結婚のスタイルや考え方、出会いを求める婚活や恋活の現場はどのように変化したのか? 結婚のスタイルや考え方、出会いを求める婚活や恋活の現場はどのように変化したのか?

コロナが5類となった今年、結婚のスタイルや考え方、そして出会いを求める婚活や恋活の現場はどのように変化したのか? アンケートや現地調査で実態を探ってみた!

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■結婚への本気度が上昇。婚活が再び盛り上がる

今年5月にコロナが5類感染症に移行。そんなコロナ明け元年の婚活・恋活市場がどうなっているのかが気になる!

「答えは、婚活するなら今! というほど盛り上がっています」と語るのは、マッチングアプリを中心とした出会いや婚活のメディア『マッチアップ』編集長の伊藤早紀氏。

「コロナを経て、婚活への本気度が上がっています。恋愛したくてもできなかったことから、ダラダラ交際するよりもすぐに『結婚をしたい』と考える人が増えました。コロナで減少していた婚姻数もコロナ前の水準に戻るのではないでしょうか」

そこでコロナ明け婚活について、「今年入籍した20~40代男性100人」にアンケートを実施。コロナ明け婚のトレンドを探ってみた!

■1年未満でのスピード婚が増加

まずは、「結婚相手とはいつから交際していたか」。コロナ前からの交際が過半数とはいえ、今年5月以降に出会ってスピード婚した人が8%もいた。その中にはこんな声が。

「前からの知人ではありましたが、コロナが明けたタイミングであらためて交際を申し込みました。もともと結婚したいと思うほどの相手だったので、そこからは早かったです」(32歳・不動産)

「漠然とした不安があったので、すぐにプロポーズした」(41歳・製造)

伊藤氏がこの流れを解説してくれた。

「ゼクシィ結婚トレンド調査2022年(首都圏版)では、結婚までに付き合った期間が1年未満は全体の3.9%。今回のアンケートでは、それより高い割合です。

コロナ禍での結婚意識の高まりと、オフラインでも人と会うことができるようになったことで、意思決定が速くなり、スピード婚が増えているのかもしれません」

続いて、結婚相手との出会いの場所。定番の職場・仕事関連を抜いて、マッチングアプリが第1位に。こんな声が。

「出会ったときはコロナ禍の真っただ中でアプリ以外の選択肢がほとんどなかった」(34歳・情報通信)

伊藤氏が続ける。

「消費者庁発表の『マッチングアプリの動向整理』で、2020年の婚姻者のうち、マッチングアプリでの出会いは11.1%。確かに、アプリでの出会いからの結婚が増えているといえます。

ただ、マッチングアプリの市場規模は横ばいでもあります。2023年の市場予測は1000億円でしたが、最新の予測だと800億円程度で落ち着く想定。そのまま来期以降も横ばいといわれています。

利用者は増えていないのに、結婚できた人が増えたということは、アプリでの本気度、出会いの精度が高まってきている証拠。アプリの利用データがたまってきていることから、マッチングのアルゴリズムが高性能化したことも一因でしょう」

また、顔や年収よりも内面でのマッチを重視する風潮もあるようだ。

「性格診断付きアプリの『with』が特に20代ではやっています。MBTIという16の性格類型に分かれる診断ができ、このアプリのプロフィールには自分の診断結果の記入欄も。ひと目で相手の性格がわかるようになっています。

かつてのマッチングアプリ=ライトな恋活という感覚は終わり、真剣な婚活向けのツールへと変化しています」

■コロナで結婚への意識も変化

ところで、コロナは「結婚観」に変化を及ぼしたのか?。アンケートでは「変わった」「やや変わった」が57%と半数以上が変化を感じている。

「コロナの隔離期間で人とのつながりを意識できた」(33歳・医療福祉)

「世の中何があるかわからないので、家族になってこの先何があっても一緒にいられるように結婚を決めた」(29歳・サービス)

伊藤氏が語る。

「東日本大震災でも〝震災婚〟などという言葉がありましたが、これまで『ひとりでも大丈夫』だと感じていた方もさすがに孤独を感じ、結婚を意識するようになったのではないでしょうか。

特に、大学生時代にコロナを経験しているZ世代を中心に『早く結婚したい』という願望が高くなっているというアンケート結果もあります」

では、今年入籍した人は、コロナ明けのタイミングを意識していたのか?という問いには、およそ7割が「意識した」「やや意識した」と回答。

「結婚式を行ないたかったので、招待者へ配慮した」(34歳・金融)

「コロナ禍で、両親が遠方だと顔合わせもできないため、結婚したくてもできないという状況が続いていた」(38歳・製造)

との声のように、コロナ禍で動きを自粛していたカップルが今年入籍して、一気に結婚式を挙げるケースが多いようだ。実際、アンケートでも、挙式・披露宴などの式やパーティをすでにした人が45%、これからする予定の人が32%と式への意欲の高さもうかがえる。

伊藤氏が実感を交えてこう語る。

「私自身も今年結婚し、3月末に結婚式場の下見に行きましたが、ある式場では『2023年はもうあと2日しか空いていない』と言われた。今年はバブルが起きていると実感しました」

ちなみに、マッチングアプリで出会って、式を挙げた(挙げる予定の)23人に、結婚式では「出会いのきっかけはマッチングアプリ」だと正直に言ったか?を聞いたところ、半数以上が「ぼやかして伝えた」「何も言わなかった」という結果に。

「なんとなく恥ずかしい気がして〝共通の趣味〟がきっかけでとお願いした」(35歳・教育)

「なれ初めは言わなくても大丈夫ですか?と司会に聞くと、最近は『お互いの第一印象』から紹介する方が増えていますと言われた。アプリでの出会いが増えているのかなと実感した」(31歳・金融)

伊藤氏が続ける。

「同世代の間では、マッチングアプリは婚活ツールとしての認識が広まっているので、恥ずかしくはないでしょう。両家の親さえ理解していれば、普通に言う人が多いです」

■今、婚活するならリアルな場に!

最後に、コロナ明け元年の出会いのトレンドも探るべく、現在、彼女がいない20~40代の男性439人に「今年、どんな恋活をしたか」とアンケートをとった。

結果、何もしていない人が7割以上とやや寂しいが、マッチングアプリは66人が経験。そして、合コン、街コンなども数値は低いがまったくいないわけではなかった。

伊藤氏がこの数字を踏まえ今後の出会いの動向を分析してくれた。

「傾向として、30代後半以降の男性は自然な出会いに憧れを抱きがちです。また、マッチングアプリもすでにユーザー数は頭打ちで『もういいや』という方も増えてきている。

その揺り戻しで、オフラインのリアルな出会いの場が徐々に盛り上がってきています。来年以降の婚活・恋活は『リアルでの出会い』がさらに加速しそうです」