西村まさゆきにしむら・まさゆき
鳥取県出身、東京都在住。めずらしい乗り物に乗ったり、地図の気になる場所に行ったり、辞書を集めたりしている。著書に『ぬる絵地図』(エムディエヌコーポレーション)、『押す図鑑 ボタン』(小学館)、『ふしぎな県境』(中公新書)、『そうだったのか!国の名前由来ずかん』(ほるぷ出版)など。
「美容男子」なども流行し、年齢に限らず男も肌が注視されるこの時代。しかも、夏は肌にとって地獄の季節だという......とはいえ、肌なんか気にしたことない男はどうすりゃいいの!? そこで、アラフィフからスキンケアにハマったというライター・伊藤聡さんに、夏の男のスキンケア方法について聞いてみた!
――肌トラブルは、冬よりも夏のほうが深刻とのことですが、これはやはり紫外線による影響が強いということですか。
伊藤 夏の強い紫外線を浴びてしまうと日焼けするわけですが、これって肌が軽くやけどしているみたいなもので、炎症なんですよ。そういったものが積み重なってシミ・シワ・たるみの原因になります。
――日焼け止めは、塗った後にベタベタするのがちょっと気になるんですよね。
伊藤 日焼け止めも、トロッとしたミルク状のものから、ほぼ水みたいなサラサラなもの、さらに霧状のスプレーになっているものもあります。好みに合ったタイプを選んで使うといいと思いますよ。
伊藤 これは、紫外線を浴びてから日焼けを起こすまでの時間を何倍に伸ばせるかの指標です。一般的に約20分ぐらいで日焼けの症状が出るといわれていて、SPF40だと、20分×40で、13時間ぐらい伸ばせると。
この数値は50が最高値で、それ以上は50+と表記されるんです。ただ40ぐらいで日照時間より長くなるわけですから、現在市販のものであればどれを使っても大丈夫だと思います。
――紫外線以外に肌トラブルの原因はありますか?
伊藤 紫外線以外では、男性ならひげそり時のカミソリ負けも多いですが、何より乾燥ですね。結局、スキンケアで一番大事なのは保湿なんです。夏は日差しや汗の蒸発、冷房などで乾燥しやすいので特に重要です。
基本的な保湿方法は、洗顔時に洗顔料(①)で顔を洗って、その後に化粧水(②)と乳液(③)で保湿するのが基本です。まず、洗顔料でしっかり汚れを落として、保湿成分が浸透する土台を整えます。その後に化粧水で保湿して、乳液でそれをキープするイメージです。
シミ・シワ・たるみが気になる人は、ここに美容液(★)を足しましょう。使うタイミングは化粧水(②)と乳液(③)の間です。
――なるほど! それぞれオススメの商品はありますか?
伊藤 洗顔料のオススメは、「カルテHD」です。ポンプ式で使いやすく、泡のまま出てくるので泡立てる必要もありません。柔らかく摩擦の少ない泡なので、肌に優しく、時間のない朝にも向いています。あと、洗顔はあまり顔をこすらないのが大事です。
――保湿の要となる化粧水はどうでしょう?
伊藤 ロート製薬の「極潤」です。化粧水は「美白効果」とか「肌荒れ対策」とか機能をどんどん盛っていく傾向がありますが、これは純粋に「水分を補充する」という化粧水の基本性能に特化したもの。お値段もリーズナブルで、初心者にオススメですよ。
伊藤 「夏の肌トラブル」というテーマなら、紫外線対策としてビタミンC誘導体が入っているものがいいですね。オススメはロート製薬の「メラノCC」。シミ対策にものすごく効果があって、人気です。
――潤いをキープする乳液はどうでしょう?
伊藤 男性向けにオススメしたいのは、資生堂の「アクアレーベル」です。ひげそり後のあのヒリヒリした肌荒れや炎症を鎮めてくれます。保湿効果に加えて美白効果もありつつ、お値段も安めです。
それから、日焼け止めと乳液が合体した、無印良品の「薬用ブライトニングUV乳液」もすごい人気です。日焼け止めをしつつ、潤いもキープできちゃいます。ポンプ式で使いやすく、朝の洗顔後にはこれをつけて出かけるのがオススメですよ。
――これまでスキンケアには無頓着でしたが、いろんな商品を探して試せる、趣味っぽい楽しさがありそうです。
伊藤 そうなんですよね。スキンケアは「見た目が爽やかになって営業成績が上がる」とか、「女性にモテる」みたいな目標だと、あまり続かないと思います。
それはスキンケアを"仕方なく"やっているから。でも、いろんなアイテムをそろえて自分好みの"デッキ"(組み合わせ)をつくっていくような、趣味的な楽しさを大事にできれば、無理せず長く続けられると思います。
「男のくせにスキンケア!?」という固定観念は根強いですが、そもそも肌の健康に男も女も関係ありません。また、女性の大半はなんらかのスキンケアをしているので、謙虚に聞けばいろいろと教えてくれたりしますよ。
夏の肌トラブル対策としても、新しい楽しみと交流を生む趣味としても、スキンケアを始めてみてはいかがでしょうか。
●伊藤聡(So ITO)
ライター。会社員として働きながら、執筆活動を行なう。得意なジャンルは映画評、書評、美容。雑誌『Pen』、Web『美的HEN』などの媒体で美容に関するコーナーを連載中。アラフィフでスキンケアにハマり、著書『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』(平凡社)にその体験をまとめている。noteでブログも更新中
鳥取県出身、東京都在住。めずらしい乗り物に乗ったり、地図の気になる場所に行ったり、辞書を集めたりしている。著書に『ぬる絵地図』(エムディエヌコーポレーション)、『押す図鑑 ボタン』(小学館)、『ふしぎな県境』(中公新書)、『そうだったのか!国の名前由来ずかん』(ほるぷ出版)など。