財務省の幹部官僚から本誌記者に衝撃的な情報がもたらされた 財務省の幹部官僚から本誌記者に衝撃的な情報がもたらされた

8月下旬、財務省の幹部官僚から本誌記者に衝撃的な情報がもたらされた。「官邸からウチのトップに、総理の12月のスケジュールを全面的に空けておくようにとの指示が入った」というのだ。

首相や閣僚にとって12月はかなり忙しくて重要な時期。それなのに一切の予定を入れたくないというのは異例極まりないこと。官邸サイドはその理由を「外交日程のため」だと説明したそうだが、1ヵ月も必要な外交案件なんて存在するはずがない。つまり、ウソってことだ。

ウソをついてまで1ヵ月も空白期間をつくりたい事情はひとつしかない。解散だ。財務省の幹部が次のように証言する。

「財務省に関係する12月の政治日程といえば、最も重要なのが来年度予算案の閣議決定で、例年は12月23日から25日にかけて行なわれます。閣議決定を済ませなければ、年明けの通常国会で予算案を審議することすらできませんから、キャンセルなんて絶対にありえないんです。

また、銀行協会や経団連などの経済主要団体の忘年会への出席も重要です。これも安倍首相にとって、選挙対策や政権基盤の安定に欠かせない行事ですから。

それなのに12月を丸々空けたいということは、もう解散総選挙しか考えられない。解散してしまえば、予算案の閣議決定は選挙後になりますし、忘年会に出席しなくても誰も怒りませんから」

民進党の新代表に蓮舫氏が就任したことも早期解散を後押しする材料だ。「民進党の支持率は超低空飛行状態がずっと続いていたけど、蓮舫さんになってどの程度変わるのか、われわれも注目していた。しかし二重国籍問題が浮上し、以前よりも明らかに弱体化した」と話すのは、ある自民党議員。

解散の理由は何か?

さらに、来年6月に予定されている東京都議会議員選挙も解散時期に影響している。

「これから小池(百合子)さんが新党を作る可能性もあるし、都政の先行きは非常に不透明です。そして連立パートナーの公明党さんは都議会を非常に重視していて、衆院選と都議選の日程をなるべく離したいという強い要望がある。だからなるべく早く解散するか、逆に都議選の後に選挙をするしかない」(前出の自民党議員)

しかし、解散の理由は何か? 「どうもロシア関係でいい外交成果が得られるんじゃないかという話がある」と自民党関係者は言うが…。

そこで取材を進めると、12月のロシア・プーチン大統領の訪日をきっかけに「歯舞群島と色丹島の『2島先行返還』に向けて本格交渉を始める」という方針が見えてきた。

つまり、「北方領土4島一括返還」の姿勢を転換し「2島を先行して返還させる方向で交渉することの是非を問う」のが、解散総選挙の理由になるのだ。

発売中の『週刊プレイボーイ41号』では、現状で濃厚とされる解散総選挙の日程を公開。永田町や霞が関周辺の徹底取材で見えてきた安倍政権の思惑を、ぜひお読みいただきたい。

(取材・文/菅沼 慶)

■週刊プレイボーイ41号「安倍首相が『北方領土解散』を決断した!!」より