昨年の大統領選では「日米同盟は不平等だ」などと吠えていたトランプ大統領だが、就任後の日米関係は不気味なほど順調だ。
実は、その見返りとして今後、大量の「請求書」が送りつけられてくる――!?
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「最先端技術を用いた米国の装備品はわが国の防衛に不可欠だ。安全保障と経済は分けて考えるべきだが、結果として米国の経済や雇用にも貢献するものと考えている」
これは親米派の論客や、いわゆる防衛族議員のコメントではない。ほかならぬ安倍晋三首相自身が、2月15日の参議院本会議で発言した“日本政府の公式見解”だ。
その4日前、安倍首相はトランプ大統領と初の首脳会談を行なった。それも単なる会談ではなく、共にゴルフをプレーし、訪米中に北朝鮮がミサイルを発射するとトランプ大統領が「同盟国・日本を100パーセント支持する」と語るなど、“日米蜜月”を内外にアピールする舞台となった。
昨年の大統領選では、「同盟国に相応の負担を求める」「日米同盟はアメリカばかり負担の多い不平等同盟だ」などと息巻いていたトランプ大統領。それが一転して安倍首相を徹底的に歓待したことの裏側には、日本側からなんらかの“手土産”があったと見る向きも強い。
「そこで気になるのが、まるで米軍事産業の回し者かのように、声高に米製兵器の購入をアピールした安倍首相の発言です。確かに一部の兵器は必要ではあるにせよ、さすがに露骨すぎる。これはつまり、大幅軍拡で軍事産業をテコ入れしようとしているトランプ大統領への“アシスト”ではないかと考えられます」(全国紙政治部記者)
ちなみに、同じ2月に米マティス国防長官は、欧州のNATO(北大西洋条約機構)諸国に対し、「加盟国の負担増がなければアメリカは関与を薄める」と警告。各国の防衛費をGDPの2%程度まで引き上げるよう求めている。
一方、日本の防衛予算は、間もなく成立予定の2017年度で約5兆1000億円。日本としては過去最高額だが、それでもGDPの1%程度だ。これを2%まで増やすのは難しいとしても、安倍首相はすでに「GDP比1%にはこだわらない」と明言。例えば防衛予算を毎年、前年より5%ずつ増やしていくと、トランプ政権(2期8年とした場合)が終わる頃には約1.5倍にまで膨れ上がることになる。
「もちろん防衛予算を増やす理由は、一義的には中国の軍拡に対抗するためです。ただ、その副産物として、おそらくアメリカから多くの兵器を買うことになる。それが『同盟の見返り』というわけです」(前出・政治部記者)
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(取材・文/世良光弘 協力/小峯隆生 写真/米ミサイル防衛局)