大阪維新の会(以下、「大阪」)が22日に行なわれたW選挙で圧勝したことを受け、維新の党(以下、「維新」)や次世代の党の議員たちが水面下で右往左往している。「大阪」の議員が語る。

「『維新』の内部では、松野(頼久)さんら民主党出身の議員と江田(憲司)さんら旧みんなの党出身の議員が民主党との合流を模索してきた。それに猛反発した橋下(徹)さんや松井(一郎)さんらが分裂して『大阪』を立ち上げたわけです。

しかし民主党からすれば、2012年の総選挙前の最も苦しかった時に離党して、(分裂前の)維新に合流した連中は裏切り者でしかない。今でもその感情を強く持つ議員が多いので、岡田(克也)さんも無理に『維新』の党との合流を進められない。

そんな折、今回のW選で『大阪』が圧勝したもんだから、『維新』に残った民主党出身議員たちは水面下で『大阪』に合流する道を探り始めたんです」

具体的に、彼らはどのような行動に出ているのか?

「今回のW選では、投開票の2週間前くらいから世論調査などで『大阪』の圧勝が確定的となった。それを見て民主党出身議員たちがアプローチを始めたんです。彼らは『大阪』の府議会議員や市議会議員に連絡をして選挙を手伝ったフリを始めた。選挙に協力をしたから、それを手柄に合流させてくれよということです」(「大阪」議員)

なんともしょーもない話だが、次世代の党はどうか? 自民党議員が語る。

「党首だった平沼赳夫さんや幹事長だった園田博之さんはすでに自民党入りしている。彼らはどんな逆風でも選挙に勝てる人たちで、自民党から見てもメリットがあるから合流させました。

しかし、残る次世代の党の連中はそうではない。彼らも自民党との合流を目指してきたけど、うまくいってなかった。そこにW選があり、橋下さんに勢いが戻ってきたことで、急に『大阪』にすり寄り始めたわけです」

議員ひとり当たり約5千万円の政党助成金目当てに…

また、「維新」を離党し、政策集団を結成していた小沢鋭仁(さきひと)元環境相ら4人のグループも大阪に近寄っているという。

「彼らは維新分裂の際、東京(=分裂後の『維新』)と大阪のどちらを選ぶか決断をせず、事実上の態度保留をした。それが暫定的な政策集団結成の意図でした。そんな彼らもW選の結果を受け、『大阪』にアプローチを開始した」(「大阪」議員)

では、こうした動きに橋下氏と「大阪」サイドはどう対応しているのか?

「橋下さんは、すり寄ってくる連中を『選別する』と言っている。つまり、安易に合流させない構えです。しかし、これまでもそうだったように最終的には松井さんに任せてしまう可能性が高い。そうなると松井さんは合流させるでしょうね。理由は政党助成金です。議員ひとり当たり約5千万円ももらえるのですから。政党助成金は年末時点でその政党所属の議員が何人いるかで決まる。年の瀬にかけ、合流議員がバタバタと現れると思いますよ」(「維新」議員)

勢いが復活した「大阪」=橋下維新。でも、しょーもない連中を再合流させれば、また支持率が下がっちゃうんじゃないの?

(取材・文/菅沼 慶)