「V-22オスプレイ」は今年度に陸上自衛隊への5機の導入が決まっており、18年度までに合計17機が配備される予定 「V-22オスプレイ」は今年度に陸上自衛隊への5機の導入が決まっており、18年度までに合計17機が配備される予定

“専守防衛”が基本だった自衛隊の装備だが、任務の拡大に伴って必要な機材も変わってくる。

IS(=イスラム国)のようなテロ集団を想定した戦いに欠かせないのは、どのような武器や装備なのか?

■欲しいのは、世界スタンダード

自衛隊が海外に送り込まれる可能性が高まる中、どのような装備が求められるのか。

「米軍でさえもイラク、アフガニスタンで待ち伏せ攻撃やIED(即席爆発装置)に悩まされ、装備面の変更を余儀なくされました。自衛隊にも現実の対テロ戦のノウハウが必要です」(軍事カメラマン・笹川英夫氏)

もはや対仮想敵国ではなく、対テロの実戦で使える装備が必須なのだ。『SATマガジン』編集長の浅香昌宏氏もこう話す。

「“世界スタンダードの兵器”に強みがあります。自衛隊の5・56mm89式小銃などは、弱装弾で鉄芯が入っていないため貫通力が弱い。敵は7・62mmのAKが標準ですから、こちらもAKか、それ以上のものを持たないとやられてしまう。海外に展開するならば国産よりも外国製の武器のほうが信用できます」

これからは専守防衛の枠にとどまらない、高性能の装備を調達せざるをえないというわけだ。

【まずは自衛隊の装備をチェック!】

●AH-64Dアパッチ・ロングボウ戦闘ヘリコプター 陸自が2005年から導入を開始したヘリ。メインローターの上の円盤状レーダーは、同時に100を超える目標を探知する能力がある。空対空ミサイル「スティンガー」や、対地火力として70mmロケット弾、「ヘルファイア」ミサイル、30mm機関砲を持つ。

●10式戦車 対ゲリラ戦闘において戦車が有効であることは、イラクやアフガニスタンでの経験から明らかになっている。特に自衛隊最新の10式戦車は対ゲリラ戦闘も視野に入れて設計されたといわれ、ゲリラが多用するRPG-7の攻撃にも耐えることができる。ISの戦闘員を蹴散らすには欠かせない装備だ。

●M24対人狙撃銃 口径7.62mmのボルトアクション式ライフル。800m先の敵まで正確な狙撃が可能で、米陸軍をはじめとする多くの軍隊や警察で狙撃銃として採用。その狙撃システムの正確さは、実戦でも証明されている。スコープは10倍を使用。02年から陸自も調達を開始した。

さらに自衛隊の装備をチェック!

●カールグスタフ84mm無反動砲 長さ113cm、重量16.1kgとコンパクトなため携行に適した無反動砲で、対戦車や地域目標の制圧に使用する。1分間に4、5発を発射可能。もとはスウェーデン製のベストセラー兵器だが、1984年から日本国内でもライセンス生産されている。

●96式装輪装甲車 96式40mm自動擲弾銃(てきだんじゅう)、または12.7mm重機関銃を装備し、不整地の戦場でも10名までの人員を輸送することが可能。ただし、国外で使用するには国際貢献仕様に増加装甲されたⅡ型でなければならない。重量は約14.5tある。

●対物狙撃銃 口径12.7mm、重機関銃用の弾を狙撃用に転用した大口径狙撃ライフル。射程1、2kmの狙撃、軽装甲車両の破壊や地雷、IEDを遠距離から破壊する目的にも使用される。2012年には豪軍狙撃手が、2815mでの長距離狙撃に成功したことも。

●ひゅうが型ヘリコプター護衛艦 通常は哨戒ヘリ3機と掃海・輸送ヘリ1機を格納して搭載する。艦内の格納庫にはヘリを11機まで搭載・運用が可能で、米軍のオスプレイも訓練で着艦。同型艦「いせ」、さらに大きなヘリ護衛艦「いずも」型も3月25日に就役した。

ハードな任務には、コレが足りない!

そして、ここからは現実的なテロの戦いで切実に必要となってくる装備を考えてみた。

【ハードな任務には、コレが足りない!】

●V-22オスプレイ 1機当たり108億円の高い買い物だが、今年度に陸上自衛隊への5機の導入が決まっており、18年度までに合計17機が配備される予定。航続距離に優れ、作戦行動半径は約600km。母艦に乗せて現地近くまで運びたい。

●ストライカー装甲車 C-130H輸送機などに積み、空輸して展開する装甲車として米陸軍や海兵隊で活躍中。約3千両が生産され、「偵察」「歩兵輸送」「105mm砲搭載」タイプなど様々なバージョンがある。96式装輪装甲車と置き換えたい。

●7.62mm機関銃MINIMI 自衛隊は5.56mmを分隊支援火器として採用しているが、2013年モデルからは7.6mmも登場した。ISの戦闘員は7.62mmのRPK軽機関銃を普通に装備しているため対抗するためにはこちらが望ましい。 ●サーマル・ナイトビジョン ビンラディン容疑者のアジトに米海軍シールズが突入した時に使ったとされる。完全な闇夜でも、光ではなく赤外線(熱)を感知し映像として兵士の眼に映るため夜間戦闘には欠かせない装備となっている。

●M110 SASS狙撃銃 M24はボルトアクションなので、1発ずつ狙撃姿勢をゼロから整える。だが、このナイツアーマメント社製の口径7.62mm狙撃銃は自動装填式のため、その動作がいらない。市街戦になれば、その差が大きくものをいう。

(取材・文/本誌軍事班[取材協力/世良光弘 小峯隆生] 写真/SASAGAWA PHOTO OFFICE 柿谷哲也)