東京都知事選について基本的なことをおさらいしよう。

立候補する条件は「日本国民」「年齢満30歳以上」。これだけだ。都民でなくても立候補できるため、全国から挑戦者が集まる。

岡山県で一級建築士事務所を開業する中川智晴氏もそう。もともと京都府知事選(3月20日告示、4月6日投票)出馬を検討していたが、急遽、都知事選出馬を決めたという。今回が初選挙だ。

中川氏は立候補とともに「トップガン政治 from Nakagawa」というA4用紙9枚の政策集を発表。中川氏が都知事に就任したという前提でのストーリー仕立てで、当選後に中川氏が米ニューヨークから都庁にファクスを送る場面からスタートしている。

都庁職員は中川氏が発した9つのミッションを素早く実行していくというものだ。

そんな中川氏に主要政策を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「どんぶり勘定政策です」

詳細は政策集を読むしかないが、「ミッションを成功させれば職員全員に年俸2000万円を支給し、失敗したら年俸マイナス2000万円にする」。また、東京都民全員に「毎日1時間の独学の勉強」を義務づけ、これを怠ると「強制的に預金を引き落とすなど、財産を没収します」という。

記者会見で「現在の主な収入源」を問われた中川氏は、

「いわゆる財テクです。あとはアプリケーションを売っています」

と回答。そして力強く続けた。

「京都府知事選にも出ます」

今後の動向にも注目したい。

(取材/畠山理仁)

■中川智晴(55歳、無所属) 一級建築士、元文部省職員。都知事選への立候補は今回が初。「トップガン政治 fromNakagawa」というマニフェストを掲げる。