ラーメンが出来上がった状態で入っている画期的な商品! ラーメンが出来上がった状態で入っている画期的な商品!

今年のグルメ界のキーワードは「懐かしグルメの復刻」。令和スタイルにアップデートされた注目グルメを紹介していこう!

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テロクノロジーが急速に進歩する一方で、なぜかレトロな懐かしさを求める不思議な時代。これは今年のグルメトレンドにも通じるところがあるようだ! 食のスペシャリストたちに話を聞いてみた。

■タイパフードやコンビニグルメの事情

流通小売・サービス業界の経営コンサルタント・岩崎剛幸氏がヒットすると予測する商品はこちら。

「冷凍ラーメン自販機ヌードルツアーズを展開する丸山製麺のらーめん缶『醤油らーめん』です。なんと缶の中にラーメンが出来上がった状態で入っているという画期的な商品。

独自開発された小麦麺が使用されているため、スープの中に浸っているにもかかわらず、伸びづらい。常温でも食べられるため、缶を開けた瞬間にラーメンをすすり始めることができる、タイパ(タイムパフォーマンス)重視時代の究極商品です。味も昔ながらの醤油ラーメンで美味。

実は2000年代にも、こんにゃく麺を使用したラーメンの缶詰が販売され話題となりましたが、らーめん缶は小麦麺のため味わいが段違い。大きく進化しています」

らーめん缶は今後、飲料自販機での「あたたかい」での販売や防災備蓄アイテムとして小売店での販売を見込んでいる。伸びづらい麺の開発に苦労したという らーめん缶は今後、飲料自販機での「あたたかい」での販売や防災備蓄アイテムとして小売店での販売を見込んでいる。伸びづらい麺の開発に苦労したという

まだ見たことがないけど、どこで買えるのでしょう?

「当初は通販で販売していましたが、昨年12月下旬からは全国の飲料自販機やスーパーで販売開始されました。これは忙しいビジネスパーソンをはじめ、多くのラーメン好きに重宝されること間違いなし。ちなみに、約3年間保存が可能なので、非常食として備蓄しておくのもオススメです」

続いては、コンビニグルメについて。今年は〝コンビニの復刻グルメ〟に注目すべきと語るのは、年間1500種類以上のコンビニ商品を食べるコンビニグルメ研究家のいぬきち氏。

「昨年はコンビニ各社が過去の人気商品を復刻させるケースが目立ちました。例えばファミリーマートからは2016年に発売されたファミチキ初のフレーバー商品『ファミチキ(甘辛味)』が再登場。ローソンからは2021年に終売を迎えた大ヒット商品『悪魔のおにぎり』が復活。

セブン-イレブンは1983年の大ヒット商品のリメイク版『じゃがまるくん(ポテト&ミート)』を販売し、昭和世代には懐かしく、平成・令和世代には新しいといったその見た目と味わいがSNSで大きな話題になりました」

そして、この流れが今年はさらに加速すると予測!

「過去のヒット商品は自社に製造ノウハウがありコストを抑えられる上、当時のファンが反応するためSNSでも話題になりやすい。今年も原材料費の高騰が続き、商品開発にさまざまな制約が発生すると予想される中で、コンビニにとって非常に心強い存在となるでしょう」

では、今年はどんな商品が復刻しそう?

「ファミリーマートには、ファミチキの過去のフレーバーのさらなる復活に期待。『塩レモン味』(2018年)などの人気フレーバーやファミチキ史上最も辛いといわれた『レッドチリ味』(2019年)などの復刻もありえるかもしれません。

セブン-イレブンは昨年、『クイニーアマン』(1998年)や『チョコバナナロール』(2003年)などがヒットしたので、今後も過去の人気パンが復刻することは間違いなさそう。

ローソンは『悪魔のおにぎり』が『やみつきフェア』の中の一商品として復活したので、今後もフェアに合わせた過去のヒット商品の登場に注目です。もちろん技術は進化していますので、味もパワーアップしています。気になったらぜひ手に取ってみてください」

セブン-イレブンは菓子パンなどで復刻メニューが増えている セブン-イレブンは菓子パンなどで復刻メニューが増えている

■大阪・関西万博を機に「和民」が完全復活!?

