YouTubeには(あからさまに勧誘をうたってはいないが)多くのYPJ美女たちの動画がアップされている。例えば、この動画も民族衣装を着て歌う女たちと戦闘服を着た女たちが交互に登場する優れた演出だ

美女たちが迷彩戦闘服に身を固め、カラシニコフ自動小銃を持ち訓練する。IS(イスラム国)と激しい戦闘を繰り広げるクルド人武装組織の中の女性部隊「YPJ」に所属する兵士たちだ。

多くはクルド人難民で総兵力は1万人ともいわれ、10代の可憐(かれん)な少女からベテラン戦士までいる。あえてベタな表現をすれば「美しすぎる兵士たち」である。

You Tubeには彼女らの動画が続々とアップされている。ISの義勇兵募集が体育会系男子風なのに対し、こちらは男女共学サークル風な作り。ともに戦う男の義勇兵を世界中からリクルートするための映像なのは明らかだ。

各地でISと戦い、今や一部から英雄視さえされるYPJだが、そのバックは日本の公安調査庁も国際テロ組織に指定するPKKである。

アフガンに2度出撃した元フランス外人部隊スナイパー、反町伍長はこう語る。

「外人部隊も男ばかりでしたし、彼女らを見て“よい職場”と思う兵士もいるでしょうね。応援する男、参戦してしまう欧米人の男性もすでに出ているし、今後もさらに増えるでしょう」

ISの男たちは「女に殺されたら天国に行けない」と考えているといわれる。すなわち、IS兵を確実に地獄に送り込むのがこの美人兵士たちなのだ。

「しかし女性が最前線に投入されるのも、こうしてプロパガンダに利用されるのも、あまりに悲しいですね…」(反町伍長)

(取材・文/小峯隆生)