2026年に15番目の指定野菜となることが決まったブロッコリー。そもそも指定野菜って何?という疑問から、ブロッコリーの豆知識、そしておいしい食べ方レシピまで、ブロッコリーを大特集しちゃいます!
■ブロッコリーの知識をもう一度おさらい
2026年にブロッコリーが15番目の指定野菜に仲間入りすることが決定。新たな指定は1974年のジャガイモ以来、実に52年ぶりだそうだ! そこで、いまあらためてブロッコリーの豆知識やすごさについて学び、おいしく食べられるレシピも教えてもらおう。
ブロッコリーの達人として語ってくれたのは、年間200万株ものブロッコリーを出荷し、『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(KADOKAWA)やSNSでブロッコリー情報を発信する安井ファームの広報・土田龍之介氏。
ブロッコリーの話の前にそもそもですが、指定野菜ってなんでしょうか?
「国が定める、消費量が多く、国民生活に欠かせない重要な野菜のことですね。価格が安くなったときに、次の年度も継続して栽培できるよう、指定産地の農家さんに補助金が支払われます。今回ブロッコリーが指定野菜に認定されたポイントとしては、需要が高まったというところ。なんと、過去10年で消費量が3割アップしているようです。健康志向の高まりやコロナ禍の巣ごもり需要により、料理を始める方が増えたことが数字につながったのでしょう。自分たちが一生懸命生産し、消費拡大のための努力もしてきたものが認められたことに、みんな喜んでいます」
指定野菜になることによって、われわれ消費者にもメリットはありますか?
「供給が安定することにより、品質の高いブロッコリーがお店に並ぶようになります。ブロッコリーのグレードが今までより上がるイメージです。指定野菜になったおかげで農家も安心して栽培でき、常に新しいブロッコリーが作られるので、新鮮なブロッコリーを手にしやすくなります」
では、ブロッコリーを食べるメリットは?
「一番は栄養豊富な点。ビタミンCにビタミンB2、緑黄色野菜なのでベータカロテンや食物繊維も豊富です。レンジで加熱したブロッコリーを3分の1株(約70g)ほど食べれば、ビタミンCにおける成人の1日当たりの推奨摂取量をクリアできます」
よく筋トレをする人に人気と聞きますが、それはなぜでしょう?
「低糖質で低脂質なのにタンパク質を含んでいるからです。レンジ加熱したブロッコリー100g当たり5.7gのタンパク質が含まれます(参考までに。卵1個のタンパク質は7.3g)」
上手なブロッコリーの選び方は?
「花蕾(からい)と呼ばれるつぼみ同士が、隙間なくぎゅっと並んでいるかどうか。そして、つぼみが黄色くなっていないか、というところを見てもらえたらオッケーです。劣化が進む過程で緑色の色素が抜けてしまうので、新鮮じゃないブロッコリーは黄色くなってしまいます」
では、実際に調理法を。大木のような状態からうまく小さな房に分ける方法ってありますか?
「まず洗い方ですが、水を張ったボウルに花蕾を下にして入れて、茎を揺するようにして洗うといいでしょう。もちろん流水でサッと洗い流してもオッケー。
そして、小さい房への分け方ですが、大きなかたまりからカットした小房の根元から包丁で切れ込みを入れ、手で割くようにすると、まな板の上がつぼみのつぶつぶだらけになりません。つぼみ側から無理やり包丁を入れるとつぼみがバラバラになってしまうので注意してください」
では、加熱方法は?
「レンジだと、加熱できるポリ袋に入れて袋の口をふわっとねじり、耐熱皿にのせて、1株程度の量で約2分30秒(600W)。また、ゆで以外には蒸すという方法もあります。ブロッコリーと水100ml、塩ひとつまみをフライパンで加熱し、お湯がふつふつし始めたらフタをして2分半でオッケーです」
レンジのほうが、栄養が逃げなくてよい?
「水を使うと水溶性のビタミンが流れてしまうので、水をなるべく使わないで調理するほうがいいのですが、レンジだと加熱ムラがあったり、青臭さが強調される感じが苦手という方もいるので、料理によって使い分けていただくのがよいと思います」
「最適保管温度が0℃、湿度が95%以上なので、それに近づけるため、冷蔵庫で保存する場合はポリ袋に入れてチルド室で保管するのが望ましいです。野菜室だとちょっと温度が高い場合があります。冷凍する場合は金属製のバットにのせてラップをかけ、冷凍庫に入れてください。金属製バットがない場合はアルミホイルでも大丈夫です。賞味期限は冷蔵だと2週間、冷凍で1ヵ月ほどです」
食べられない部分は? 生でも食べられる?
「生でも食べられます。アメリカなど海外ではブロッコリーが生野菜として出てきます。そして、野菜売り場で売っている部分はすべて食べられます。茎の部分も細かく刻んだり、ピーラーで削って食べると、意外と甘みがあっておいしいんですよ。枝の部分はきんぴら風にすると歯応ええがいいですし、葉は味噌汁に入れるといいでしょう。まさに捨てるところなしです」
■ブロッコリーをおいしく食べよう!
さて、ブロッコリーに関する知識を詰め込んだところで、次はブロッコリーをおいしく食べられるレシピを。まずは、ブロッコリーに合うドレッシングやソースが知りたい! というわけで、土田氏に聞いてみた。
「オッケーブロッコリーソースと呼ばれている、マヨネーズと焼き肉のたれを1対1で混ぜたものがオススメ。簡単でお子さまにも大人気です。
もうひとつ、無限ディップソースもオススメ。マヨネーズとヨーグルトを1対1で混ぜて、塩コショウで味を調えるだけ。ソース単体で食べてもピンとこないかもしれませんが、ブロッコリーの甘みが加わることでドンピシャにハマります」
実際に無限ディップソースを食べてみたところ、クリームチーズのような洋風の味がして非常に美味!
土田氏が続ける。
「捨ててしまいがちな茎もおいしく食べられます。ピーラーで薄くむいて、ポン酢をかけてかつお節をのせれば、ブロッコリー茎のポン酢サラダの完成です。
おやつとしてオススメしたいのが、ブロッコリーアメリカンドッグ。ホットケーキミックスをブロッコリーにからませて揚げるだけです」
続いて、超簡単かつ「ちょっとブロッコリーの青臭さが苦手」という人でも食べられそうなアレンジレシピを考えてくれたのは、本誌連載『激ウマ!!バカレシピ研究所』でおなじみ、B級フード研究家の野島慎一郎氏。
「麻婆豆腐の素で、豆腐の代わりにブロッコリーで作る麻婆ブロッコリーはオススメです。麻婆豆腐のもとは本格的な辛さのものほどブロッコリーに合いますよ。
さらに市販のペペロンチーノソースをかけるだけでアヒージョ風になり、これも超簡単で鉄板のおいしさ!
そして、つまみとしてオススメしたいのが、岩下の新生姜の残り汁漬け。爽やかなピクルス風になります。ちなみに、岩下食品から『岩下漬けの素』という調味液のみも販売されていますので、こちらを使ってもいいでしょう」