飲みのシーンでは〝総合居酒屋〟が盛り上がると予測するのは飲食トレンドリサーチャーの山口えりこ氏。

「この数年間は魚、肉、中華などひとつのジャンルに特化した〝専門居酒屋〟が支持されていましたが、流行が一周回り、今年からは幅広いジャンルのメニューを一度に楽しめる『金の蔵』や『魚民』などの〝総合居酒屋〟に人気が戻ってきそうです。

アフターコロナは会社の飲み会も復活傾向にあり、大勢で集まるシーンでも食の趣味を問わず誰もが楽しめる〝総合力〟が重視されると予想します。

さらに訪日外国人にとっても、すし、お好み焼き、ラーメンなど日本を代表する食文化を安く一度で体験できるという点は大きな魅力。大阪・関西万博でさらに増加する外国人観光客からの需要も〝総合居酒屋〟人気を後押ししそうです」

そんな中、赤い看板でおなじみだった人気総合居酒屋、「居食屋 和民」が復活する可能性も浮上。

「唐揚げ専門居酒屋『ミライザカ』や『焼肉の和民』など専門業態への転換を進めていたワタミグループですが、2023年に東京・大井町にオープンした『和民のこだわりのれん街』(ワタミグループの7業態が集結)で『居食屋 和民』が復活。懐かしの名物メニューが当時の味で再現されています。

『さつまいも餅』や『納豆オムレツ』など、ひと口食べたら思わず『懐かしい!』と言いたくなるラインナップが充実。平成レトロブームの波とインバウンドによる後押しで『居食屋 和民』の完全復活もありえるかもしれません」

東京・大井町にある和民のこだわりのれん街。7つの専門業態がひとつになった新しい形の総合居酒屋。さつまいも餅や納豆オムレツなど、「居食屋 和民」時代の復刻メニューがそろう 東京・大井町にある和民のこだわりのれん街。7つの専門業態がひとつになった新しい形の総合居酒屋。さつまいも餅や納豆オムレツなど、「居食屋 和民」時代の復刻メニューがそろう

というわけで、記者が実際に「和民のこだわりのれん街」に行ってみた!

記者「土曜日の19時で客の入りは8割程度。思ったよりにぎわっています! 客層は40代、50代の男性がメインですが、若者グループも見られますね。もちろん、インバウンド客向けにタッチパネル式のメニューも英語対応しています」

そして、懐かしのメニューさつまいも餅をひと口。

記者「うわ! 20歳になりたて、成人式の頃に食った思い出の甘辛味! あの頃はファミレスのような店内でしたが、今は流行の横丁スタイルの店内で食べているという、なんとも言えないエモさも味わえて、これは40代以上にはオススメの体験かもしれません」

■キャンディ×ビスケット!? 〝AI×お菓子〟の可能性

最後にスイーツのトレンドも調査。毎日10種類以上のお菓子を食べ続けて勉強する、お菓子勉強家の松林千宏氏は〝AI×お菓子〟の可能性に注目する。

「NTT DXパートナーが提供する生成AIを活用した新商品開発プラットフォーム『架空商品モール』から、斬新なヒット菓子が誕生しそうです。

『架空商品モール』は消費者の誰もが参加可能で、お題に応えるだけで商品概要テキストと画像付きの商品アイデアが生成できるサービス。

半日で架空商品を生み出すことができ、SNSを通してどれだけの賛同が得られるかも可視化されるため、商品化につなげやすい。メーカーからの注目度も高く、すでにロッテや森永製菓などのお菓子メーカーも参加中です」

ロッテはAIを使用して架空商品モールでお菓子に関する新商品アイデアを募集(6日23時59分まで)。試しに純喫茶風のレトロでかわいいパッケージのお菓子が欲しいとAIに依頼し、出てきたのがこちらのソフトキャンディだ(このAI画像は実際に商品化されるわけではありません。また、進行中のプロジェクトとも関係ありません) ロッテはAIを使用して架空商品モールでお菓子に関する新商品アイデアを募集(6日23時59分まで)。試しに純喫茶風のレトロでかわいいパッケージのお菓子が欲しいとAIに依頼し、出てきたのがこちらのソフトキャンディだ(このAI画像は実際に商品化されるわけではありません。また、進行中のプロジェクトとも関係ありません)

ということで、ロッテの広報担当者にも聞いてみると。

「弊社では先日、社員と消費者数十人を集めて『架空商品モール』を活用するワークショップを行ないました。お菓子に関する〝あるある〟や日頃から感じている課題などを洗い出し、生成AIに商品アイデアを出してもらうというものです。

こういった取り組みから実際に新商品が開発される可能性を十分に感じており、例えばキャンディ×ビスケットのような従来のカテゴリの枠を飛び越えた商品など、新たな価値の提案を世の中に出していけたらと考えております」

復刻ブームに乗り、昔ながらのお菓子もAIによってアップデートされるかも!?