朝日新聞「首相動静」、読売新聞「首相の一日」など、新聞各紙は首相がいつ誰と、どこで会ったかを分刻みで伝えている。
そこで、まずは朝日「首相動静」から安倍首相がマスコミ各社の人間と会食した回数を調べると…第2次内閣発足から約3年で、約70回も!
細川護熙(もりひろ)氏の首相時代(1993年~94年)、その秘書官を務めた成田憲彦氏(駿河台大学教授)はこう話す。
「第2次安倍内閣が誕生した12年12月以降、安倍首相は大手新聞社の人と会食する機会を増やしています。とりわけ目につくのは経営トップとの会食。歴代首相ではあまりなかったことです。
例えば、細川元首相はマスコミ幹部が首相官邸に来ることはあっても、飲食を伴うことはありませんでした。小泉元首相も私が記憶する限り、マスコミとの会食は年数回程度だったと思います」
一体なぜ、安倍首相はマスコミ幹部とメシを食いたがるのか…? 全国紙の政治部記者がこう話す。
「第1次内閣(06年~07年)の時、安倍首相は大腸炎で体調が悪く、あまり外食はせず、公務を終えたら私邸に直帰することが多かった。新聞社の幹部や記者との会食もほとんどありませんでした。しかし、マスコミとの関係づくりに消極的だったことで、周囲の人間からリーク情報が飛び交うようになり、安倍政権を批判する記事が増えるようになったのです」
つまり、安倍首相が会食に躍起になっているのは、第1次内閣の時の反省があるからだという。成田氏がこう話す。
「もちろん、会食の席でこれを書け、あれは書くな、と圧力をかけるわけではありません。しかし、新聞各社の幹部と個人的な関係をつくっておけば、重要法案を通す時など、いざという時、彼らは政権批判をしようとする現場を勝手に抑えてくれる。少なくとも“筆圧”を弱めさせる効果が期待できます」
会食の席では第1次内閣の時より格段に酒の量も増えているようだ。
「今でも安倍首相には健康不安説がつきまとっています。それを払拭(ふっしょく)するため、ワインやビールをグッと喉に流し込むように飲んで元気をアピールしています」(前出・政治部記者)
また、こんなエピソードも…。
「安倍首相は、自ら頻繁(ひんぱん)に会食相手に電話してスケジュールを組む。その電話は関係者の間で、かつて四六時中電話していた小渕恵三元首相の“ブッチホン”になぞらえ、(安倍ッチの“ベッチ”を取って)“ベッチホン”と呼ばれています」(前出・政治部記者)
●発売中の『週刊プレイボーイ』No.13「実食! 安倍首相と新聞社の偉い人が行くお店」では、さらに巧妙な安倍首相の“接待術”を検証しつつ、そこに乗っかる大手新聞社の腹のウチも暴露。また、首相がマスコミ幹部とメシを食った店も一挙公開。総理の舌を虜(とりこ)にした坦々麺が自慢の中華料理屋、プライベートでもよく使う居酒屋、ナベツネとサシ飲みした料亭…など都内6店舗を実食&辛口レビューしているので、是非お読みいただきたい!
(取材・文/興山英雄)