世界の中でもヤバめの暑さを誇る高温多湿の日本の夏、皆さんいかがお過ごしですか?
私はといえば炎天下の外出は避け、もっぱらネットでお買い物。Amazonでついポチポチしている今日この頃ですが、今回ご紹介したいのは地球の裏側、リアル・アマゾンの本場のグルメ! そう、お国はブラジルです! それではバモス!(さぁ、行ってみよう!)
■舌がしびれるアマゾンのヤバイ味噌汁!?
小学生の夏、友達と「恐怖の味噌汁(今日麩の味噌汁)」という全然怖くないダジャレ的な怪談話で盛り上がっていましたが、アマゾンには舌がしびれて笑えない「ヤバい味噌汁」がありました。
その名は「タカカ」と言い、アマゾンでは味噌汁的存在の定番スープ。なんですが、日本の味噌汁とは似ても似つかず。
私がそれに出会ったのはブラジル北部パラ州のベレンという街。路上の屋台先にちょこんと座っていた少女の美貌に誘われ、私の足はフラフラと屋台の方へ......。
「ひとつください」
気づいたら未知の食べ物タカカを注文していたのですが、お椀に注がれるその食べ物の様子を見て驚愕。
やまぶき色の液体に、おたまでドロっとした半透明のスライム状のものが注がれた......!? 見た目からしてヤバそうですが、世界の未体験グルメはチャレンジするのが旅人の流儀。勇気を出して口へ運ぶと、
「!!!!????」
「ヤ、ヤバイ、毒をもられた......!?」
全くの前情報なくタカカを食べた私は、失礼ながらそんな印象を持ってしまいました。
タカカはベレンの郷土料理で、キャッサバ芋の搾り汁を発酵させたトゥクピーにでんぷんでとろみをつけたスープ。
具材には干しエビとジャンブーというしびれ草が入っています。トゥクピーはピリッとした辛みを帯びた刺激、ジャンブーは酸っぱくて舌がしびれる刺激があり、イベント屋台でも地元の人に人気だそう。
また食べたいかと聞かれたら迷うけど、怖いもの見たさで(?)もう一度チャレンジしてみたい気もする。外国人にとっての日本の納豆みたいなもん?
ちなみに、地元では「君が作ったタカカ(味噌汁)が飲みたい」がプロポーズの王道フレーズ......なワケないか。ハートより先に舌がしびれちゃいますからね。
■アマゾンの離乳食は奇跡の果物!?
ハワイの定番グルメ「アサイーボウル」。アサイーは栄養満点で鉄分豊富。赤ワインの約30倍のポリフェノールが含まれ、アンチエイジング効果が期待できるスーパーフードとして知られていますが、原産はブラジルのアマゾンだって知っていましたか?
本場で食べるアサイーは、ハワイのようにフルーツ盛り盛りの華やかなスタイルではなく、基本ごくシンプル。
リオデジャネイロ近郊のアサイースタンドでは小さなプラカップにスムージー状のアサイーが注がれ、お好みでシリアルなどをトッピングするスタイル。キンキンの冷たさはブラジルの気候にピッタリで、砂糖がたっぷり入っているのだろうか、麻薬的な甘さが泳ぎ疲れた体に染みる!
「うわ~! 超絶甘いけどそれが美味しい! これが本場のアサイーかぁ!」
すっかり虜になりました。
そしてアマゾン川の河口の街にはさらに本場のアサイーがありました。ベレンはアサイーの名産地。冷凍ではない生のアサイーが食べられるという。
アマゾン地域の食と文化が勢揃いする街のシンボル「ヴェロペーゾ市場」では、地元の人々が生アサイーと干し肉やアマゾン川魚のフライを定番ランチとして食べていました。
「え、アサイーってスイーツじゃないの? その食い合わせどうなの?」
実はアサイーはあまり味がなく、無糖だとちょっと渋めのポリフェノール風味。意外とゴハンの邪魔をしない。ヨーグルト的存在とでも言ったら良いでしょうか、健康的な味です。
またアマゾンのベイビーたちは離乳食からアサイーを食べるそうで、かわいいベイビーがお口の周りを赤紫に染めておりました。アンチエイジングは必要なさそうだけど......。
街中には小ぎれいなアサイーカフェも。ワインのようにデキャンタに入れられたアサイーがテーブルにドカンと置かれ、自分でボウルに注ぎお好みで砂糖やライスパフ、ファロファ(ブラジルで定番のキャッサバ粉を炒めたふりかけのようなもの)をかけて食べるスタイル。
甘くして食べるもそのまま食べるも自由。ますますヨーグルトっぽいです。
パラ州では9月5日がアサイーの日(日本では9月16日がアサイーの日)。普段アサイーに縁のない方も、この日を機にトライしてみては?
★次回は10月更新予定です。
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。
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