夏になると連日メディアが全国の最高気温ランキングを報じるけど、その逆、「最高気温が低かったランキング」も実は気象庁が発表している。
そのトップ10に関東からランクイン常連となっているのが栃木県日光市の奥日光だ。意外と知られていないこの避暑地の魅力を調査してみた。まだまだ残暑厳しいこの時期のレジャーにぜひ!
■まだまだ暑い夏。ぜひ奥日光へ!
まず疑問なのは、どうしてそんなに涼しいのか? ということ。日光市観光協会に話を聞いてみた。
「一番の理由は標高が高いことです。世界遺産である日光の社寺周辺で標高600~700mで、高尾山や東京スカイツリーと同じくらいの高さがありますが、奥日光はその先のいろは坂を上った辺りで、標高は1300~1600mくらい。
標高が100m上がると0.6℃下がるといわれているため、単純に計算すると都心に比べて10℃ほど気温が低いことになります。
また、日光白根山の冷たい水が奥日光湯元温泉にある湯ノ湖や中禅寺湖などを経て、華厳ノ滝(けごんのたき)へと流れ落ちていくので、豊富な水が奥日光の空気を冷やしてくれているのかもしれません」
実際、8月16日の奥日光の最高気温は21.6℃とかなり低かった。
では、都心からのアクセスはどんな感じ?
「東北新幹線、JR線、東武線などを使い東武日光駅へ。そこから東武バスに乗り込めば、中禅寺湖・湯元温泉方面まで簡単にアクセスできます。
なお、東武鉄道は7月より新型特急『スペーシアX』の運行を開始しました。上質な空間で優雅な時間を過ごしながら、日光・鬼怒川エリアへ向かうことができます。一方、この時期の自家用車での移動は渋滞が発生しやすいため注意してください」
■奥日光の観光やグルメ情報
気になる観光スポットやグルメ情報について、栃木県を代表するお笑いコンビ、U字工事のふたりに話を聞いた。まず、奥日光全体の魅力を語ってくれたのは、ボケ担当の益子卓郎氏。
「皆さんご存じのとおり、栃木は海なし県です。でも、海がない観光地ならではの魅力がたくさんあるんですよ。山や湖から送られてくる大自然のクーラーは最高ですね。あちこちからあふれるマイナスイオンを感じて、都会で疲れた心を癒やしてほしいです」
新幹線を利用すれば、東京から片道2時間ほどで行ける気軽さも人気。日帰りで涼みに行くとしたら、どんな観光スポット巡りがオススメ? ツッコミ担当の福田薫氏が語ってくれた。
「中禅寺湖でトローリングをして、一日かけて大物のマスを狙ってみるのはどうですかね。あそこは『マス釣りの聖地』ともいわれる場所で、大きいものだと1m級のマスも釣れるそうなんですよ。釣りはちょっと大変そうと思う方は、中禅寺湖の魚を観察したり、魚たちに餌やりができる『さかなと森の観察園』がオススメですね。
また、中禅寺立木観音で体験した、世界にひとつだけの数珠づくりも楽しかったです。完成後の数珠にお坊さんがご祈祷(きとう)してくれるので、市販のものより効き目がありそうな気がしました。
観光地は、豪快さでは華厳ノ滝が有名ですが、美しさでは竜頭ノ滝(りゅうずのたき)も負けてないですよ。スマホゲームの『ドラクエウォーク』ではおみやげ(ゲーム内のアイテムのようなもの)がもらえるスポットになってるんですって」
では、泊まりがけで行くとしたらどんな観光スポットがオススメ?
「この時期の奥日光はすでにけっこう涼しいので、体力的に自信のある方はぜひ男体山(なんたいさん/2486m)に登って中禅寺湖を見下ろしてほしいですね。
山頂はさらに涼しいので、アツアツのカップラーメンを食べると抜群にうまいんですよ。登山初心者は、半月山(はんげつやま/1753m)でも十分キレイな景色を見渡せると思いますよ。
あとは華厳ノ滝を見学して、中禅寺ダムでダムカードを記念にもらうのもオススメ。宿は中禅寺湖周辺で探せば、いろんな観光地に行きやすいと思います。
予算に余裕があれば、ザ・リッツ・カールトン日光に泊まり、5800円の高級ラーメン『AFURI共作 栃木 柚子(ゆず)塩らーめん』を堪能してほしいですね」(益子氏)
こちらの高級ラーメンについては、福田氏も賛辞を送る。
「宇都宮市でとれる幻の柚子(ゆず)『宮柚子』を贅沢(ぜいたく)に使っているほか、那須塩原のブランド豚・那須つつじポークの炙りチャーシューがのっている、すごいラーメンなんです。食材から出る本物のうまみが、観光で疲れた体に染み渡ること間違いなしですね」
奥日光グルメについて、福田氏はさらに詳しく紹介してくれた。
「奥日光に来たら、やっぱりマスを食べずには帰れないです。以前、テレビ番組で食べた『レストランメープル』さんの『マスのムニエル』は、とにかくサイズが大きく新鮮で、とてもおいしかった。
あと、自分はまだ食べたことがないんですけど『トンカツ浅井』さんにはよく行列ができているので、一度訪れてみたいと思ってます。行った人の話では、ボリューム満点でおなかがいっぱいになりすぎて、午後からの仕事がヤバかったそう」
涼しさはもちろんのこと、アクセスも良く、観光スポットやグルメも充実している奥日光。
ぜひ夏の最後の思い出に足を運んでみては?