都心部で長期滞在の利用者を受け入れる「宝島24」(上)と、郊外の国道沿いに展開する「金太郎・花太郎」。居住性の良さや価格で競争!

都心部の店舗ではマンガ喫茶に代わる場所として、郊外の店舗では自宅で居場所のないお父さんたちの憩いの場として定着した個室ビデオ。そんな業界の2大勢力が「金太郎・花太郎グループ」「宝島24グループ」だ。

愛用歴13年。「人生で出した精●の4分の1は個室ビデオで発射」と豪語する風俗ライターのM氏が語る。

「個室ビデオのライバルといえば、以前はマンガ喫茶でした。なので、『個室ビデオは、天井までしっかり壁がありパーテーションで仕切るだけのマンガ喫茶よりプライバシーが保たれます』とか『鍵がかけられるので安心して眠れます』といった点をアピールしていました」

個室ビデオは風俗店の扱いのため、マンガ喫茶では許可されない“完全個室”と“部屋の施錠”が許される。ところが、マンガ喫茶との戦いが終息し、すみ分けが進むと今度は2大勢力間の戦いが勃発したのだ。ライターM氏が続ける。

「外から鍵をかけられるようにして、荷物を部屋に置いたまま外出可能にしたり、シャワールームの設置やオリジナルのオナホの開発など様々な点が改善され、客を奪うサービス合戦が始まりました」

そして、2008年頃に新たな動きがーー。

「『金太郎・花太郎グループ』は、郊外の国道沿いにある潰(つぶ)れたファミレスを改装し、駐車場つきの店舗を続々オープンさせました。これが、奥さんに隠れてトイレや寝室でヌイていたお父さんたちから支持され大盛況。関東だけでなく全国各地に店舗を広げます。

一方の『宝島24』グループは、コインランドリーの設置や、1週間から1ヵ月などのロングステイコースを設定。ウイークリーマンションに短期滞在する人を取り込むことに成功します」(M氏)

『宝島24』も郊外に出店攻勢

こうして郊外の客は『金太郎・花太郎』、都心でロングステイする客は『宝島24』と、うまくすみ分けができたかのように見えるが…。

「今、『宝島24』が郊外に出店攻勢をかけています。郊外の店舗は両者とも居住性の良い部屋なので、DVDのラインアップを充実させたり、料金の値下げで争うことになる」(M氏)

最後に、郊外の店で聞いた利用者の声を紹介しよう。

「ウチは子供がふたりいて、妻とはセックスレス。向こうから求めてきますが、彼女は心もカラダも母親という感じで勃(た)ちません。でも、スマホでエロ動画を見ると勃つので、たまにトイレでこっそりヌイていました。ウチの近くに個室ビデオができてからは、ここでヌイてます」

値下げ合戦はうれしいが、このようなユーザーもいるので、両者共倒れという事態は避けてほしいものだ。

(取材/井出尚志、渡辺雅史、高山 恵[リーゼント] 鈴木晴美)