ジャパンネット銀行、オリックス銀行、ソニー銀行、セブン銀行、住信SBIネット銀行、じぶん銀行など、2000年代に入ってから続々と誕生しているネット専業銀行(以下、ネット銀行)。
利用者を徐々に増やしつつあるが、メガバンクと比較した場合の長所はいったいどこにあるのか? ファイナンシャルプランナーの岩城みずほさんが解説する。
「入出金や振り込みの際の手数料の安さ、それから金利の高さを考えると、やはりお得なのはネット銀行ですね。特に数万円以下の少額を頻繁に出し入れしたり、家賃を毎月振り込んだりといった、財布代わりに使う銀行としては最適です」
たとえば、普段から利用する機会の多い出金手数料を比較してみよう。
代表的なメガバンクの場合、自行ATMなら8時45分~18時といった昼間の時間帯は無料、そして夜間や早朝が108円、深夜は216円の手数料がかかることが多い。
一方のネット銀行は、たとえばセブン銀行は7時~19時が無料、それ以外の時間帯が108円。ソニー銀行は、セブン銀行ATMを利用した場合は無料で、それ以外のATMを使うと月4回までは無料、以降1回108円となる。じぶん銀行も、月3回までは無料で、4回目以降が1回108円。
このように、時間帯ではなく「月○回までの出金は手数料無料」という料金体系になっていることが多いのが、ネット銀行の特長だ。また、入金に関してはほとんどが無料である。
振込み手数料に関しても同様で、自行宛てなら無料、他行宛てでも「月○回までは無料」というところが多い。
※ネット銀行の振込み手数料例 セブン銀行:自行54円、他行216円 ソニー銀行:自行無料、他行月1回まで無料(以降1回216円) 住信SBIネット銀行:自行無料、他行月3回まで無料(以降1回154円)
コンビニATMをよく利用する人はネット銀行がおトク
深夜にATMで現金を下ろすことの多い人や、家賃を銀行振込みにしている人は、ネット銀行なら月に数百円ほど節約できることになる。
いったいなぜ、ネット銀行はこうしたメリットを設けられるのか?
「ネット銀行とは、普通の銀行のように店舗を持たず、口座開設から各種手続きまでをネット上で行なう銀行のことです。店舗の家賃や人件費を大幅にカットできるため、手数料や金利を有利に設定できるのです」(岩城さん)
さらに利用できるATMの多さも強みだと岩城さんは言う。
「店舗を持たないネット銀行は、コンビニに設置されているATMと提携し、利用できるようにしているところがほとんどです。財布代わりという点を考えると、全国にあるコンビニで、24時間利用できるのは見逃せません。もちろん、三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行などの大手や地方銀行のキャッシュカードもコンビニで利用できますが、手数料が高くつく場合が多い。それがネット銀行なら無料の場合も。これは大きな魅力ですね」(岩城さん)
消費増税で苦しくなった家計、少しでも節約できるところはしたいというのが実感だろう。「お財布感覚」でネット銀行を利用するのもひとつの手だ。
(取材/井出尚志[リーゼント])
■週刊プレイボーイ18号「徹底比較!アラサー目線で選ぶ『ホントに使えるネット銀行』はこれだ!?」より