戦術上の理由などから「Kスナイパー」のほとんどのメンバーは“顔出しNG”。そんななか撮影に応じてくれたのが、国際射撃大会での入賞経験もある小城1曹(左)と伊藤2曹(右)だ 戦術上の理由などから「Kスナイパー」のほとんどのメンバーは“顔出しNG”。そんななか撮影に応じてくれたのが、国際射撃大会での入賞経験もある小城1曹(左)と伊藤2曹(右)だ

昨月某日、霧雨に包まれた陸上自衛隊・東富士演習場。その一角で、陸自普通科教導連隊から選抜された敏腕狙撃手「Kスナイパー」の面々が長距離狙撃の訓練準備を進めていた。

ごく一部ではその存在が噂されていたものの、これまで公式な発表はなく、今回の取材で初めて明らかになった新設のスペシャリスト集団だ。

時折響く大口径ライフルの発射音のなか、シューティングレンジからカメラマンの前に現れたのは教官を務める小城(おしろ)1曹と伊藤2曹。あいさつもそこそこに、顔にカムフラージュペイントを塗り始めると、柔らかな表情は消え、まさに一撃必殺のスナイパーという雰囲気が漂う。

「敵から身を隠すために狙撃スーツなどに施す“偽装”は、潜入した地域の植生を観察し、痕跡を残さぬよう細心の注意を払って行ないます」(小城1曹)

戦闘服やライフルが周囲の草木に溶け込むよう偽装するのに要した時間は30分足らず。ふたりが茂みに分け入り、対人狙撃銃「M24 SWS」と観測眼鏡を構えると、わずか3mほど先からでもどこにいるのか見分けがつかない…。彼らは一体、何者なのだろうか?

 偽装(カムフラージュ)を施した狙撃手と観測手(敵の位置を特定し照準を助ける役)は、カメレオンのように周囲の草木に溶け込んだ 偽装(カムフラージュ)を施した狙撃手と観測手(敵の位置を特定し照準を助ける役)は、カメレオンのように周囲の草木に溶け込んだ

★ナゾの狙撃集団「Kスナイパー」の詳細は、『週刊プレイボーイ』37号(8月28日発売)に掲載!

(取材・文/世良光弘)