炎上必至のこのご時世に、まさかの発言が続出です 炎上必至のこのご時世に、まさかの発言が続出です

アメリカ合衆国のバラク・オバマ大統領を“奴隷”呼ばわりしたとして、各方面から批判を浴びた丸山和也参議院議員。

一方で「マスコミが発言の一部を都合のいいように報道し、世論誘導をしている」とする見方もあるーー。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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正確な事実に基づいて、配慮ある発言をする…って、これ、社会人の基本ですね。仕事のスキルとして、誰もが問われることです。

まして人前で話す時は緊張するもの。ミスしないように、信用を落とさないように。国会議員の失言が絶えませんが、大事な仕事なのに、なぜそのあたりが杜撰(ずさん)なんでしょうか。炎上必至のこのご時世に、まさかの発言が続出です。

でも、もしかしたらそれこそが選挙に勝つのに必要な力なのかもしれません。そもそも選挙には、人見知りや人間不信じゃ勝てません。「きっと民衆は支持してくれるだろう」と信じて自分を押し出しまくる、いわば常軌を逸した自己肯定感が必要でしょう。「僕が人から嫌われるはずがないよね!」ぐらいの。

だからスキャンダル議員も懲りずにまた選挙に出てはよみがえるんですね。ポスターを張りまくり、握手をしまくって、再び何十万人に投票してもらう。そんなこと、尋常ならざる楽観主義者じゃなきゃできません。

きっと失言議員の迂闊(うかつ)さや無神経さも、そんな「みんなわかってくれるよね!」という政治家独特のメンタリティゆえ。“選ばれし者”の鉄の自意識の弊害なのでしょう。

●小島慶子(Kojima Keiko) タレント、エッセイスト。選挙に出るんじゃないかと週刊誌に書かれた時に本気でその気がないことを示すため、ラジオの生放送で「ち●こ!」と3回叫んだことがある。以降、書かれなくなったとか…