C-1に代わる主力輸送機として配備された「C-2」

長年、自衛隊の大きな弱点だった輸送機が、これからは逆に強みになりそうだ。搭載量、航続距離、スピード、使い勝手などあらゆる面で世界に誇れる最強の国産機の実力を徹底解剖!

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■機動戦闘車やヘリまで搭載可能

実に43年ぶりとなる新型国産輸送機の登場だ。

3月28日、グレーに塗装された3機の「C-2」が航空自衛隊・美保(みほ)基地(鳥取県)に配備された。量産初号機の価格は約188億円。1970年代にデビューした「C-1」に代わる主力輸送機として、最終的には20機から40機が配備される見通しだ。

実は、このC-2は“世界最強”とまでいわれているのだが、まずはC-1とのスペックの差を見てみよう。

●全長43.9m(C-1は29.0m)●翼幅44.4m(同30.6m)●最大搭載量37.6t。機動戦闘車や中型ヘリも積載可(同8t、搭載できるのは小型ジープまで)●最大量搭載時の航続距離5600km(同1500km)●巡航速度マッハ0.8(同マッハ0.53)

一歩進んだどころではない、革命的な進歩だ。各国の航空機に詳しいカメラマンの布留川司(ふるかわ・つかさ)氏が解説する。

「C-2のコックピットはアナログ計器ではなく、液晶ディスプレイを採用。空自の輸送機では初めてヘッドアップディスプレイも採用され、夜間飛行時はパイロットのNVG(ナイトビジョンゴーグル・夜間暗視装置)使用にも対応できます。さらに、パイロットの操舵をコンピューターが電気信号化して機体を制御するフライ・バイ・ワイヤ方式が導入され、飛行時の安定性も格段に増しました。

また、機内はコックピットや貨物室を含めて与圧され、防音性能にも優れるなど乗員の環境も大きく改善。もちろん空中受油装置も装備しており、あらゆる面で長距離飛行に適応した機体です。事実上、国内専用機だったC-1とはまったく違うのです」

◆発売中の『週刊プレイボーイ』17号では、「世界最強輸送機C-2は日本の離島を守れるか!?」でその性能を分析。ぜひお読みください。

(取材・文/世良光弘 写真/防衛装備庁)