日本でも有数の人口を誇る大都市でありながら、なぜかいつも「存在感のない」という扱いをされる名古屋。とうとう「もっとも魅力がない都市」とまでいわれるようになってしまったが、ここにきて反攻の兆しが見えている。
その最たるものが、河村たかし市長がぶちあげる「尾張名古屋共和国」構想だ。
名古屋市政を担当する地方紙記者が言う。
「2012年に河村市長が提唱した構想で、名古屋市と周辺25自治体が連携し、『尾張名古屋共和国』を造ろうというものです。実現すれば人口470万人、GDP20兆円の大都市圏が生まれます」
しかし、残念なことにこのアイデア、公表当初こそ人々の耳目を集めたものの、その後は泣かず飛ばずとなっていた。ところが! 今年9月になって「尾張名古屋共和国」構想が、にわかに再浮上した。
きっかけをつくったのは人口8万5000人の北名古屋市だ。同市の長瀬保市長が突如、「名古屋市と合併したい」とラブコールを発したのだ。
これには河村市長も「ええがや。もとは同じ尾張藩同士」と大ハシャギ。名古屋市議会で特別委員会を設置し、合併を議論しようという動きになっている。
「これから産業をようけ誘致せなあかんのだわ。だけど、大工場を造るほど名古屋には土地は余ってない。だから、ちょっと(名古屋を)広げる。それが『尾張名古屋共和国』。みんなでかつての尾張藩に匹敵する共和国を造ろうと思うとるよ。ただ、無理強いするのは感じ悪い。だから、北名古屋市さんなどにまず声を上げてもろうて、ぜひともこの夢をやり遂げたいね!」(河村市長)
さらに、隣接する清須市、豊山町でも名古屋市との合併話が論議されている。実現すれば、人口は400万人超。373万人の横浜市、270万人の大阪市を抜いて、「尾張名古屋共和国」が東京23区に次ぐ日本第2の都市圏になる。
果たして、名古屋は本当に復活できるのか? 発売中の『週刊プレイボーイ41号』では、「日本第2位の都市は目の前だ! 名古屋の逆襲が始まった!」として、大阪、横浜、福岡などと比較した場合の真の名古屋の魅力を検証。河村市長が大逆転プランを語ったインタビューと合わせて、ぜひご覧いただきたい。
(取材・文/ヤノアツ名古屋取材班)
■週刊プレイボーイ41号「名古屋の逆襲が始まった!!」より