3月末解散、4月24日総選挙のシナリオはあり得るのか? 3月末解散、4月24日総選挙のシナリオはあり得るのか?

永田町に怪情報が駆け巡っている。なんと、4月末にも衆院選があるかもしれないというのだ。

このところ衆院選が7月の参院選と同日になるとの噂はしばしば耳にするが、さらに先行して4月総選挙という話は初耳。本当なのか? ある野党議員秘書が言う。

「きっかけは辺野古(へのこ)訴訟で、安倍政権が突然、沖縄県との和解を受け入れたことです。これは明らかに選挙対策。和解案を受け入れることで、沖縄の民意に寄り添うかのような印象を国民に与え、政権支持率を上げようという狙いなのでしょう。

安倍政権がここまで焦るのは総選挙が近い証拠。それだけに、安倍首相は衆参同日選どころか、この4月にも国会解散を仕掛けてくるのではと、多くの議員が疑心暗鬼になっているのです」

ジャーナリストの川村晃司(こうじ)氏もうなずく。

「あるとすれば投票日は4月24日でしょう。この日は衆院北海道5区、京都3区の補選がある。そこで、今年度予算と定数減法案を成立させて3月末に衆院を解散し、補選と同じタイミングで総選挙が実施されるのではという見方がにわかに強まっているのです」

参院選を追い抜いて総選挙に突入するーー。つまり、参院選「追い抜き解散」ってことか?

こうした臆測が飛び交う背景にあるのは、野党協力の動きだ。今年に入り、共産を含めた野党5党による候補一本化、民主、維新の合流・新党づくりなど、参院選を意識した野党協力が進んでいる。前出の議員秘書が続ける。

「安倍首相の目標は衆参各院で3分の2の議席を得て、憲法改正を発議すること。しかし、野党協力によって3分の2の議席確保が厳しくなっている。だったら、野党の選挙準備が整わないうちに早期解散を仕掛けて衆院で圧勝し、その勢いで7月の参院選も乗り切ってしまおうというのが『追い抜き解散』のシナリオです。

確かに4月に衆院選をやられたら野党協力は宙に浮く。73しかない参院選挙区に比べ、衆院小選挙区は295もある。とても野党候補の一本化なんてできっこない。民主と維新の新党も、新党名の入ったポスターを公示日までに刷ることは無理でしょう。これでは野党は勝てません」

安倍首相は憲法改正のためならなんでもやってくる!

本当に3月末解散、4月24日総選挙のシナリオはあり得るのか? この問いに、前出の川村氏がこう答える。

「解散の大義名分がないので実際には難しいでしょう。それよりも7月の参院選に続き、今年暮れに衆院選という『衆参時差選挙』を行なうのが常識的な判断でしょう。これなら解散にあたり、来年4月の消費増税を再凍結するかどうか、民意を問うという大義名分が立ちます」

ただ、そんな常識が通用しないのが安倍首相。前出の議員秘書が警戒を強める。

「首相は国会答弁などで『解散は全く考えていない』と明言していますが、誰も信じていません。息を吐くようにウソをつくのが安倍首相。憲法改正のためなら、なんでもやってくるはず。4月総選挙なんてあるわけないと高をくくっていると、煮え湯を飲まされかねません」

本当に安倍首相は「追い抜き解散」を仕掛けてくるのか? 国会から目が離せない。

(取材・文/本誌ニュース班)