コンビニ冷凍食品で今注目を集めているジャンルが、有名店監修の麺類。お店で食べるよりリーズナブルでありながら、おいしいのだ。その最新ラインナップを紹介するとともに、プロに食べ比べてもらった!
※価格は税込です(セブン-イレブンの小数点以下は切り捨て)。店舗や地域によって取り扱いのない商品もあります。
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■手間いらず。コスパも最強の冷凍麺
最近、コンビニで注目を集めているのが、有名店監修の冷凍麺だ。飲食トレンドリサーチャーの山口えりこ氏がこう語る。
「お店で食べると、ラーメン1杯やパスタ1皿が1000円以上は当たり前となった昨今の外食事情。そんな中、数百円で手軽に購入できて、好きな場所でシンプルな調理のみで食べられる名店監修のコンビニ冷凍麺が人気を集めています。冷凍庫で約1年の長期保存が可能なのも便利ですし、日々の進化が目覚ましいジャンルです」
というわけで、最新のラインナップをその道のプロに紹介してもらおう。
まず、コンビニ冷凍麺は調理の手軽さとコスパが大事と主張する、ラーメンライターの井手隊長が語ってくれた。
「その点からオススメしたいのは、麺屋こころ監修 台湾まぜそば(ファミリーマート)。耐熱皿の上に袋をのせ、レンチンして、別添のガーリックパウダーをかければ完成と超お手軽。太麺にミンチがよく絡み中毒性もバツグン。ガーリックパウダーでさらに中毒性がアップします」
この商品のコスパにうなるのは、年間1500種類以上のコンビニ飯を食べるコンビニグルメ研究家のいぬきち氏。
「もちもちとした麺は店舗のものに近い食感でかなりクオリティは高い。使われている魚粉や醤油ダレも麺とのバランスが良く、さすが有名店が監修したものといえます。これで価格は320円。ぜひ冷凍庫に常備しておきたい一品です」
さらに、究極の手軽さを追求した一品を井手隊長が紹介してくれた。
「熊本の超人気店、天外天 豚骨ラーメン(セブン-イレブン)です。ふたを少し開けてそのままレンジでチンすれば完成という最強お手軽シリーズ。店舗そのままの再現は厳しい中、豚骨の熟成臭と中毒性に振り切って作った一品。
豚骨の香りがとにかく良く、現地に行った気分になれます。お店の特徴でもあるニンニクはロースト加減と粒の大きさへの徹底的なこだわりが感じられます」
同じく、器いらずシリーズのオススメを教えてくれたのは、いぬきち氏。
「京都のこってりラーメンの名店、天下一品監修 ラーメン(ローソン)。調理工程は外袋から出したら、容器の内袋を取ってそのままレンジで温めるだけで、洗い物も出ません。食べてみると、とろみがあって、鶏のうまみも感じられますが、店舗よりちょっと弱い印象です。
ただ、何も知らないで出されると、天下一品の店舗のラーメンとして疑うことはないレベル。
あと、難を言うとすれば、前出の天外天のラーメンもそうなのですが、容器などのコストもあり、500円近くと少し割高感が出ることや、容器が丼仕様なので冷凍庫の中で幅を取ってしまい、常備しておくにはちょっと厳しいかもしれません」
■つけ麺の名店が監修した一品
続いては、今注目のジャンル〝つけ麺〟を紹介。井手隊長のオススメはこちら。
「埼玉県川越市のつけ麺の横綱店、頑者監修 濃厚魚介つけ麺(ファミリーマート)。麺と具の入った袋をレンチンして、具だけをスープのほうに移し、麺はざるにあけて水でしめる。液体たれをあらかじめ湯煎しておき、100ミリリットルのお湯で割ってスープを作る。若干手間はかかりますが、本格的な味が楽しめます。
麺は300gでもちもち感はピカイチ。チャーシューも大判で素晴らしい。タレは甘めで、別添の特製魚粉パックをふりかけると、香りとうまみがブーストされます。ただ、スープがお湯で希釈ということもあって、豚骨の濃厚感、粘度が低めでそこだけが惜しい。いずれにせよ、これで300円台はぶっ飛ぶコスパです」
