米海軍との合同訓練に参加した中国海軍ダイバー。訓練内容はごく簡単なものだったが、彼らの動きは明らかに“一流”だったという

6月30日から8月4日まで、米・ハワイに計26ヵ国の海軍が集結した国際軍事演習「リムパック2016」

現地で取材したフォトジャーナリストの柿谷哲也氏は、ある日のダイバー訓練で、「明らかにただ者ではない」中国海軍ダイバーを目撃した。

身の回りの装備は西側諸国製の一流品。どこの部隊所属か、といった質問をしても、訓練を取り仕切っていた米海軍の広報官にことごとく遮(さえぎ)られる…。唯一、彼らの正体を示していたのが、岸壁で着用していた使い古されたジャングルハットだ。

「単なる水中作業専門の潜水士ならあのハットは不必要。上陸後、頭部をカモフラージュして周囲に溶け込むためにかぶるものです。彼らは『水中破壊部隊』のダイバーではないでしょうか。

中国海軍陸戦隊が尖閣(せんかく)諸島を占拠するべく上陸作戦を決行する前夜、日本側が仕掛けた機雷など水中の爆発物や、上陸作戦を阻む陸上の障害物を爆破処理するために投入される“第一陣”の精鋭部隊です」(柿谷氏)

演習期間中は日々、日米vs中国、そしてロシアによる「尖閣前哨戦」ともいうべき情報戦が繰り広げられていた。

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(取材・撮影/柿谷哲也 構成協力/小峯隆生)