルスクリニック」の院長で泌尿器科医の福元和彦さんに聞いてみます。
福元 40~50代の中年男性ですと、冷房の効きすぎで頻尿を発生させることがあります。
――それ、あるあるです!
福元 体の水分は汗と尿から排出されます。しかし、エアコンの冷風を長時間ダイレクトに浴びることで発汗量が減り、それが尿にまわって頻尿となるのです。なので、適度に発汗するぐらいの室温設定を心がけることも快眠には重要なポイントです。
――よく寝る前の飲酒も頻尿に影響すると聞きますけど?
福元 はい。飲酒は就寝2~3時間前までにしましょう。最も良くないのはお風呂上がりのビールを飲んだ後に即就寝することです。これは完全に夜間の尿意を誘発しますので、控えましょう。
――では滝田さんに聞きます。起床時や睡眠中に活躍するオススメのガジェットなどは?
滝田 私が10年以上利用する目覚めスッキリのアイテムとして推しているのが光目覚まし時計です。これはベッドサイドに設置し、朝日のように徐々にライトが明るくなって目覚めさせる製品。光目覚まし時計は各社から販売されていますが、今ならアマゾンの「Echo Show 5」がオススメです。
――それ、音声操作に対応したAIスピーカーですよね。
滝田 これはディスプレー付きで、光目覚ましとしても利用できます。さらに睡眠導入音楽の再生、そして対応する家電の音声操作など、リモコンを使うことなく音声操作で行なえます。
――これは完全に寝室向きの有能アイテム!
滝田 あと、異色どころでは睡眠時の脳波を測定して快眠に最適なオーディオトーンを再生する「SmartSleep ディープスリープ ヘッドバンド 2」もあります。ただし、頭に装着するタイプなので人によっては違和感があるので、使う人を選びますね。
――ところで、『Pokemon Sleep』や各種スマートウオッチは、睡眠中のコンディションを数値やグラフで可視化するのが売り。これ以外に快眠状態を確認する方法は?
福元 朝立ちです。
――え!?
福元 朝立ちの計測は睡眠計測アプリやガジェットには搭載されませんが、朝立ちはリラックスした深い眠りがあってこそ発生するものです。
――確かに! 数十分ほどの仮眠でも、質の良い睡眠だとバッキバキですね!!
福元 そのとおりです。なので、快眠を得るためには朝立ちの具合を指標とし、室温、寝る姿勢などを自分なりに調整するのがよいでしょう。それこそ、枕を替えただけでも睡眠コンディションは大きく向上しますから。
――『Pokemon Sleep』やApple製品には実装不可と思われる「朝立ち計測」。下半身問題に強いTENGA製品への実装に期待ですっ!