女性が平和的とか母性的とは限りません

9月25日に「希望の党」を立ち上げた小池百合子東京都知事。

“小池人気”にあやかろうと多数の民進党議員が合流を画策し、ここにきて立憲民主党という第三勢力も現れ、10月22日に投開票を控えた総選挙の展望は混沌とした様相に…。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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圧倒的な男性多数の組織で、女性であることは不利にも有利にも働きます。女性差別の憂き目に遭う一方で、少数派の希少種として、目立つお役目をいただけることも。もちろん、あくまで男性の引き立て役とか、お飾りだったりするわけですが。

そんな渡世を知り尽くした女性たちは、男を立てまくりつつ「今に見てろよ」的な恨みをため込んでいるものです。でもたいていは復讐する機会もなく、永遠の女子アナ的な立場にしがみつき、年月を経て後ろ盾を失うのを恐れることになります。

そんなXデーが来る前に、永田町から都庁へと土俵を変えてオヤジ退治ショーに打って出たのが小池さんです。男砂漠の果てまで行って生還した人ですから、その目には「誰も信じない」と書いてあります。女性が平和的とか母性的とは限りません。選挙では女性ブランドを最大限に生かしつつ、目的は男社会の覇者として君臨すること。つまりは復讐と征服です。「百合子さま、どうか助けてください」と男たちに言わせてこそ。

リベラル排除を明言し、オヤジ帝国の乗っ取りを目指す小池さん。現政権以上に異論を許さぬ“百合子ファースト”かも。

小島のひとり言師匠の小泉元首相そっくりの劇場型政治を得意とする小池さんですが、小泉さんよりも恨みが深そうです。何に対する恨みか、大変興味深いところ。「核武装もあり」や、衝撃のAI発言も忘れてはいけませんね。

小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。テレビ・ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動する、日豪往復生活。近著に『ホライズン』(文藝春秋)『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)など