コンビニの棚に多く並ぶ栄養ドリンク。いったい何が違うの? どんな効果があるの? 素朴な疑問を管理栄養士の先生に解決してもらった!
※価格はすべて週プレ調べの参考価格(税抜)です。
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種類が多い分、疑問も多い! 世にあふれる栄養ドリンクのさまざまな疑問に答えてくれたのは、健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子先生。
■疑問1 エナドリの2トップ。レッドブルとモンスターエナジーの違いは?
「レッドブル、モンスターエナジーのどちらも覚醒作用のあるカフェイン、疲労回復や活力アップ効果のあるアルギニン、代謝を上げるビタミンB群が含まれています。
異なる点としては、カフェイン含有量がモンスターエナジーのほうが若干多く、モンスターエナジーには抗疲労・抗ストレス作用のある高麗人参が含まれています。レッドブルにだけ含まれているパントテン酸はビタミンB群のひとつ。皮膚の健康維持を助けたり、ストレスを和らげる働きがあります。
両者を比較した結果、成分的にはモンスターエナジーのほうが覚醒感や抗疲労作用が強いと考えられますが、こうしたドリンクは味の好みや体質によって合う、合わないもあるので、一概にどちらがいいとは言えません。
ちなみに、2020年に発売された日本発のエナドリZONeもこのふたつとほぼ同じ成分ですが、高麗人参が含有されているのでモンスターエナジーに近いです」
■疑問2 自販機でよく見かける栄養ドリンクたちの効果は?
「オロナミンCはカフェインや代謝を上げるビタミンB群、抗ストレス作用のあるビタミンC、疲労回復に働くアミノ酸やクエン酸など元気の源となる成分が多く含まれています。
ドデカミンストロングは疲労回復、スタミナ増強作用があるガラナ、マカ、高麗人参なども入っているので、体を元気にするサポートをしてくれるでしょう。
前出のレッドブル、モンスターエナジー、ZONeよりはカフェイン量が少なく覚醒感は低めですが、炭酸のシュワシュワ感やビタミンCで気分をリフレッシュすることができます。
カフェインが苦手という方にはデカビタCとリアルゴールドがオススメです。デカビタCはカフェイン量が少ないものの、代謝を上げるマルチビタミンや自律神経を整えるローヤルゼリーエキスが配合されています。
リアルゴールドはノンカフェイン。エネルギー代謝を高め、疲労回復に働くアスパラギン酸やビタミンCが入っており、寝る前に飲んでもいいでしょう」
■疑問3 リポビタンDなどの「指定医薬部外品」ってどういう意味?
「医薬部外品は〝薬〟ではあるのですが、主に予防・衛生を目的に用いられ、人体に対する副作用は少ないとされているので、スーパーやコンビニでも購入可能な商品です。パッケージには疲労回復や栄養補給などの効果・効能が表示されており、用法・用量も決まっているので、守って摂取してください。
まず、その代表格、リポビタンDとエスカップとチオビタドリンクから。共通する成分は筋肉細胞へのダメージや酸化ストレスを軽減するタウリンと代謝を高めるビタミンB群。
実は、この3商品は含まれている成分がほぼ同じで、正直、大きな違いはありません。それぞれ絶妙な配合を調整した結果こうなったのでしょう。
違いがあるとすれば味と価格。味の好みや飲みやすさは人によって違うので、飲み比べをして『これは自分に合って元気が出るな』と思えるものを探してみるといいでしょう。
この3商品と違う成分なのがアリナミンV。有効成分としてフルスルチアミンが含まれています。三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の代謝を助ける潤滑油のビタミンB1の誘導体で、体内利用されやすく疲労回復に働きます。
風邪をひいたときに飲むイメージのあるユンケルシリーズは生薬が豊富。自律神経を整えるローヤルゼリーや強壮強精の働きがあるニンジン、胃腸を元気にするセイヨウサンザシなどが入った商品もある。
コンビニなどで買える指定医薬部外品のユンケルシリーズはちょっとした疲れややる気を出したいときにオススメ。ドラッグストアや薬局・薬店で買える第2類医薬品・第3類医薬品のユンケルは疲れがひどいと感じたとき、風邪気味やすでに風邪をひいているときなどに活用するのがいいでしょう。
高価なユンケルほど使用されている生薬の数が多く、効能・効果が高くなるので、体調の重症度に応じて配合されている生薬の種類の多さを変えましょう。ただし、医薬品は薬剤師に相談の上摂取することが基本ですので、注意してください」
■疑問4 眠気覚ましドリンクの違いって何?
「眠眠打破はコーヒー2杯分に相当するカフェインや疲労回復や活力アップ効果のあるアルギニン、眠気を取るハーブ類が含まれており、脳の覚醒の働きがあります。強強打破には眠眠打破の1.25倍のカフェインが含まれています。
メガシャキはショウガ、トウガラシ、サンショウといったスパイスとメントールの冷涼感で眠気をスッキリさせるドリンク。カフェインは眠眠打破より若干少なめです。どちらも眠気覚ましに特化していることに違いはありませんが、メガシャキはジンジャーレモン味で強炭酸。
眠眠・強強打破はコーヒー味と濃抹茶味で炭酸はなしということで、好みがハッキリ分かれると思います。あとはカフェインでの覚醒かスパイスでの覚醒か。どちらが自分の体質に合っているかによるでしょう」
■疑問5 最近はやりの「チル系ドリンク」の効果は?
「副交感神経を優位に働かせストレス軽減、リラックス効果があるGABAや抗ストレス効果があるL-テアニンなどが含まれており、興奮を鎮めて緊張を和らげたり、心身をリラックスさせる働きが期待できます。なかなか寝つけないときなどに活用するといいでしょう。
チルアウトにはGABAやテアニンのほか、抗酸化作用があり細胞のダメージを予防するヘンプシード抽出物、鎮静作用のあるホップ抽出物などリラクゼーション成分が多く含まれています。
チリンはシンプルな成分でGABAやテアニンがチルアウトより少し多く含まれています。よって、成分だけ見ればチルアウトのほうがリラックス効果は高いと考えられますが、チリンのほうが味の種類が豊富。
ゼロカロリーかつ甘さ控えめで飲むときを選ばないのがチルアウト、異なるフレーバーで気分によって楽しめるのがチリンといった感じです。
ぜひ、これらを参考に自分にあった栄養ドリンクを探してみてください!」