「10年に一度の猛暑」といわれる今年の夏。全国各地で40℃に近い高温が観測され、今も厳しい残暑が続いている。しかし、暑いのは日本だけではない。今年は世界的に「観測史上最も暑い」といわれており、そもそも世界には最高気温が40℃台後半、時には50℃を超える国も多い。そんな超猛暑国に暮らす皆さんに、その国ならではの暑さ対策の数々を聞いてみた!【「40℃超え」の国々に学ぶ、猛暑生存戦略・インド】
■内側から熱を取る特製ドリンク
4~6月が最も暑く、最高気温は50℃近くにもなるインド・ニューデリー。この都市に暮らすやえさんは、その厳しさを語る。
「暑い季節はとても乾燥していて、野外は熱波で焼けるように苦しいので、太陽に気力や命を吸われてしまうような感覚になります。決して外に出られる気温ではありません。洗濯物も昼間に干すと、強すぎる日差しで服がパリパリになってダメになるので、日が暮れてから干しますね」
ニューデリーではジーンズなどを着る人が増えているものの、夏はワンピースのような民族衣装「パンジャビスーツ」を着る人が多いと語る。
「パンジャビスーツは生地も薄手の軽いコットン素材で涼しいんです。金額は300円くらいから買える代わりに、高級なモノ以外はだいたい1年くらいでだめになるので、毎年買い替える人が多いですね」
また、現地で暑い日に飲む定番ドリンクとして、日本ではあまりなじみのないふたつの飲み物を教えてくれた。
「暑いときの定番の飲み物として『バンタ』と『ルーオブザ』があります。
『バンタ』は炭酸水にレモンとスパイス、塩などを混ぜた飲み物で、日本のレモンスカッシュに酸っぱさ、辛さ、しょっぱさすべてが加わったような飲み物です。夏になると不思議とこれが飲みたくなるんです。家で作って飲む人もいれば、路上でも売られています。レストランだと『スイート or ソルト or ミックス?』と聞かれて、味を選ぶこともできます。
『ルーオブザ』はバラの香りがする、少しスパイス風味のある栄養シロップ。これも定番です。かき氷にかけるシロップのような原液がバラ味になっているようなイメージで、水や牛乳、ソーダなどで割って飲みます。熱が体にこもってるときなんかに飲むと、内側からヒヤッとします。『ルー』は『熱波』のような意味合いがあるので、名前からしても熱を取るための栄養ドリンクというイメージがありますね。スイカを切って交ぜたりしてもおいしいですよ」
ご当地ドリンクの完全再現は難しいかもしれないが、パンジャビスーツはネット通販で購入可能だ。