小池百合子東京都知事が「アベノミクス3本の矢」ならぬ、「ユリコ3本の矢」作戦で7月の都議選勝利を目指しているらしい。
一体、「ユリコ3本の矢」って、どんな矢だ?
1本目は6月16日に発売された『小池百合子写真集 YURiKO KOiKE 1992-2017』(双葉社)。若かりし頃の水着姿や、自宅でのプライベートショットなど、政界入り前の貴重なスナップも満載されたお宝写真集だ。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「以前、上西小百合衆院議員が写真集を出して、有権者の不評を買ったことがありました。同じように、小池知事が写真集を出せばマイナスイメージになるリスクもある。でも、それを恐れないのが小池流。都議選告示後となるとマスコミは取り上げにくいが、告示前のこの時期なら大々的に扱ってくれると見込んで、発売に踏み切ったのでしょう。
評判の良しあしは別として、これで都民に『小池百合子』という名前がさらに浸透する。写真集を見た人には政治家としての自分の歩みもアピールできる。無党派層を取り込むために計算し尽くされた計画というほかありません」
第2の矢が「豊洲市場移転の決断」だ。
これまで、小池知事は都議選前に豊洲問題の結論は出さないと目されてきた。豊洲移転は賛成派、反対派が真っぷたつに分かれて対立している。結論を出せば、どちらかが知事に反旗を翻し、都議選での得票も減る。そのリスクを避けたいとの思惑が知事にあったからだ。ところが、6月12日になって突然、NHKが「告示前にも知事が考え方を示す方向」と報道したのだ。前出の鈴木氏が続ける。
「なかなか決断しない知事に、自民党は『決められない知事』と攻撃を強めてきた。公示前のこのタイミングで決断することで、『決める知事』というイメージをつくり、無党派層の共感と支持を広げようと狙っているのでしょう」
では、第3の矢は? 大手新聞記者が話す。
「安倍首相と親しいジャーナリスト、山口敬之(のりゆき)氏のレイプもみ消し疑惑を都議選で触れるのではないかと噂されています。山口氏は逮捕状が出ていたのに、一転して逮捕見送りとなった。首相のお友達だから逮捕されなかったのではと疑う女性有権者は少なくない。知事が『自民は女性の人権をどう考えているのか?』と批判して選挙戦を戦えば女性票が集まり、自民には強い逆風が吹くことになります」
果たして「ユリコ3本の矢」は、自民党をズバリと射ることができるのか?