プロ、素人問わず1万人以上の女性を面接してきたカンパニー松尾(左)、バクシーシ山下(右)両監督。AV35年史と女性の

日本にAVが誕生してから、まもなく35周年ーー。

社会現象を巻き起こした映画『テレクラキャノンボール2013』でおなじみの監督ふたりが、その歴史をプレイバックする連載企画『カンパニー松尾とバクシーシ山下のAV史講義1981-2016「なぜAV女優は憧れの職業になったのか?」』が週刊プレイボーイ本誌でスタート!

今回は、まずAV黎明期、80年代からひも解いていきたい――。

■AVより売れていた「地下ビデオ」

――まずはAV誕生前夜、80年代初頭の男たちは何に欲情してたのかっていうところから入れたらと。当時、おふたりはまだ中学生ですが。

松尾 TVの存在がデカいんじゃないですかね。僕の場合、最初にチ◯コ勃(た)ったのは『土曜ワイド劇場』の松尾嘉代さんの入浴シーン(笑)。でも、一番の衝撃は『ゴールデン洋画劇場』で放映された『青い体験』ですよ。これをテレビで見た15歳の松尾少年は完全にやられました。

――イタリア・エロスの傑作にして、筆下ろし映画の金字塔ですね。

松尾 もう、何度ヌイたんだって話ですよ! 僕が撮るAVに家庭教師モノが多かったり、わざと高い所に物を置いて女に取らせたり、飯を食いながら女性のパンツを脱がせたりしてしまうのは『青い体験』が師匠だからです。

山下 俺が鮮烈に覚えてるのは『11PM』ですね。常連出演者だった田中小実昌が番組の中で平然と女のコのオッパイ揉(も)んでて。「なんだ、このオッサンは!」って(笑)。

松尾 当時って、今では考えられないぐらいTVが攻めてましたからね。その後、81年に日本最初のAV『ビニ本の女・秘奥覗き』『OLワレメ白書・熟した秘園』が出るわけですけど。

――ご覧になりました?

松尾 いや、たぶんあれを見れた人ってかなり限られるんじゃないかなぁ?

山下 ビデオデッキも全然普及してない頃だったしね。

カンパニー松尾×バクシーシ山下の"AV史"白熱教室 ~80年代編【2】~ カンパニー松尾×バクシーシ山下の"AV史"白熱教室 ~80年代編【3】~

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――じゃあ、最初に見たAVって覚えてます?

松尾 中2の時かな、中部地方のディスカウントストアで売ってた、秘儀ナントカっていうドラマモノです。友達の兄貴が持ってて、ドヤ顔で見せられた(笑)。

山下 俺、実は地下ビデオが最初で。高2の時、『洗濯屋ケンちゃん』を。出回り始めたのが82年で、最終的に13万本が流通したって話もある。

――ちなみに、地下ビデオ第1号は79年に出た『星と虹の詩』だという説があるんですが、実はAVより誕生が早いんですね。

山下 当時、地下ビデオって年上なら誰かしら持ってる感じで、AVより普通に出回ってたかもしれない。

松尾 まあ、最初はそうだね。

●この続きは9月5日(土)配信予定。美少女AVの老舗メーカー「宇宙企画」の初期名作AVについて語ります。また、この連載と連動したイベントが開催決定! 詳細は以下をチェック!

カンパニー松尾×バクシーシ山下の"AV史"白熱教室 ~80年代編【2】~ カンパニー松尾×バクシーシ山下の"AV史"白熱教室 ~80年代編【3】~

(取材・文/黒羽幸宏 撮影/井上太郎 協力/ハマジム http://www.hamajim.com

イベント開催決定!! 週刊プレイボーイ連動企画『なぜAV女優は憧れの職業になったのか?』 「カンパニー松尾×バクシーシ山下 公開ナマトーク VOL.2」

【日程】 2015年10月26日(月曜日) 【時間】 開場18:30/開演19:30 【会場】 阿佐ヶ谷ロフトA 【出演】 カンパニー松尾、バクシーシ山下ほか、ゲストあり! 【料金】 前売2500円/当日3000円(共に飲食代別)

【問い合わせ】 阿佐ヶ谷ロフトA (03-5929-3445)

【イベント内容】 週刊プレイボーイで好評連載中『カンパニー松尾とバクシーシ山下のAV史講義1981-2016』の内容に沿い、その当時のAVをカンパニー松尾とバクシーシ山下がナマプレビューする大好評トークイベント第2弾!!

今回はオタクやギャル、テレクラ、エンコー、風俗など、時代の流行を取り込んだ企画もの全盛期である90年代中盤から00年代前半までを松尾&山下両監督が腕をふるったh.m.p作品群を中心に振り返ります。

●カンパニー松尾 1965年生まれ、愛知県出身。87年に童貞のままV&Rへ入社し、翌年に監督デビュー。代表作は『私を女優にして下さい』シリーズ。『劇場版テレクラキャノンボール2013』『劇場版 BiSキャノンボール2014』が社会現象的大ヒット

●バクシーシ山下 1967年生まれ、岡山県出身。大学在学中にAV業界へ。90年に各方面で物議を醸した『女犯』で監督デビュー。以降、社会派AV監督として熱い支持を受ける。『ボディコン労働者階級』ほか代表作多数。著書に『セックス障害者たち』(幻冬舎)など