続けて、いぬきち氏が紹介してくれたのはコチラ。
「東京の名店、麺屋一燈 濃厚魚介つけ麺(ローソン)。調理工程としては、前出の頑者のものとほぼ同じで、袋に入った麺をそのまま耐熱皿にのせてレンジで温めている間に液体たれをお湯で温めておく。温めた麺はざるに入れて水で洗って、液体たれと鶏パウダーをお湯100ミリリットルを加えて割ってスープを作るといった形です。
麺はコシもあっておいしいですが、スープはお湯で溶くとどうしても緩くなってしまって、麺との絡みも悪くなるのが難点です。ただ、具材の鶏の肉団子はゆず皮が入っているなどこだわりが感じられ、今回の有名店監修冷凍麺の具の中ではトップのおいしさでした」
そして、つけ麺で井手隊長、いぬきち氏共に声をそろえて賛辞を贈ったのが、中華蕎麦とみ田監修 金の濃厚つけめん(セブン-イレブン)。
「麺はレンジでチン。ざるを用意する必要はなく、袋のまま水でしめられるのが画期的。スープは袋ごと湯煎し、そのまま器へ。希釈なしのストレートタイプなのはポイントが高いです。全粒粉の入った黒めの麺は小麦の香りがピカイチ。
そしてさば節、煮干し、宗田ガツオがしっかり利いた濃厚豚骨魚介スープはまさにお店クオリティ。具材が入っていないので、煮卵やネギを加えてしっかり食べたい一品です」(井手隊長)
「価格がほかの冷凍麺よりも若干高めですが、このクオリティならなんら問題ないと思います。何より麺が大盛の400g。今回具材を何も入れずに食べましたが、それでもおなかをしっかりと満たしてくれるボリュームでした。水切りできる袋やスープの湯煎などアイデアとこだわりが詰まった商品です」(いぬきち氏)
■コンビニオリジナルの名店監修商品も!
次は、コンビニでしか食べられないオリジナルの監修商品をご紹介。いぬきち氏が紹介してくれたのは、蒙古タンメン中本 汁なし麻辛麺(セブン-イレブン)。
「辛さの中にあるうまみとクセになる味わいは、蒙古タンメン中本そのものだと思います。平打ち麺ももちもちとした食感で旨辛麻婆ダレが絡んで最後まで箸が止まらなくなる一品です。
袋に入った麺をそのまま耐熱皿にのせて、レンジで温めるといったシンプルな調理工程で、あっという間にできるのもポイント高し。321円といった価格に対してのクオリティも申し分ありません。ただ、別添の花椒入り旨辛辣油は相当辛いので、苦手な方や子供は食べるときに注意が必要です」
井手隊長が続けてオススメを語る。
「京都にある濃厚豚骨ラーメンの有名店監修の二郎系オリジナルアレンジ、無鉄砲 豚そば(ローソン)です。麺は190g。麺の上にモヤシ、チャーシュー、キャベツ、ネギがのっていてそのままレンチンできます。スープは湯煎した後、250ミリリットルのお湯で割る。
特筆すべきは、冷凍とは思えない野菜のリアル感。クタクタな仕上がりでスープによくなじみます。極太ちぢれ麺がニンニクのバッチリ利いた豚骨スープによく絡み、量も含めてさすがの満足度。モヤシを別に買ってきて、増量して食べてもいいでしょう」
最後に、中華でなく〝洋〟の冷凍麺を紹介してくれたのは山口氏。
「アルポルト監修 金のトマトチーズパスタ(セブン-イレブン)がオススメです。麺はもちもちで、具材のベーコンも大きく分厚いので食べ応えがあり、口に入れると香ばしさが広がって、いいアクセントになります。
ソースがたっぷり入っているので、パスタにゆったりと絡めて食べても、なお容器に残るのがうれしい。チーズとバジルソースが溶け合った絶品トマトソースはパンにつけて食べ切りましょう。
どのパンでもおいしいですが、イチオシはセブンプレミアムの『小さなくるみパン』。小ぶりで、表面がパリッとするくらいトーストすると生地が〝むちっ〟と引き締まり、トマトソースをしっかりディップできる上に、クルミの風味と食感が際立ち、ソースとよく合います」
手軽に作れて、おいしく、コスパ抜群。これは食べない手はなさそうだ。今後の進化にも要注目!