実は側面の「6P」の文字の上に衝撃の振り仮名が 実は側面の「6P」の文字の上に衝撃の振り仮名が

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、市川紗椰が愛する「6Pチーズ」について語る。

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今年イチの衝撃的な事実が判明しました。雪印メグミルクの「6Pチーズ」ってありますよね? 誰もがスーパーで見たことのある、丸い箱にプロセスチーズが入っている定番のあれ。チーズは円に配置されており、6等分、つまり6ピースに切れているから6Pチーズ。そう、ロクピースのチーズだから、ロクピーチーズ。シンプル。と、思いますよね? なんと、「6Pチーズ」の正確な名前は、「ロッピーチーズ」でした。ロッピー。なんだそりゃ。

しかも驚くことに、箱にしっかりと「ロッピー」の文字が書いてあります。雪印メグミルクの商品ページを確認しましたが、そこには事あるごとに「ロッピー」「ロッピー」と。なんなら「焼きロッピーをつくロッピー♪」「温めると『とろッピ~』になるよ」とか、ロッピー呼びフル活用。

まあ、とっくに知っていた人が多いんでしょうけど(笑)。私のこの大げさな驚きの理由のひとつは、6Pチーズのことが好きだと自任していたからかもしれません。「近くにいたくせにずっと気づかなくてごめん」的な。実際に、かなりの確率で常備しています。わが家の冷蔵庫には常に6、7種類ほどのチーズが入っていますが、クセ強めのフレッシュチーズや、フランスから取り寄せたマニアックなナチュラルチーズの隣に、ロッピーの箱がある安心感を大事にしています。

賞味期限も長く、アレンジの対応力が高い。そのまま食べてもいいし、何に合わせてもいい。一番よくやるのは、さんしょうがけロッピーです。粉さんしょうをしっかりまぶすだけ。ロッピーのシンプルなまろやかさと、さんしょうの爽やかなパンチの相性が最高です。

さらに手を加えてもおいしいです。まずはトロトロ系アレンジ。ロッピー本来のクリーミーさをより感じたいときには、優しく火を入れてやわらかくするとたまりません。お気に入りは、フライパンやホットプレートで少し焼いてからの、わさび醤油がけロッピー。少しだけ中がトロンとしたタイミングでのりで包むと最高です。

ベーコンで巻いてから焼くのもいいですね。ベーコンが少しカリッとしたら、黒こしょうやバルサミコ酢を少し垂らして。また、蜂蜜をかけてレンチン→ぐるぐるかき混ぜロッピーも高級デザートのようでオススメです。もう少し手間をかけるなら、マヨを塗ってからパン粉とハーブをまぶし、トースターで焼くオープン揚げロッピーも試してほしいです。

コクとうまみが強調されるカリカリ系ロッピーアレンジも捨て難いです。フライパンに押しつけてパリパリに焼いたり、薄切りにしてからレンジやトースターでチップスみたいにしたり。香りがいいし、おつまみとして最適。パリパリにしたロッピーに、さんしょうや七味をかけるのが私の定番です。

余談ですが、私はロッピーの箱の音が好き。6ピースそろってるときは音がしないけど、何ピースか減ってから持ち上げると、箱の中で残りピースがゴソッとズレる。横にズレる、ロッピーの乱れる音。この音の良さ、わかってくれる人いたらご連絡ください。ロッピーを食べながら、ロッピーの音を聞く会を開きましょう。

●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。プライベートでのあだ名は「やっぴー」。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

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