プーチン大統領を「パワフルな指導者」と褒めちぎり、対ロ接近を図るなど、破天荒なトランプ外交が対北朝鮮でも炸裂するかもしれない。在京の韓国大使館外交担当者が言う。
「ひょっとしたら、トランプ氏は大統領任期中、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と直接交渉に乗り出すことになるかもしれません」
本当なのか?
「『アメリカ・ファースト』を掲げるトランプ次期大統領は、北朝鮮にさほど興味を抱いていない。めぼしい産業もない。『商機の乏しいただの小国』ぐらいの認識でしょう。だからこそ、アメリカの安全保障を脅かしかねない核問題さえ解決できるメドが立てば、根っからのビジネスマンであるトランプ氏だけに、金正恩委員長とのディール(取引)に乗り出す可能性があるのです」
トランプ氏が北朝鮮に興味が薄いことは、在韓米軍の駐留経費の削減を主張していることからも明らかだ。
「韓国も日本同様、米軍の駐留経費負担の上積みを求められています。これはトランプ氏が北朝鮮の軍事的脅威にさほど関心がない証拠。直接、脅威となる核開発をストップさせることができれば、在韓米軍の必要性は小さくなる。人員を縮小し、浮いた駐留経費を国内の公共事業や失業対策に回せるとわかれば、計算高いトランプ氏のこと、北朝鮮を無視してきたこれまでのオバマ外交を劇的に転換させるかもしれません」
その戦略はズバリ、核開発の「凍結」だ。朝鮮総連関係者が言う。
「2012年、16年に憲法を改正し、序文に核保有国宣言を明記した以上、北朝鮮が核を放棄することはない。あるとすれば、その条件は核の廃棄でなく、核開発の凍結でしょう」
昨年から米朝はストックホルムやマレーシアで極秘接触を続けている。その交渉からアメリカ側は「北朝鮮は、核凍結なら受け入れの用意があるとの感触を得ている」と、この関係者はささやく。その見返りとしてアメリカは北朝鮮への核先制不使用を宣言し、国交正常化交渉をスタートさせるというシナリオだ。
しかも、その際、北朝鮮側が交渉の仲介人と期待する人物もいるという。
「NBAで7年連続リバウンド王に輝いた、デニス・ロッドマン氏です。彼は13年から4回も訪朝、バスケット好きの金委員長と親交が深い。
しかもロッドマン氏はトランプ次期大統領とも昵懇(じっこん)の間柄で、先の大統領選では一貫してトランプ氏支持を表明していた。トランプ氏がロッドマン氏を特使に任命し、平壌に派遣することになるのでは?」
予測不能なトランプ人事だけに、ロッドマン北朝鮮特使が本当に誕生したりして!?