政治家たちのセコすぎるゴマかし行為が続々と発覚している。ついには大臣までもがワインやうちわを有権者に配ったことで辞任に追い込まれる始末だ。

そこで本誌は、ほかにもさまざまな違反行為が横行しているだろうと確信。調査を進めてみると、予想を超えるほどハードな接待&買収工作の実態が明らかになった。

最初に話をしてくれたのは、第1次安倍内閣時に農林水産大臣だった松岡利勝(としかつ)氏(故人)の政策秘書を務めていた池田和隆(かずたか)氏(47歳)。

「秘書はもう辞めていますし、松岡さんは故人ですが、お世話になった代議士を悪く言うような証言はできません。しかし、私が秘書をやっていた20年弱の間に目撃したことを“個人名抜き”でお話しすることならできます」

大臣クラスの政治家ともなれば、東京と地元にそれぞれ多数の秘書を抱えている。池田氏が務めた政策秘書とは、秘書のなかでもナンバーワンのポジション。現職の大物政治家たちがひっくり返るような事実もたくさん知っている人物なのだ。

彼が証言してくれた政界接待の実態は、ワインやうちわなど吹き飛んでしまうほどスケールの大きいものだった。

「国会議員が安定して選挙に勝ち続けるためには、選挙の際に票をまとめてくれたり、熱心なボランティアの選挙運動員を大量に集めてくれたり、具体的な行動で支援してくれる人たちをどれだけ多く抱えているかが非常に重要なのです。

そういった支援者たちが次の選挙でも協力してくれるよう、彼らのご機嫌を取るのは当然の流れです。だって仕事や家事を休んでまで無給で選挙運動を手伝ってくれた人たちに対して、当選したらほったらかしでは恩知らず扱いをされてしまう。そんな評判が立ってしまえば次回の当選など望めません。

問題はご機嫌取りの内容です。資金力のある政治家ともなれば、後援会の幹部とその家族をまとめて海外旅行に連れていったりする例もあります。飛行機をまるごと一機チャーターして、東京や大阪の国際空港まで行かずとも地元の空港から海外に直接飛ばしちゃいます。買収行為にならないように参加者からは格安の会費を徴収するのですが、お得感満点の内容で喜ばせるのです」

旅行以外でも様々な接待が

そんな大規模な接待、一体おいくら万円かかるのか?

「政治家は地元の空港に影響力を行使できるので着陸料を安くしてもらえるし、航空会社も旅行代理店も国土交通省から免許を受けている事業だから国会議員に気を使ってくれて安くしてもらえる。連れていく人数と行き先にもよりますが、だいたい300万から400万円くらいで済む感じでしょうか」(池田氏)

旅行以外ではどのような接待があるのだろう?

「都会の選挙区だとゴルフのプレー代って高いですよね? 高級なゴルフ場は3万円以上するし、高額な会員権を持つ人が同行しないとプレーもできない。そこで口利きのできるゴルフ場に頼んでプレー代を1万円とかにしてもらい、支援者たちからは会費を払ってもらってコンペを開催する。会費を取れば買収行為にはなりませんからね。

さらに政治家が口利きできる企業に頼んで、協賛してもらう形で高額な賞品を無償提供してもらうんです。例えば20万円くらいする大型テレビとか、そういうクラスの賞品を数社から出してもらい、コンペやビンゴ大会などを盛り上げるのです。

夏であれば屋形船を借り切って東京湾をクルーズさせたり、政治家によってやり方や規模はいろいろですね」(池田氏)

これは池田氏が現役だった第1次安倍内閣時代以前の中選挙区制時代から小選挙区制導入初期に行なわれていた例で、公職選挙法や政治資金規正法が厳しくなるにつれ、少しずつ派手な接待から地味な接待にシフトしているようだが、依然として接待行為は盛んに行なわれているようだ。

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(取材/菅沼慶)

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